146話 終結に向けての決戦!ブラキュリオス湖畔紛争っ!6
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前9時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城各周辺及び第二防衛ライン・ナガシノ野戦陣地・各最前線にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日シベ合同作戦軍が構築した各最前線の馬防柵付近では、グリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍が三部隊に軍を分割し、3方向から迫りつつ有った。
それらに対抗するべく、ナガシノ野戦陣地の名の由来の如く敷かれた防御陣地では、全部隊による一斉射撃による遠距離防衛戦術を敷く日シベ合同作戦軍。
この野戦陣地を敷いた理由は、帝国の大軍勢戦術に対抗すべく構築した鉄壁の野戦築城と言うべき要塞であり、大軍の勢いを殺し、銃火砲を中心とした武器装備で迎え撃つ事が狙いであった。
恐らくこの世界では、600年以前に在ったと言う未来文明国家群や現代式文明国家群。
この世界の古の先史文明以来の近代戦術が、ガミトフが率いる近世と中世時代と言った軍事組織構造が、歪に混ぜ合わさって居る様な軍勢を葬ろうとして居るのである。
敵は身長が30メートルから25メートル前後の巨体を有する陸竜を主体とした重機動師団と全長30メートルの魔導機兵隊を盾にして、ナガシノ野戦陣地に迫って来る。
その後ろからは、このアースティア世界の通常兵力である歩兵と魔導師、弓兵、砲兵等が後に続く。
その更に後方では、陸空魔導戦艦隊が控えて、戦闘開始と共に味方への援護砲撃を開始させて来て居た。
「まだだっ!良いかっ!よーくっ!敵を引き付けてから、一斉に撃つんだぞっ!」
各国軍の部隊長らは、自衛官達から効率の良い射撃戦術の補習講義を受けて居る。
日シベ合同作戦軍は、ロクに合同訓練をして居ない俄か連合軍である為に、連携作戦で生まれる隙間や僅かな綻びの穴を少しでも小さくする為に、丁寧に講義と訓練を行って居た。
「「「「「モオオオオオォォォォーーーっ!」」」」」
「「「「「ギヤヤャャャャオオーースっ!」」」」」
重騎竜のトリプトドンと火炎竜のフレイムランドドラゴンらは、ナガシノ野戦陣地から2.5キロ付近で足元に設置された有刺鉄線に傷付いたり、触れて足に痛みが走って苦痛と嫌がる鳴き声を上げた。
「くそっ!何なのだ?この鉄の柵は?」
「ちぃっ!魔導機兵の足がっ!」
「おいっ!無理に動かすなっ!」
「脚部装甲の隙間に鉄柵が食い込んで余計に絡んで喰い込むぞっ!」
此処で敵に対して、ホームセンターから仕入れた、何の変哲もない只の有刺鉄線が思わぬ嬉しい誤算を招いた。
魔導機兵の足首等に絡まり、脚部装甲版同士の僅かな隙間に鉄線が食い込んでしまって居るらしい。
「しめたぞっ!」
「各砲門の砲台陣地へ要請。」
「敵先鋒が有刺鉄線に引っ掛かり身動きが取れていない模様。砲撃を要請する。」
「こちら日シベ合同作戦軍大隊、射撃指揮所。了解した。」
「こちら日シベ合同作戦軍砲撃大隊、射撃指揮所から各大砲大隊へっ!撃ち方よーい。」
「撃てええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」
ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!
ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!
ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!
ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!
