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異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ。  作者: 伊達教宗
第11章 ブラキュリオス湖畔紛争 Ⅵ
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144話 終結に向けての決戦!ブラキュリオス湖畔紛争っ!4

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前7時04分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城各周辺及び第二防衛ライン・ナガシノ野戦陣地付近・後方野営場陣地内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 遂にこの戦いの決戦の朝が来た。


 日シベ合同作戦軍では、前日から各所で最後の戦いに向けての準備が進められて居る。


 決戦日と位置付けられた今日、陸海自衛隊とシベリナ連合各軍の調理人達が腕を揮って、この後に行われる戦いに支障が無い様にと、味加減が施された料理が振舞われた。


 食事に来る者達に食べ過ぎない様にと注意が促されるが、戦地での数の少ない楽しみであり、娯楽の一つでもある食事。


 止めろと言われても、ある程度は腹が膨れる程に美味い料理が食べたいと思うのは人情と言う物。


 これが人生の最後の食卓かも知れんと思うと、ツイツイ余計に美味しく食べれるシベリナ連合各国軍の将兵達。


 主に用意された料理は、この辺りの地方料理に近いフレンチ料理やドイツ風料理が中心だが、自衛官たち向けに和食の朝食も用意されて居る。


 因みにフレンチと言っても街中に有る洋食店が作って居る様な日本風の洋食フンレチで、地球の本場の人から見たら、ちょっと違うと言うかも知れない料理であった。


 パンもパン焼きの経験が豊富な海自隊員の特性であり、しかも焼き立てで、生地が柔らかく、ふっくらとした仕上げ具合に出来上がって居た。


 このパンは、何処に出しても恥かしくない仕上がりで、日本人が作り上げた美味しい特性の焼きたてジャパンである。


 これにはパン食に慣れ親しんだ、異世界人の人達からも大好評だった。


 炊かれたご飯も新潟産のコシヒカリが放出されて居た。



 置鮎一佐が景気付けにと、交援省と竜史の連名で餞別で送られたコシヒカリの使用に、GOサインが出らしい。


 このコシヒカリは、何か特別な時に食べて欲しいと送られた代物だ。


 普段なら食べられない様な上等質な米が、袋から放出され、炊きたてで振舞う何て事を遠征先でするのは、とても贅沢な事だろう。


「ふふっ、誠に美味であるっ!」


 ハンナはじっくりと赤ワインベースのソースで煮込まれた牛肉を食して居た。


 良く見ると、何故か横にサラダと味噌汁と皿に盛り付けられたコシヒカリのご飯が有ったりする。


 これでは完全に日本人が、お昼ごはん時に良く食べて居る洋食ランチでは無いかっ!?・・・・・とツッコミが入る所だろう。


 しかもハンナは、食べ物を美味しいからと言って、口一杯にほうばって居て、口の周りが赤いソースでベタベタである。


「あーあー、ハンナっ!其処に有るテッシュで口の周り拭きなさいよっ!」


 それを見たリナは、呆れ顔で注意する。


 ハンナの家はお世辞にも位の高い家柄ではない。


 アセリナ族は、アセリナ地方各地で暮らす、単一多数部族から成る翼人系亜人族。


 総騎士団長と言う国家代表を元首した国家で、この国の国内でエリート言うのは、エクスプロン・ランサー腕の優劣と、先祖代々続いて居る部族長の家系の事である。


 もしくは、何か功績の有る家柄なのか、又は英雄と呼ぶ程の力を持って居るか等と、彼女達は兎に角目立った功績が有るのが裕福であり、己の家柄の地位を表すステータスと成って居る種族なのである。



 そんなハンナの家は、アセリナ国内では、何処にでも有る一般家庭で、代々槍の腕自慢の家系譜の家柄で、国の軍役や闘技大会の賞金を稼いで家計を遣り繰りして居た事情が有る。


 アセリナ国内では、聖天使杯・エクスプロン・ランサー武闘大会と言うエクスプロン・ランサーを使った最高位の武闘大会を始め、首都や地方都市、果ては片田舎で武闘大会が開催され腕自慢が戦い合うのである。 

 

