152話 移動要塞戦艦デストロイヤー再びっ!この泥沼な大紛争に、中二聖天使と雷帝の手で終止符をっ!4
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前11時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島南部・ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地周辺水域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
午前11時、丁度。
洲崎二佐は、基地内に居るグリクス地方軍団のジャイアガル守備隊の壊滅の確認を哨戒ヘリを飛ばして、相手への攻撃効力評価の確認をした。
その結果、生きて居るらしき人物の人影は、粗方見当たらないと判断し、戦闘停止を命じた。
「戦闘停止っ!」
「戦闘停止っ!」
「次なる目標地点へと向うっ!」
「次はグリクス要塞を始めとする敵要塞群を叩く。」
「了解っ!進路を南に・・・・面舵いっぱいいいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーっ!!!」
グリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍に占拠されて居たジャイアガル軍港基地を壊滅させた、ダバ派遣艦隊の第3護衛艦隊は、次なる目標へと向う為に、進路を南に向けて航行して行った。
その後も第3護衛艦隊は、快進撃を続けた。
レジェンダリア諸島の対岸に有るグリクス地方の軍事施設を次々と灰燼とさせて行く。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前11時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス市・グリクス港・グリクス地方軍団・グリクス地方中央戦線区・ローラーナ帝国軍・グリクス地方軍団本拠地・グリクス要塞及びアルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島南部・ブラキュリオス湖畔南部水域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
午前11時30分には、グリクス地方軍団の本拠地であるグリクス要塞を砲撃した。
同要塞は先の戦いで、はやぶさ隊に乗船していたハンナ達聖天使騎士隊が、うっかりと勘違いや聞き間違いと言う残念なハプニングに見舞われ、エクスプロトンバスターが撃ちは成った爆裂魔法砲撃によって、要塞部分の約3割が破壊し尽されていた。
特にグリクス要塞の北側地区の陸空の魔導戦艦隊の駐機所と倉庫街。
それに西側市外区であるグリクス市の倉庫街が、エクスプロトンバスターによって、其処に在った構造物群が破壊され尽くされて居た。
グリクス地方軍団に取って幸いな事に、主力兵器関係は、事前に得ていた情報でダバ派遣艦隊とエリン等の脅威と成り得る存在に対しての備えとして、後方へと退避させていた為に、エクスプロン・ランサーから放たれたエクスプロトンバスターからの被害を免れていた。
この時間に成ると、合流予定だった石井三佐が率いるはやぶさ隊は、補給艦ましゅう・おうみ。
その護衛である試験改修艦あすかと護衛艦しらぬいと合流し、補給を終えて第3護衛艦隊と合流する。
更に火力を増した同艦隊は、進路を西に取って、ダバ派遣艦隊本隊と合流するべく帰路に付いて居た。
既に本隊である日シベ合同作戦軍の司令部へは、敵の補給路を断ったと伝え、南部一帯を壊滅作戦をに移行すると報告されて居た。
これが伝えられた本隊も、グリクス地方軍団への本格的な反転攻勢に転じると伝えて来て居る。
日シベ合同作戦軍
イツクシマ作戦も、いよいよ終わりに近付きつつ有ると、第3護衛艦隊の面々はホッと胸を撫で下ろした矢先の事だった。