「んん?」
「まっ、不味いっ!!」
「しまったっ!砲撃が来るぞ!!」
「逃げろっ!!」
「うううっ、ちきしょぅっ!!機体が動けないっ!!!」
「くそっ!こっちは機体を捨てて・・・・・って、ああっ!?くそっ!!地面が鉄の柵だらけで、簡単には下に降られないだとっ!」
「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!」
ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。ドドンッ!!ドカーン。
ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。ドドンッ!!ドカーン。
ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。ドドンッ!!ドカーン。
ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。ドドンッ!!ドカーン。
何十にも張り巡らされた有刺鉄線に阻まれた敵の重機動師団と魔導機兵隊は、その場から早く逃げ様ともがいたり、慌てたりと様々な様相を見せていた。
日シベ合同作戦軍の各大砲部隊は、其処へ容赦なく長射程を誇る各種大砲が撃ち込まれる。
自衛隊の榴弾砲やシベリナ連合諸国が配備して居る旧式大砲に撃たれた魔導機兵達は、ボコボコに殴られた様なったり、穴だらけで機体が血で真っ赤に染まったりしている。
陸竜達は、多数の大小様々な深手を負って、搭乗者と共に息絶えていた。
日シベ合同作戦軍の大砲部隊は、旧式で射程距離が短い大砲を有するアルガス公国軍大砲大隊と後方から長射程を誇る最新式の大砲を有する陸自特科大隊とタイミングを合わせた同時射撃である。
この作戦の前に陸自特科隊員がアルガス公国軍の大砲を検証し、撃つタイミング計っていた。
完全に同時に撃ったとしても、完璧な同時射撃と着弾は不可能だが、敵への威圧には成功していた。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・ 6月20日・午前9時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・日本列島・日本国・福岡市東側郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・交援省大臣執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
遠く離れたブラキュリオス湖から、異世界アースティア世界に措ける様々な諸問題の対策を整理・整頓・簡略・提案と言った職務を行う為に、日本政府がユーラシナ大陸と近い県庁所在地である福岡市に設置された交援省に、第一報の報せが入って来た。
「これよりグリクス地方軍団と最終決戦を開始する」との第一報が入るとね。
今回の場合は、日本周辺と日本主導の大規模作戦や多国間での大規模合同作戦では無い為、この交援省地下室に設置された防衛監督指令室を使用せず、大臣執務室で、この戦いの終結報告を待つのみの状態と成って居た。
防衛監督指令室の使用する場合は、政府から許可を得て居る交援省主導の作戦や、日本国政府及び防衛省からの委任作戦。
緊急時に置ける作戦指揮監督を行う最高司令官代理権限発動時等である。
それ以外では、情報収集を行って居る担当官と通信士が常駐して居るだけの場所なのだ。
防衛省とその出向組みたる防衛課の自衛官達と外務省とその出向組みである外務課の職員達は、大臣執務室と、その近くの会議室に集まって勝敗の帰結の報せを待って居た。
彼らは遠く離れた、ダバ派遣艦隊から連絡や送られて来た、生の最新情報が入って来るのを朝8時から待機して待って居た。
会議室では、防衛省と外務省の専用通信回線と繋がって居る電話機器が設置され、何時でも二つの本省と総理官邸と連絡が付く様な体制を整えてられて居た。
一方の交援省敷地内に在るシベリナ各国の連絡事務所では、各国から派遣されてやって来た、在臨時日本大使とその関係者達が、ブラキュリオス湖紛争の戦いがどうなるのかを息を飲んで、緊張した気持ちで、その結果を待ち続けて居た。
「決戦が始まった・・・・・・・・・」
腕時計を見ていた幹部自衛官が、不意に声を出して言う
「作戦予定では、一日で決着を付けたいと置鮎一佐達は、意気込んで居ましたが・・・・・・・・・・」
とある海自幹部を不安そうに言う。
「そう、都合良く行けば良いがな。」
クールそうな空自幹部は皮肉った物言いで答える。
「何せ地球世界より、不確定要素が多いし、思いも由らない稀な展開も有り得る。」
「無事に・・・・・今日中に戦いが終わと良いのですが。」
待機して居る幹部自衛官らを始め、外務省官僚と職員らは目に見えない戦いの風景と、その様子を直には見る事も聞く事すら出きない状況に、苛立ちと緊張から不安に成って居た。
「さぁて・・・・この戦い、どう転ろぶ?」
大臣執務室で、パソコンを使い指定された通りに書類整理を行う作業と、一番に身体に堪える正式な決裁書類に、判子を押す事とサインする仕事をして居る竜史は、お茶で小休止をしながら戦いの行方に思いを馳せていた。