 ハンナの母親は、まぁまぁの武術の腕前だった人物で、娘二人を育てるのに不自由しない程度に賞金と街中の警備隊員の給金で働いく事を生活の糧として居た。


 当然ながら家は明けがちで、人間族の父親に子育てを丸投げ状態。


 その父親は娘達と首都で暮らして居て、外交省の下っ端役人を務めて居た。


 そんな家庭に転機が訪れた。



 偶々夫婦と娘達は、揃って外国へ国際会議の手伝いに出かける事態が起こる。


 当然ながら両親達は、長い旅路の間、娘達を放って旅に出掛ける訳にも行かず、こう言う場合、この世界の公務の役人の間では、家族分の旅費と滞在費を公費として経費を申請すれば通る事に成って居た。


 一家は、渡航公務申請を出して、家族揃って外交公務の旅に出掛ける事にしたのである。


 その先でヨシカーナ家の長女であるマーヤは、レナ・ミーサガ・リンバースとヴァロニカ・サークラ・レアモンと何故か意気投合し、身分の違いは有れども、親友と成って、互いに仲良しに成り、果てはエリノア・ドラグリアに目を掛けられ、弟子にすら成ってしまう。


 そして、何時しかマーヤは腕試しと言わんばかりに参加した、総騎士団長を選ぶ戦いで一番と成ってしまうのであった。


 そんな珍事件に両親達らは唖然と成り、中流家庭から一気に上流家庭の最底辺の辺りへと家格を上げてしまう。


 そんなご家庭なので、当然ながら宮中の作法やテーブルマナーなんて事は、ほぼ出きないのである。


 リナの実家は、中流の学者系列の官僚貴族の家柄で、男爵位を持って居る。


 クリスは、騎士家系で、この世界の最低位の爵位である卿を持っている家柄。


 そんな理由から二人は有る程度の作法を心得て居る。


 紅葉とその親友達の中で一番に家柄が極端に低いハンナ。


 実家は賞金と血税給金を貰って居るだけで、互いに接点の無そうなのに、何故か一緒に居るのは、全ては紅葉のせいに有るのだ。


 幼い時にシベリナ連合各国がコヨミ皇国の首都、皇都・星都市に集まる国際会議があった。


 その時に、故国の首脳達のハンナの両親は護衛官と下っ端役人として、在コヨミ皇国アセリナ大使館に、娘達と共に滞在をして居た時の事。


 ある時、親達が仕事で大使館に居ないのを良い事に、大使館脇の巨木の枝先で居眠りをしていたハンナ。


 この世で一番におっかない姉のマーヤとその親友達も、偶々別の妹を追い掛けるのに夢中で、自分に害が無い束の間の平穏で静かなひと時の時間をスヤスヤと眠り扱けて居た。


 だが、そんなハンナを丸でカブトムシを蹴り落として、捕まえると言う虫好き少年みたいなやり口で、地面に叩き付けた者が居た。


 それが紅葉である。



 それ以来、ハンナは紅葉のおもしろ可笑しいい玩具・・・・・気の合う楽しい遊び相手(?)として、市中を引き吊り回される日々を送る事に成る。



 その横に、リナが哀れんだ顔で見て居たりするのは、小さな余談なのであった。



「うんんっ・・・・・リナっ!そんなに無理やり拭くでないっ!」


「ちょっと、大人しくしなさいよっ!」


 リナは注意したが、見かねて拭きに掛かるが、ハンナは口周りを強引に拭かれるのを嫌がり抵抗する。



 それは丸で、母親と子供の様なやり取りに見えて居る光景であった。


「ハンナは、相変わらずだな。」


「そうなのよ。何時までも本当に手間が掛かる子なのよ。」


「子供の頃から、こう言う所だけホンと変わらないのよっ!あーもうっ!!」


 そう言いつつもリナは楽しそうに口を拭いていた。


 まぁ、違う言い方をするのならば、じゃれ付いて居るとも言えるやり取りだろう。



 その反対の席では、クリスが優雅に涼しそうに野菜スープを啜って居る。


 野菜の甘みを生かし、コンソメ風に味を仕上げられた一品である。


 その横にソーセージと柔らかなパンが有った。



 クリスが食しているメニューは、アルガス地方の家庭の食卓では、当たり前に出て来る郷土料理だった。


 戦場での穏やかな食卓。


 久しき友と語らい食す時間。


 他の将兵も、きっと同じ思いだろう。


 死ねば、決して味わえない味と親しい者達との時間をそれぞれ思い思いに過ごして行く。


 決戦に向けた緩やかな時間だけが、残酷に足早に過ぎ去って行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


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