第3護衛艦隊が、北シャッポロ川から東に26キロ地点で、ダバ派遣艦隊の全てのレーダーが、何かをキャッチしたらしい。
「んんっ?これはっ!まさか・・・・・洲崎二佐っ!レーダーに反応です。」
「反応場所は北シャッポロ川付近と思われ・・・」
「如何しました?」
洲崎二佐は、レーダー担当隊員から緊急の呼び出しを受けて、マイクを取って呼び掛けに応じる。
「此方はソナー室です。」
「同じく、シャッポロ川付近の方向の水中からの反応が有ります。」
「それも、かなりの大きな音です。」
「それに反応してる音が、今まで聞いた事も無い音でして・・・・・・・」
すると今度はソナー担当の隊員等からも水中から反応が有ると報告が入る。
「微かに反応して居るのですが、反応して居る場所が、とても曖昧なんです。」
「何か金属の物体が、その水域に漂流して居るとかじゃ無いか?」
「それにです、その音が騒音に近い物でして、聞いて居るのも嫌に成る位の耳障りな物なんですよ。」
「聞いて居て、頭が変に成りそうなんです。」
「そうなんですよ、あれを聞く位なら、中国海軍の潜水艦の方が可愛いもんですよ。」
「どう言う事なの・・・・・・・・」
状況が掴めない。
どう言う事態なのかもハッキリしない。
考えを巡らす中で、艦橋で1人の幹部隊員が、ある事を言った。
「透明化魔法の影響でしょうか?」
「確かイリュージョンとか言う物体を透明化にして、見えなくする魔法が有った筈です。」
「副産物としてレーダーに映り難く成ると聞いては居たけれど・・・・・・」
自衛官らは魔法学に付いて、講師役に迎えたリナから補習と言う形の座学を受けていた。
因みに予断だが、リナはこの講義で、日本政府直属の臨時公務員と言う扱いと成り、授業料金報酬として、1回の講義を行う事に付き、3万円が交援省を経由して日本政府から支払われる事と成った。
これまでにリナは13回の補習授業を行ったらしい。
この事が切っ掛けで、彼女は日本国と深い関わりを得て行き、臨時契約の出来高払いから月末締めの基本給が支払われる本契約を勝ち取る事と成って行くのである。
この事が切っ掛けで、彼女は自分の将来を決定付ける事に成る縁を手にしたのであった。
「恐らく敵軍の艦隊の一部か何かが、姿を隠して水上航行をしてるのでは?」
「耳障りな音も、魔導動力炉のエンジン音とか言う物では無いでしょうか?」
「それに、この世界には、潜水する兵器は無い筈と聞いて居ますし・・・・・・」
幹部達の私見的な見解を聞いて居る中で、最もな意見の1つだった。
確かに日本国と防衛省が現時点で得て居る情報で、潜水艦に類する兵器の存在は確認されて居ない。
だからこそ、第二次龍雲海沖海戦で、日本は潜水艦を大量投入した作戦を展開して、戦いを有利に運べたと言えたのであった。
「うーん・・・・・・・・その意見は理に適う意見だと思うわ。」
「でも・・・逆にこうは考えられない?」
「確かに潜水艦は、この世界には無いとの情報も得て居るし、今の所は確認されたと言う新情報も無い。」
「でも私達の目の前に、ローラーナ帝国軍が、新たに投入された新兵器として、此処に現れたって考えるのも、極々自然な事では無いかしら?」
「まっ、まさか・・・・・・・・」
「まさか、まさかの有り得ないと言うのが、この新世界であるアースティア世界よ。」
「私達から見て、非常識な兵器も多数有ったのよ。」
「何が有っても起きても、作られて居ても、可笑しくは無いし、不思議でも無いわね。」
その逆も然り、ローラーナ帝国に取って見れば、日本が保有する兵器の方も、この世界から見れば、十分に非常識な物だと言えるのだった。
「それでは、この事態に我々は如何しますか、洲崎二佐?」
「決まって居るわ。私達は海上自衛隊よ。最も得意な事は何?」
「ふふっ、そうでしたね。」
「だったら、やる事は分かって居るわね?」
「総員っ対潜よーいっ!幾ら潜水艦が無い世界だからって、まさか腕が鈍って居ないわよねっ!?」
「勿論です。」
「我々は地球では対潜能力は、世界トップクラスです。」
