77話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦 (空自の青い彗星編1)
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後15時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダバ派遣艦隊が、ブラキュリオス湖での戦い為の対策会議が開かれ、対決に向けての準備を始めた頃より1日に遅れで、東から間も無くダバ派遣艦隊と合流地点に到着するべく。
西へ西へと急いで居たダバ派遣支援艦隊は、とある出来事に遭遇しようとして居た。
艦隊編制
護衛艦はるな ひえい あさひ しらぬい まつゆき あさゆき じんつう おおよど 試験改修艦あすか。
航空護衛艦しょうかく ずいかく 補給艦まみや いらこ あかし 掃海母艦ぶんご くなしり しゃこたん。
修理ドッグ艦いとじま わかまつ。
三葉自動車運搬船3隻 豊川自動車運搬船3隻
追浜自動車産業運搬船3隻 友住商事貨物船2隻 四井物産貨物船。
運搬船に車載しているもの。
多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS) 20両
88式地対艦誘導弾 20両
99式自走155ミリ榴弾砲 20両
99式弾薬給弾車 20両
155ミリ砲FH70 30門(牽引車付×30両)
各種クレーン 各種補給物資と弾薬及びミサイルを満載させている。
支援艦隊の司令官の小沢司郎一等海佐が乗船して居る。
航空護衛艦しょうかくのCICから警報が発せられた。
「こちらCIC。南方より3百機ほどの所属不明機が、我が艦隊方向へと飛行接近をして来て居ます。」
「我が方との接触まで凡そ20分くらいです。」
「各艦っ!総員っ!第1種戦闘配備っ!」
艦隊の各艦からウウウウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーッ!!と警報が鳴り響く。
小沢一佐の判断は、迅速だった。
「防衛省と交援省の情報データを照合しました。」
「移動方向から考えて、敵だと思われます。」
「照合パターンは飛竜タイプ。名称はワイバーンと有ります。」
長距離通信でのやり取りで、交援省で集められた生物兵器や魔動力兵器のデータバンクから情報検索する隊員は、丸で謎の敵と戦う箱根の地下に本拠を置いて居るオペレーターの様に迅速な仕事ぶりをこなして居たのだった。
「各艦対空戦闘よーいっ!!」
「対空戦闘よーいっ!!」
「商船団の対空火器もイージスシステムとのデータリンク開始っ!!」
「商船団の対空火器もイージスシステムとのデータリンク開始しますっ!!」
「しょうかくより民間商船の各船の民間作業者の方は、シェルター区画へ退避願いますっ!!」
「陸自と海自隊員は、完全武装と指定された対空火器の設置場所にて待機せよ。繰り返す、此れより・・・・・・・・」
民間の輸送船には、船主である民間各社から協議と契約に基づいて協力して貰って居る作業者や船員が乗船して居た。
これは戦時徴用では無いのだ。
政府は運搬に民間船をチャーターしたが、船を動かすには、人手不足と成って居たのだった。
其処で船会社の社員に対して、十分な説明と保障をして、危険を承知で来られる者呑みを乗船させ、シェルター区画と対空火器と武装させた陸自隊員を乗せて派遣させる事にしたのだった。
それなので、決して日本国政府は、彼らの事を強制徴用をしては、居ないのだ。
一方の帝国側であるグリクス地方軍団所属の18・19・20飛竜航空隊は、偵察部隊の報告から二つの日本国海軍の艦隊が、何らかの意図で行動して居る目算が在ると予測し、合流の阻止、又は戦力の低下を狙った攻撃作戦を慣行しようとして居た。