一方の紅葉は、コヨミ皇国交流連絡事務所内にある一室で、在日本コヨミ皇国臨時大使に、交援省経由で戦争結果を知らせる電話が入って来るのを静かに待って居た。
紅葉は、この戦いが始まる直前に行方不明だった親友であるリナの安否と所在を知る。
そして、リナとハンナとクリス等は、供にブラキュリオス湖紛争を戦うと言うのだ。
久方ぶりの親友達の話に喜びを感じたが、危険な戦場へと赴くと言う話に、心配で堪らなかったのである。
そう、自分が予知した黒い影と言う事に関しての事柄に付いて、一抹の不安を感じて居た。
「リナ、クリス・・・・・ハンナ。どうか、どうか無事で・・・・・・・・・」
彼女は懸命に日本から親友らの無事を祈りながら勝利の一報を待ち続けていた・・・・・・・・・・・・・・・
アースティア暦 1000年・西暦2030年・ 6月20日・午前9時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・日本列島・日本国・日本国・東京都・千代田区・永田町・内閣総理大臣官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本国総理大臣の安元宏孝は、総理官邸で、ブラキュリオス湖紛争の報告と、これまでの外交成果を聞いて居た。
一緒に居るのは、元海上自衛隊幹部で、最終階級が一佐であった小西勝幸防衛大臣と安元総理から、日本国の外交を一手に任されて居る諏訪部純二外務大臣である。
「始まったな。」
安元は総理執務室内の時計を見て言う
「まぁ、あいつ等なら、上手くやってくれるでしょう。」
「そうだと良いがな。」と諏訪部は油断大敵と言いたそうな顔付きをしつつも、ダバ派遣隊が無事にいて欲しいと願って居た。
「必ずやってくれると思えた人選を選んだんだ、やり遂げると信じよう。」と安元総理は、締め括った。
ダバード・ロード王国からの申し出で始まった今回の西方への大遠征。
その目的は魔導機兵と言う兵器の受領と成って居るが、実の所を言うと、これに関してはオマケである。
真の目的は反帝国同盟国家群や中立地域国家群、それに地球転移国家群の3地域が、日本国内に集まっての国際会議の開催だった。
未だ国際会議の正式名が決まって居ないが、東京サミット(仮)と仮の名を付けられた国際会議を開く為に、各国首脳達を纏めて護衛をして日本へと連れて来る事に有った。
西方地域の首脳達は、おいそれと自国を離れる訳にはいかない為、日本国の防衛省が陸海空自衛隊から選抜メンバーと装備を満載に付けて派遣すると言う、歴史上かつて無い大規模な海外派遣を試みていた。
そして、この異世界に来てしまった日本政府に取って、派遣したダバ派遣隊を含めて自衛隊には、至極当然なある懸念をして居た。
自衛隊が全体的に、実戦経験が無い自衛隊と言う組織と、自衛官と言う将兵達は、このぶっつけ本番な戦いに際して、マトモに機能してくれるかとね。
其処で政府は、ダバード・ロード王国のアーヤ・シュチュ―ド女王が提案して来た国際会議と、その送迎を逆に利用する事にした。
どうせこの異世界戦争に巻き込まれるのが半ば確定して居るのだ。
実戦を想定した若き良い人材を掻き集めて、ぶっつけ本番の実戦形式で、戦場での経験を積ませ、その実証データと経験を日本へと持ち帰ろうと目論んだ。
日本近海での戦いは海自と空自が主体で、日本国土に近いから統制と支援が完璧だったので、防衛省・日本政府・自衛官達らは大きな不安が無く戦えて居た。
だがしかし、日本から遠く離れてしまった遠方地域なら、如何成るのただろうと、不安が過ってしまう。
自衛隊は数多くの海外派遣を経験して居るが、それは復興支援や治安警備仕事と国際的に見て、復興支援と違法な行為を取り締まる復興支援活動である。
それに政府の都合で、何時でも撤退出きる状態に有るからだったが、今回はそうは行かない。
未知の世界、未知の大陸に、大海と大河等を数多くの地を大冒険を国として、自衛隊と言う組織として赴くと言う大業をしようと言うのたがら、不安で堪らない。
この事案における一連の騒動に打ち勝てれば、少しは日本の首脳陣や官僚と国民らは、自信を持てるかもしれない。
この世界で生きて行ける自身を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前9時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城各周辺及び第二防衛ライン・ナガシノ野戦陣地・中央戦線にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
グリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍は、セイジョン・ローグリア城攻略戦の最後の仕上げをする為に、敵城の城門外郭突破作戦を成功させたジャーマン・ダニーガン中佐に対して、勲功を著しいと賞賛の言葉をガミトフは送った。