「アメリカ・ロシア・中国・欧州など、何れの海軍を相手に、常に演習で連中全てに、黒星を付けてやって居ます。」
この世界の海上自衛隊はリムパックを始め、世界各地で行われた海軍の国際演習大会で強豪国を全て打ち負かし、中でも海自の護衛艦隊と潜水艦隊は、海の忍者艦隊とも言われて居た。
余りにも発見が困難である為に、敵役をして居た海自潜水艦が制限時間が過ぎても発見され無かった大会では、事故が起きて居るのではと捜索が行われていた事が降った。
その顛末では、演習艦隊の連合海軍の旗艦役をして居た米空母の真下から現れ「あの~演習時間が終わったので港に戻って良いですか?」と聞いたと言う笑える伝説が有った。
米海軍司令官と海軍幹部らは艦橋で「ああーーーっ!!!」と叫んだと言う。
「宜しい。哨戒ヘリを全機発艦させてっ!魚雷と爆装もフルでお願いっ!」
「了解です。各艦へっ!哨戒ヘリを全機発艦準備に入れっ!」
「石井三佐のはやぶさ隊は、何時でも水上に浮き上がった相手に対しての攻撃体勢を取って下さい。」
「了解した。」
「各艦進路を北西方向へ舵を取れっ!」
「北シャッポロ川から距離を取りつつ敵の頭を取るっ!」
ダバ派遣艦隊の第3護衛艦隊は、北シャッポロ川の河口付近に現れた謎の反応に対して臨戦態勢を取る事に成り、移動を開始する。
隊員達に緊張が走しるのであった。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前11時30分・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方・グリクス地方州 ・ブラキュリオス湖南部地域・シャッポロ川・ブラキュリオス湖から2キロ地点・北シャッポロ川河口付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
北シャッポロ川、それはユーラシナ大陸中央部に位置しており、東にシャッポロ連峰山脈と西部から北へと至る山脈であるキリランシャロ山脈の間を抜けて行き、ブラキュリオス湖と注いで、パイプ・ライン大河と一つに成る支流大河の一つだ。
その河口付近に到達した先行試作量産型・移動要塞戦艦デストロイヤー艦隊を率いるギンジェム・グェンダー大佐は、間も無く戦うニホン軍との戦いで、先のダバ派遣支援艦隊で受けた敗戦での雪辱を晴らそうと、気合が十分と言った感じて、これから仕返しをする二ホン軍を相手に、どう捻り潰してやろうかと思いを馳せていた。
「ギンジェム大佐殿、ブラキュリオス湖に到着しやした。」
上官と同じ様に口の悪そうな部下が潜望鏡で、360度の見た景色から目的地に到着したと報告をしたのであった。
「再出撃するとは言え、大分時間が掛かってしまったな。」
「仕方ありやせん。何せ潜水しての移動は色々と気を使う事ばかりですので・・・・・・・」
「だが、それだけ得られるメリットも有る。」
「此処に来るまでの間、シベリナ連合はおろか、先の戦いで我らに恥辱を与えおったニホン軍を含めた、何れの軍とも交戦する事無く、この地へと辿り着いたのだ。」
「お陰で試作量産型デストロイヤーに艦載して居る兵器は、全て無傷であり、戦闘も無かった事から、それに伴う無駄な燃料も喰う事が無い。」
「くくくくくっ!!全くもって、正に至れり尽くせりだったな。ガハハハハハハハッ!!」
ギンジェム大佐は、先行試作量産型・移動要塞戦艦デストロイヤー1号艦の艦橋の艦長席で、声高い高笑いをして居た。
それもう、全く以ってうるさ過ぎるし、ウザイくらいに暑苦しい髭を生やした巨漢が、更にその暑苦しさとウザイ雰囲気を高めていた。
艦載機と長距離誘導弾が主流の日本からすれば、今更対艦巨砲主義の権化の様な移動要塞戦艦なんて代物で、艦隊決戦を挑もうと言う発想は、如何なんだろうと言う者も居るかも知れない。
だが、この単細胞な男と移動要塞兵器には、かの宇宙戦艦に搭載された波○砲か超時空要塞な戦艦に搭載された反応炉式のビーム砲兵器に匹敵する兵器である魔導光線砲、デストロイヤー砲が搭載されて居るのだっ!