グリクス地方軍団に所属するバラン・ビルダーク少佐は、彼の指揮する飛竜航空隊と左官クラスが騎乗する竜種として飼育される翼竜と言う腕が大きな翼と成って居る翼を持ち、強力な火炎攻撃と風のカマイタチの能力を持ったカマデラノドンと言う竜に騎乗している。
「バラン少佐、見えて参りました。」
「何とも壮観だな。あれが噂のニホン海軍艦隊か?」
バラン少佐は輪形の形で、三列に一糸乱れず綺麗に並んだ艦隊に対して、錬度の高さを見抜いて感心して居た。
「如何なる目的は分からないとの我がグリクス地方軍団の諜報部からの報告です。」
「我らがグリクス地方軍団の行うレジェンダリア諸島攻略に際して、障害となる可能性を少しでも減らして置きたいとのガミトフ閣下からの御命令です。」
「それに間も無く援軍として来るお味方の飛竜航空隊が200騎に加え、我らが300騎の飛竜航空隊の手に掛かれば、如何に強力と噂されるニホン海軍と言えども一溜まりも無いでしょう。」
グリクス地方軍団の司令官たるガミトフは、同地方に近付いて来て居た海自艦隊の二艦隊をパイプ・ライン大河に入って来た時からずっと監視をさせて来たのである。
直接監視を続けて居れば、少なくとも正確な情報が手に入る。
彼は帝国東方軍司令部が、日本に付いての正確な情報を手に入れられず居る事に対して、独自の情報網で対応しようとして居た。
それが時間と手間の掛かる直接現場に向けて、密偵や偵察や見張りを送り込む事だった。
その甲斐が有ってか、日本が二艦隊を西に向わせて居る事を掴んで居たのである。
だが、現時点でガミトフは、海自艦隊の後続艦隊の正確な位置の報告を受けていないで、どの位置に居るのかを彼はまだ知らないのであった。
彼は見付け次第に攻撃をしても構わないと、管轄下の部隊に命じて有る。
バラン・ビルダーク少佐は、その命令に素早く対応するべく作戦を開始して行くのであった。
「良し、第18、第19飛竜航空隊っ!攻撃開始っ!」
「各飛竜航空隊っ!突撃せよっ!」
先ずは、総勢200騎の竜騎士が、ダバ派遣支援艦隊に襲い掛かる。
此処にブラキュリオス湖畔紛争の前哨戦とも言える戦いが始まったのである。
海自艦隊の砲塔は、全てを南に向けられて居る。
「小沢一佐、しょうかくとずいかくの海自航空隊の出撃は、どう致しますか?」
「うーむ。」
小沢は判断に迷っていた。
折角持ってきた航空隊の弾薬などを此処で消費して良いものかと。
通常の判断なら迎撃行動は当たり前なのだが、護衛艦だけでも十分な迎撃が出きるのだ。
戦力の温存か艦隊の守りを取る為に敢えて先手を取る為に打って出るのかで迷っていた。
しかし、彼ばかりを責める訳にも行かない。
これは国家と軍事組織として空母運用の経験不足から来るものだ。
それに海自の航空隊は、まだまだ経験不足とも言える。
今回の遠征は、艦隊の護衛と習熟に実践錬度を高める目的も有るのだ。
更に空自のベテラン隊員が、教官も兼ねて応援に来る予定だったが、その予定も数日ほど遅れるとの報せが来ていた。
更に航空護衛艦しょうかくとずいかくに搭載されているのは、米海軍からお下がりで改修購入したF/A-18E/Fスーパーホーネットで、海自ではF-18J改と成って居る。
本来ならF-35を導入したいが、流石に機体価格の値段が高いし、海自航空隊も創設されたばかりで、予算不足も有った。
其処で防衛省は、米国で機種変更の為に在庫一掃セールを行っていた中古品で、叩き安売りをして居たF/A-18E/Fスーパーホーネットを日本使用に魔改造して上で、国内に輸入して居たりする。
「小沢一佐、通信です。」
「何?何所からだ?」
「航空自衛隊大陸派遣隊に出向して居る。空自の第9航空団那覇基地所属の101小隊、202小隊、303小隊、404小隊、505小隊、606小隊などF‐15J戦闘機30機。」