そして、最後の総仕上げの指揮をガミトフ自身に執って欲しいと言う声を上げて、自分達の総大将としての顔を立て様と言う、中間管理職的なお世辞を言う3幹部達。
その心遣いを受け入れたガミトフは総指揮を取り、全軍に攻撃命令を下して戦いの幕を開けた。
ナガシノ野戦陣地の中央戦線を攻め入るのは、ガミトフの腹心にして副司令を勤めて居り、その姿はまるで傭兵業を生業にして居る海坊主か、タコ坊主と言った感じの丸い眼鏡を掛けたお馴染みのハゲ大男であるババロスク・オバム大佐。
それに対抗するは、紅葉の親友である何が何でも敵を引き付けたり、意識して居ないと何故か目立ってしまう魔法騎士のクリスティーナ・マケッンジー少佐ことクリス。
一部のローラーナ帝国軍と世間の皆様からは、リナの横に居ると言う人物として名が売れて来て居て居る。
通称・頭の可笑しな小娘と言われて居るヨハンナ・リリロッカ・ヨシカーナこと、ハンナ。
そして、シベリナ地方周辺では、悪名高き雷帝の魔導師と言う有名にして、不名誉な望まない異名を風潮され捲くる名を数多名付けられてしまった、ダバード・ロード王国の出身の放浪魔術師であるリナ・ミーサガ・リンバース。
この3人とクリスが率いるヘスティア遊撃騎士団、ダンブルド・アーシダ第三騎士団が長率いる屈強な猛者が揃いし戦士軍団であるアルガス戦士兵団併せて1万が、ババロスク・オバム大佐軍を迎え撃とうとして居た。
陸自普通科部隊は1200人程度と少ないが、質の高い武装が強力で頼もしいと言えた。
おまけだが、ハンナを隊長としたアセリナ聖天使騎士隊から成る二千人も控えて居て、中々に油断が出きない陣容である。
「くーくっくっ、いよいよ決戦であーるっ!」
「我の槍捌きとエクスプロン・ランサーが火を吹くのだあああああぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!」
ノリと勢いだけの中二天使は、相も変わらず色々と変なのは通常運転なので、此処は敢えてスルーして置く。
ハンナはエクスプロン・ランサーの槍を高らかに上げて、何時もの様に気楽そうであった。
「いよいよだな。」
「兵と兵器の数だけ頼りの帝国にしちゃ、なーんか、変な感じがするのよね。」
帝国の策謀に巻き込まれ、一家離散と言う憂き目に遭い、その憂さ晴らしする目的で、執拗に復讐心を持って散々単騎で帝国を相手にして来たリナが、グリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍の陣容に少しだけ違和感を感じて居た。
「リナ、それはどう言う事だ?」
「だってさ、相手の指揮官が無能なバカでも無きゃ、そろそろこっちの思惑に気が付いても良い筈でしょ?」
「うーん。確かに改めて言われて見ると、そう言うもんか?」
「だってあたし達の相手は、ローラーナ帝国でも指折りの野心家で出世欲の塊とも言える、あのガミトフ・バイマンよ。」
「あの出世欲の野心家が、この戦で散々な痛い目に遭って居るって言うのに、何もしないのは可笑しいわよ。」
「兵力がこの城塞を攻められるギリギリまで削られて居るって言うのに、何の対策も作戦も打ち立て居ないのは有り得ないわ。」
「そんな中で強気に攻め込んで居るのは、ガミトフの奴が、何か企んで居ても不思議じゃないわよ。」
「でもなぁ・・・・我々の作戦に、敵が上手く嵌って居るだけでは無いのではないか?」
「クリス、あたしはね。敵の事で今一番の違和感と気に食わない事は、被害甚大で、そろろそ兵力と補給が心細く成って来て居る筈なのに、潮時と言う考えが無い事と、今の状況で、その事を考えて居ない事よ。」
「ああっ!?そうかっ!そう言う事なのか?うん。確かにな。」
「確か当初の連中の兵力は、概算で40万人以上だった筈だ。」
「それなのに、ガミトフは、攻めの一手で突き進んで来て居る。それが変だと言うんだな。リナは・・・・」
「そうよ、絶対に何か企んで居るわ。」
「お前がそう言うんだったら、ハンナとお前は、成るべく力を温存して置けっ!」
「リナのサンダースレイブとハンナ達のエクスプロトンバスターの二つは、魔導艦を一撃で大破撃沈が出きる切り札だ。」
「置鮎一佐殿らは、我々の戦線の火力不足を危惧して、中央を突破され無い様にと、お前達をこの戦線に配置したのだろう。」
「恐らくね。」
リナは置鮎一佐らに、これまで戦いの経緯から実力を認められ、期待して居ると言われていた。
「中央防衛戦線部隊の各隊へ通達。」
「敵前線部隊に動き有り、各隊戦闘よーいっ!」
「ふっ、そろそろ始まるかっ!」
「見たいね・・・・・・」
「一番の手柄はっ!この我であるぞっ!」
「「はいはい。」」
ハンナの意気込んだ一言に、ジト目で空返事をする二人。
ハンナは、ぷくうっと頬を膨らませるのであった。
クリスは最前線の塹壕に配置させて居たクリス旗下の長射程を持って居る各隊に攻撃態勢を取らせる。
陸自隊員らも射撃体勢を取って、敵が進軍して来るのを待ち構えた。
敵が有刺鉄線に引っ掛かると最初に仕掛けたのは大砲大隊と魔導師部隊に、陸自普通科隊員が持って居る01式軽対戦車誘導弾が放たれて行く。
多数の陸竜騎兵と魔導機兵が爆発を起こして、敵先陣部隊を打ち破り、華々しく緒戦に勝ちを添えたであった。




