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84話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦 (白龍大帝怒りの咆哮編 5)

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後17時46分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 激しい戦闘は終わった。


 ダバ支援艦隊は、思わぬ妨害染みた戦闘を強いられ、艦隊の各艦には、少なからずある程度の船体や着艦して居る機体等に、少々痛みが見られて居る。



整備を担当して居る機関科の隊員らに由れば、艦船や戦闘機の航行に支障は無いと言うが、やはり一度、機関停止して、その場で点検整備が念の為に必要との事だった。


 小沢一佐は、弾薬の補給も兼ねて艦隊を一時的に、戦闘の行われた場所から700メートル移動したこの場で停泊すると決めた。


 防備に付いては小沢一佐達、全自衛隊幹部等は心配が無かった。


 何故ならエリン達ドラグリア白龍大帝国の白竜人族の白竜騎士30名と150匹の白龍族が守りを固めて居るからだ。


 白龍族らは交代で各艦の広く開いているスペースを利用して休息を取って居た。


 航空護衛艦しょうかくとずいかくの甲板にも多数の白龍族が乗って居る。


 乗り込んでいる白龍族の中には、パイプ・ライン大河に飛び込んで大きな魚を食らい空腹を満たして居る固体も見受けられた。



 艦載機も艦内へと収納され、白龍族達の邪魔に成らない様に隊員らは、気を使っている。



 戦闘を終えたエリン等は、人の姿へと戻り、航空護衛艦しょうかくの多目的区画にて、国賓待遇で歓待を受けて居た。


 しかし、今のエリンの姿はロリな中学生の姿では無く。成熟した20代の女性のスタイルを持った姿を取っていた。


 これには、彼女成りの見栄であり、体裁でも有るのだ。


 何時もなら、めんどくさいと言って適当に変身したちびっ子の姿でゴロゴロとしたり、駄々を捏ねたりしているの姿が見られて居る。


 そんな姿をさらして居ると言う話は、ドラグリア白龍大帝国の国民の間では、大変に有名な話なのだが、初めて会う日本の面々に対して、少々見栄を張って居るのである。


 ちなみに、服は持って居ないので、彼らの肉体を変化させられる固有魔法を用いて鱗を衣服に変化させている。



その説明では、分り難いと人達も居ると思うので、一例を挙げて言うのなら、メイドなドラゴンさんが出ている漫画で、メイドなドラゴンの彼女を始めとするドラゴンさん達が、使用していた鱗を服に変化させられる魔法と言えば、理解が出きるだろう。



「この度は、我々にご加勢頂き、真に有難う御座います。」


 小沢一佐と池田空将補の二人は、自衛隊側の代表として歓待と礼を述べて居た。


「良い良い。わしらも帝国と戦争中じゃからの。」


「それで、陛下は何故この様な所に?」


 エリンはドキッとしてしまう。その突っ込みの話は、今一番聞かれたくない事だった。


 小沢一佐と池田空将補の二人は、何と無く気が付き、ふと疑問に思った事を質問して来たのである。


「いやーそのだな・・・・・・」


 そう、言える筈も無い。


 自衛隊の艦隊を見たいが為に、お忍びで、しかも彼の水戸のご老公みたいに、諸国漫遊の道楽の如く、物見遊山しに国から出て来た等とは・・・・・ある意味、体裁が悪いと言えた。


其処へ透かさず、ユキカゼがフォローに入る。


「エリン陛下は、この辺りの前線視察をしに参られて居たんです。」


「噂に聞くニホン軍艦隊が通り過ぎると聞き、その勇姿を国家外交の方針の後学の為にも、是非とも見て置きたいと申されまして・・・・・・・」


「なるほど、帝国との戦いに備えて大河沿いの戦線の視察をすると共に、我々が通行すると言うので忍のびでの遠征視察ですか。」


「そそ、そうなのじゃ。」


「わしの様な者が、前線視察をすると言うと、周囲の家臣達もうるさいしの。」


「それに大体的に各方面に断りを入れて言うのも、敵側にも同盟国側にも色々と騒ぎに成るから面倒じゃしのぉ・・・・・・・・・」


 苦しい、苦しすぎる。


 エリンは、挙動不審過ぎる言動で必死に弁明して居るので、折角整えたアダルトなバージョンの姿が台無しだった。


「その様な理由で、お忍び視察が稀に行われる事、が我が大帝国の大帝であらせられるエリン様のご方針なのです。」


(ユキカゼ良う言うた。)


(本当の事なんて、とても恥ずかしくて、言える訳無いでしょうがっ!)