難点なのは、その醜いデザインである宇宙要塞風の戦艦の船体に6本の多脚式歩行装置が付いて居る事。
それと移動速度が滅茶苦茶に遅いのと、デストロイヤー砲の連射が、動力炉に負荷が掛かる余り、故障を来たす恐れが有る為に、連射が出きないと言う欠点を抱えていた。
そんなデストロイヤーの先行試作量産型と成って居るこの艦であっも、発掘解析艦にして、オリジナル艦とも言うべき物と同様で有った。
先行試作量産型に成ったお陰で何所が変化したのかと言うと、全長600メートルから500メートルと、その大きさが、やや小さく成った位で、開発と量産コストがちょっぴり安くなっただけであった。
そんな新しく成った巨大移動要塞戦艦は、レジェンダリア諸島へと突き進むのである。
だが、彼らはちょっとだけ、ミスを犯していた。
それは潜望鏡がちょっとだけ目立ち過ぎる大きさなのと、移動要塞戦艦デストロイヤーの魔動力炉のエンジン音が、余りにも、うるさ過ぎると言う欠陥から来るミスである。
潜水艦と言う兵器の発想が無い世界である。
水の中に隠れられると言う古代の設計図と性能機構を解明しただけで、その技術をそのまま複製し、運用を開始し始めた。
そんな彼らは、最近に成って敵対し始めて来た日本が、同じ様な兵器を運用し、対抗策すら持って居ると言う事を彼らは知らないし、想像すらして居なかったりするのだった。
兵器とは運用する側とされる側の対策・対抗合戦で最終的な姿形の使い方が決まるのは、どの世界で在ろうとも変わらないらしい。
そんな彼らに、コーンと言う音が水中内から船内へと伝わる。
「何だっ!今のは?」
「分かりません。只の水流の流れる音か、浮遊物か、はたまた漂流物の追突では?」
「どうしたっ!水中の中で、高が大きな音くらいで騒ぎ立てるな馬鹿者がっ!」
「多方向から奇妙なコーン、コーンと言う音が外壁に当たって居やしてね。」
「それを聞いた連中がビビッて居やがるだけです。」
「すみやせん。水中を突き進む何て事をして居るので、奴等も初めての事だらけなのも有るのでしょう。」
「まぁ、良い。それよりも早く着かないと戦が終わってしまうぞっ!」
「仕方がありやせんよっ!」
「水中の中って奴は水圧の抵抗も有って、移動速度が陸地や空中と違って極端に遅く成るもんだと聞いて居やすし・・・・・」
「くそっ!このゆったりとした時間が何とも、もどかしいっ!」
苛立つギンジェム大佐は、何も出きない時間をイライラと過ごす事が、我慢の限界を迎えようとしていた時だった。
その水面の上空では、5機の哨戒ヘリである内の、あかつき・ひびき・すずかぜらに搭載されて居るSH-60K哨戒ヘリコプター3機と、対潜爆弾を2発装備させて哨戒活動を実施。
いかづち・いなづまに搭載されて居るSH-60J哨戒ヘリコプター2機には、対潜魚雷が2発づつ装備させ、同じく哨戒任務に付いて居た。
何れの哨戒減ヘリも、敵との不意の遭遇に備えたフル武装での臨戦態勢を取っていた。
先ず、護衛艦達による対潜捜索を実施し、ビンカーを放つ。
次いで潜水して居る物体が居ると思わしき周辺地点の近くで、ソノブイを展開させる。
十分な捜索データを得られたら、対潜攻撃が始まると言う教科書にも、書かれて居そうな単純なやり方だ。
だが、洲崎二佐達第3護衛艦隊は。まだ知らないが、相手は移動要塞戦艦デストロイヤーである。
滞空攻撃と対艦ビーム砲を備えた化物だ。
哨戒ヘリの隊員達は、知らず知らずの内に、命懸けと成る哨戒活動を実施しなければ成らない状況の中に有るのだ。
「ピコーン、ピコーン、ピコーン」と言う音が、ソナー室に居るソナー担当を受け持って居るソナー隊員が声を上げた。
「居ましたっ!水深で1千メートルっ!距離にして・・・・凡そ3万ですっ!」
「水上レーダーでも捉えましたっ!」
「こちらあかつき所属の301番機だっ!」
「居たぞっ!居たぞっ!水中に3隻も居やがるぞっ!」
「それに連中の潜望鏡が丸見えだっ!こいつら本気で隠れる気が有るのか?中国海軍や韓国海軍の奴らの方が、潜水艦に関して、まだマシな運用して居るぞっ!」
「こちら隊司令の洲崎、それだけ分かれば十分です。何時気付かれるとも分かれません。一旦、帰投して下さい。」
洲崎二佐は、敵に対してどうするか決める為に、哨戒ヘリ達を帰投させ、今後の判断を決め様とするのであった。