「それに三沢第2航空団所属のF-2戦闘機20機からなる101、202小隊、303小隊、404小隊が間もなく飛来するとの事です。」
「それは有り難い。直ぐに向って来る敵機の位置を報せてやってくれ。」
「了解です。」
小沢は数日遅れて来る筈の空自応援部隊の来訪を喜んで居た。
これで如何にか成るとね。
一方の空自航空隊は、神谷晶一佐が率いるF‐15J戦闘機30機と異例の人事と大規模な航空作戦を考慮して、未だにその腕前が落ちていない空自の青い彗星こと池田秀三空将補が、複座型のF-2Bに乗り込んで、全20機からなる編隊で、西へと向って居た。
「艦隊司令の小沢だ。」
「神谷一佐、其方から南西に向かって、凡そ25キロ付近に、帝国の飛竜に乗った竜騎士の大部隊が、我がダバ派遣支援艦隊向って来て居る。」
「その数およそ300騎。其処で空自航空隊に、迎撃をお願いしたい。」
「了解しました。」
小沢一佐の迎撃要請を受けた神谷一佐は、迎撃に向うべく指定された地点へと進路を取った。
「しかし、言わなくて、良かったですか、池田さん?」
「出発前に言っただろう。」
「この作戦の指揮は、現役の神谷に任せると。」
「しかし、俺の教官でも有った池田さんを下に付けるのは、ちょっとなぁ・・・・・」
「そんなに遠慮する事はない。」
「高見くんや小西大臣も承知の話だ。」
「それに此方も古巣の部下達を引き連れて、模擬訓模でも無い久々の前線だ。」
「彼らも、私の指揮下で、やるほうがやり易い。」
「全体指揮の方は、任せるから手足の様に使えば良い。」
池田空将補が西方の前線に向うと万代基地で言われた神谷は、驚く事はしなかったが、まさか前線で戦いながら戦況を見るとはと、内心で呆れていた。
やり難いと愚痴を溢している神谷だが、内心ではワクワクして居た。
何せ現役を退いて数年が経っては居るが、定期的な飛行訓練をして居る池田空将補が前線に出るのだ。
地球では絶対に出番の無い筈だった青い彗星が、遂に実戦をする出番が来たのだ。
同じ戦闘機乗りとしては、こんなに心が躍り弾む事は無いのである。
その生ける伝説が、今・・目の前で一緒に戦いに向おうとして居る。
神谷の心は、子供の様にワクワクして居た。
「分かりました。無茶はしないで下さいね。」
「ふふっ、誰に言って居る?」
言うだけ無駄かと、神谷は諦めて、各隊に命令を発した。
「サシバリーダーより各機へっ!!」
「これより合流予定のダバ派遣支援艦隊を襲撃しようとして居る。ローラーナ帝国航空隊を撃滅する。」
「全機っ!!俺に続けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!」
神谷一佐率いる空自航空隊は、進路を南西方面へと取って進んで行く。
その様子を遠巻きに、見て居た者達が居た。
「ふ~む。あれが噂に聞くニホン国の鉄の鷲達か?」
「人の身で有りながら、あの様な物を生み出し、古き大戦以来、鋼の乗り物をこの世界に飛ばす国が、この世に現れようとは・・・・・・・・・」
「エリン。本当に見るだけよね?」
ドラグリア白龍大帝国からお忍びで海自艦隊を視察名目で、物見遊山に来ていたエリノア・ドラグリア白龍大帝ことエリンとドラグリアの将軍にして、エリンの親友であるユキカゼ・コーキンの二人は、海自艦隊を発見すると野生の竜に扮しながら後を付けながら見て居たりする。
「バカかお前はっ!?あの鋼鉄の鷲共は、速度を上げ居ったのだぞっ!!」
「恐らく戦じゃっ!!!直ぐにあの者等の後を追うぞっ!!!」
「こんなに面白い見世物は、早々無いのじゃぞっ!!!」
「はぁ~・・・・・・」
また胃が痛くなりそうと思うユキカゼだった。
ドラグリアの者達も、何かに惹かれる様にして、空自の後を追って見るのであった。