 エリンは、親友にして腹心たるユキカゼの機転を利かせて、適当に本当の事を誤魔化して、最もらしい事を言って貰って適当な理由をでっち上げた。


 まぁ、本当の事がバレたとしても、エリンは悪びれもせずに開き直ると言う最後にして、最大の逃げ口上に打って出る積りなのだが・・・・・・・・・


 兎に角、彼女達は物見遊山等と言う水戸の田舎じじいもしている(創作物の中の話)事実を苦しい言い訳で、乗り切ろうと口裏を合わせたのである。



その事を気付かない小沢一佐と池田空将補の両名は、決して間抜けではない。


 まさか、国家元首が自分達を暇潰しのネタにされて、この場に来ている等とは考えが及ぶ筈も無い事だったからだ。



「それは上に立つ者として、素晴らしい御姿勢だと思います。」



「いやー、そんな事を考えて動くなんて事は、誰もが中々行動が出きる事では有りませんな。」


 其処へ、海自の補給科隊員らが現れた。


「ん?何じゃ、この美味そうな匂いは?」


「はい。細やかですが、助けて頂いたせめてものお礼と交流を兼ねてお食事でもと思い運ばせました。」


「流石に酒類は、任務中等の理由で、待ち合わせが有りませんので、ご容赦下さい。」


「ううーん。それは残念なのじゃ。」


「我が国のコヨミ皇国大使から送られたヤマナシ産のワインやニホン各地の米から作ったニホン酒なる無色透明の酒は大変美味で有ったのに・・・・・・」


 酒が無いと聞いたエリンは、シュンと成り果て、子供の様にガッカリとした表情に成る。


 小沢一佐と池田空将補の二人は内心で、「えっ?何時の間に手に入れて飲んでたの?」と思って居たりする。


竜人族等の爬虫類に近い種族の間では 蟒蛇と言う言葉がピッタリと言える種族で、酒豪揃いの種族として知られて居る。


 エリンも無類の酒好きとして、有名でも有るのだ。


 だから酒と聞くと、黙っては居れない性質であった。



 酒が無いと聞いた姿は、丸でガッカリとうな垂れる大きな子供の姿の様であった。



 運ばれて来た料理のメニューは、一度に大量に作れて便利なカレーであり、海自定番の料理であるが、材料にちょっとお高い和牛を使ったビーフカレーである。


 食事のメニューが、カレーに成ったのも、給養員長らを始め調理担当の隊員らが戦後の後処理に追われる隊員とお客様へのお料理を出すのに、てんてこ舞いに成って居るからだった。


 今現在の艦隊は、急ピッチで整備と補給と目視での全体チェック確認が行われている最中で、艦内の隊員達は、交代で食事をする様に言われて居る。


 戦闘要員の隊員は、休息も兼ねて真っ先に交代で食事を終え、部屋で待機しているか、担当場所で職務を続けて居る。


 そんな訳で、現在の各艦の食堂の調理場は、正に今が戦場なのだ。そんな理由で、お客にお出しする料理を別に作る等と言う余裕など有る筈も無い。


多分、給養員長を始め、調理をしている隊員らは、仕事を終えると同時に、燃え尽きたよ真っ白になと言う感じに成るだろう。


「おお、からーい。・・・・が、うまーいぞっ!」


「特にこの牛肉が蕩ける様に、口の中で消えて行く舌触りが、何とも言えないのじゃ。」


 出されたカレーをさっさと口に運ぶエリン。


 丸で子供の様に、笑顔を見せながら綻んでパクパクと食べていた。



待てを言える暇さえ無かったユキカゼは、この際、知らんかを決め込んでやり過ごす。


 応対をして居る小沢一佐と池田空将補の二人は、何とも自由な性格をして居ると感じ、親しみ易いと思った。


「さあ、お前達も、何時までもそんな所に立って居ないで、座って食え食えっ!」



「折角出してくれた食事だぞ!!」



「冷めてしまうのも勿体ないし、食わぬば大変に料理と相手に失礼なのじゃ。」


 部下達も遠巻きにして、遠慮がちにして居たが、エリンが座って馳走に成る様に促すと、ぞろぞろと30名の白竜人族の騎士達は、席に付いて食事を始めた。


 後に日本の洋食料理店を訪れた各地方の竜人族達の中では、白竜人族はビーフカレーを好み。


 黒竜人族はピリ辛のチキンカレーを好み。


 赤竜人族はビーフシチューを好んで、注文すると言う姿が多く見られたと言う。


 その影響の起源は、自衛隊との接触で振舞われた料理が伝え聞いた事が原因と言われている。


 彼女を始めとする他の亜人族達が、日本を訪れた時に尋ね行くレストランは、正にリアルな異世界食堂と言う言葉を上げる逸話が、生まれた瞬間でも有ったのだった。



 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午前10時20分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖東部河口付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 一方、肝心のダバ派遣艦隊では、レジェンダリア諸島の作戦開始に向けての準備に追われて居た。


 そんな中で、急報が入って来たのである。


「ダバ支援艦隊、アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日の夕方頃、付近に駐留して居るローラーナ帝国軍らしき部隊と戦闘に突入。此方への到着予定が、約1日程度ほど遅れる」と・・・・・・・・・・・・・・


 それはダバ派遣艦隊に、参加して居る自衛隊幹部ら取って、衝撃的な事件だった。


「くそっ!!」


「置鮎さん・・・・・・・」


「一日。一日、たった一日だ・・・・・後続艦隊が、一日遅れるだとぉ・・・・・・」


「やられた。いや、遭遇戦だと思うが、これは多分・・・・・・・・」


「ああ、間違い無く帝国のブラキュリオス湖紛争での前哨戦に成ったな・・・・・・・」


「ローラーナ帝国は、何らかの意図か、又は自衛隊の戦力を測り、少しでも有利にしようと多大なる犠牲を払って仕掛けて来たと言った所だろうな。」


「よりにも拠って、このタイミングで仕掛けて来るとはな。」


「ああ、此処に来るまでの間、ローラーナ帝国軍側には、大きな動きが無かった。」


「日本近海での大きな戦いが起因して居るとかも知れないが、我ら自衛隊と戦うのも躊躇して居る地区の軍が多いと考えて居たが、それとは別の考えを持った地方面軍の幹部達が居る様だ。」


「それならば、この地方に居座る方面軍の指揮官は、有る程度は、手強い事に成るぞ。」


「これは思ったよりも、手子摺るかもな。」


 井上一佐は、うーんと額をへの字にして居た。


「こうなったら、こっちもやり返すぞっ!」


「如何するんだっ!?」


「向こうが時間稼ぎをするなら、こっちだって時間稼ぎをすれば良い。」


「時間稼ぎ?具体的には?」


「それはな・・・・・・」


 二人はヒソヒソと話始める。



「ええ、置鮎さん。直ぐに、それをやるのは・・・・・」


「今から動けば間に合う。」


「それに、こっちにも現地の協力者も居るから、最低限の連携は取れる。」


「後は事を進める速さだけだ。」


「うーん。だったら必要な部隊やら人員らに付いて、もう少しだけ纏める時間くらいは欲しい。」


「こっちの幹部を集めて、もう少しだけ協議しよう。」


「それと先のレジェンダリア諸島上陸戦の迎撃プランの見直しもしないとな。」


「確かに、臨時に組んだ編成だし、ダバ派遣支援艦隊を抜きにしたプランも含まれている。」


「合流する筈だったダバ派遣支援艦隊と合流が出きれば、もう少しマシな作戦プランが立てられるのにな。」


「こうなったら仕方ない。陸自部隊でも、もう少しだけ、陸自各隊の隊長達ともう少し話し合ってみるよ。」


「分かった。こっちも各艦長達を集めて作戦会議に臨む。」


 置鮎一佐と井上一佐の二人は、ブラキュリオス湖畔での戦いの前倒し作戦の会議を招集したのであった。



 果たして置鮎一佐の思い付いた作戦プランとは?一体何か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



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