プロローグ
紹介文でも書いていますが初めての執筆なので文章がメチャクチャだったり手探りで書いて行きます。
更新は不定期、他の方に比べてかなり遅い更新になると思います。
別に続きなんか気にならねえよ、と思われるかもしれませんが納得いくまで書きたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。
目覚まし時計の音が響くーー
ベッドの中でモゾモゾと人が動き、目覚まし時計を止めてベッドから出てくる。階段を上がってくる足音がして、部屋の扉をノックする音が聴こえる
「ハイネ、起きてる?ご飯の準備出来てるわよ」
ハイネと呼ばれた男性が、起きてると返事をしてから着替え、荷物を持って一階の洗面所で準備を済ませる。
「おはよう、今日は一日中雨が降るみたいだから自転車は使わない方がいいかも」
キッチンに行くと柔らかな笑みを浮かべた女性がお茶を入れながらハイネに話しかける。食卓に甚平を着た男性が朝食を食べながら、おはようと挨拶をする。父親と母親である。
「おはよ、だったらバスでいくか。帰りに遊ぶかもしれないから多少遅くなるかもしれないけど」
「そっか、晩御飯はどうするの、食べて帰る?」
「多分帰って食べると思う」
朝食を食べながら母親に予定を告げる、食事を終えて片付けた後に母親と玄関に向かう、二階から慌ただしい音が聞こえてくる
「おかあさーん、なんで起こしてくれないのよー」
「あら、きちんと声は掛けたわよ、起きてるって返事もしたでしょ」
連日繰り返される朝の会話、妹がバタバタと階段を降りて洗面所で準備をしている。
「はぁ……毎日声は掛けるのに、何で時間に起きてこないかしら」
頬に手を当てて母親が溜め息を漏らす、ハイネはいってきますと声を掛け、いってらっしゃいと手を振りながら洗面所へ向かう母を見ながら家を出る。
雨が降っているため傘を差し、バスに乗り込み学校に向かう。教室に入るといつもの面々が集まっている。
「電車がめちゃくちゃ混んでて座れないんだよ」
「雨強すぎ、傘差してもズボンがびしょ濡れ」
「私は朝練なくなって、かなり楽だけどねっと、おはようハイネ」
「ああ、皆おはよう」
友人のマコト、タイチ、アカネの三人に挨拶をして自分の席に座る。友人達と放課後に遊ぶ約束をして、ゲームの話で盛り上がっていると、先生がやって来て授業が始まる。
神代 灰音17才、高校2年生
父と母、妹が一人、一般家庭の長男
身長は平均より少し高め、髪は黒髪、少し短め、瞳はダークグレーの切れ長、身体つきはしっかりしていて、スポーツが得意そうな見た目をしている。
勉強は苦手で、テストの結果も散々である。
明るい性格、勉強は苦手ではあるが、頭の回転は悪くない、顔もそこそこ端正な顔立ちの為、男女問わず交友関係も広い、因みに彼女はいない。
ただ、周囲の人間と違うのが、身体能力が異常に発達している。
部活動を行っている訳ではないが、通っている高校は、全国でも有名なスポーツ推薦学校である。
沢山の部活、その全てで全国ベスト8以内に入り、年に幾つかの部活では全国優勝も当たり前というエリート達の集まりである。
学校内のそのエリート達の中で、誰も彼に勝つことが出来ない、ボクシングや柔道などの格闘技から、バスケットボールや野球などの団体競技にいたり、彼が参加したチームは負け無し、正に異常なのである。
勉強が苦手なのでノートに落書きをしたり、眠ったりと授業を殆ど受けずに放課後、ゲームセンターに向かうことになった。
二時間程遊んだ後、帰ることになりバス停に向かっていると、路地裏から叫び声がする。
「やめて下さい、警察呼びますよ!」
「つれねえこと言うなよ、ちょっと俺達といいことして遊ぼうってだけだ」
アニメにありがちな台詞を吐きながら、如何にもといった不良が五人、女子高生二人に絡んでいる。
アカネが「助けた方がいいかな」と三人に視線を送る、マコトが「そりゃ当然」と、ハイネとタイチに同意を求める。
「あんたらやめなって、嫌がってるだろ」
「ああん?なんだおめぇらは、関係ねぇだろ、すっこんでろ!」
タイチが声を掛けると、テンプレの返事が返ってくる。
雨も降っているので出来るだけ争い事は避けたいのだが、放っておく訳にも行かないので、ハイネが睨みを効かせて前に出る。
不良達の視線がハイネに集まると、傘が宙を舞う、マコト達が走り出して女子高生達を路地裏の奥に連れて逃げる。
一瞬呆気にとられた不良が二人、それを追って走り出す。手前三人の横をハイネが走り抜け、奥に向かった不良の背中を蹴りつける。蹴られた不良はそのまま顔面から地面に飛んで気絶した。
もう一人の不良が焦って腕を横に振るが視界にハイネの姿はない、不良の足元にしゃがんだハイネの掌底が顎を打つ、「がっ……!」と不良が視線を下ろした時にはハイキックが頬を打ち込み倒れこむ。
「出来ればこの二人を連れて逃げてもらいたいんだが」
雨に濡れた前髪を掻き上げながらハイネが残った不良に声を掛ける。
ふざけるなと傘を投げ捨て、拳を握り向かってくる。
「まあそうなるよな」
諦めるように声を出し、殴り掛かってきた一人の腕を掴んでそのまま一本背負いで地面に叩き落とす。
後ろから組倒そうと走り込んできた一人に向かって振り返りながら胸元に回し蹴りを放つ、蹴られた男が、ぐふっと一声上げて胸元の足を掴む
「そのまま掴んでろ」
もう片方の足を蹴り上げて掴んでいた男の顔を振り抜く、壁に激突してずるずると膝から崩れ落ちる。
ぱしゃりと両足で地面に降りると、残っていた男が腰を抜かして目を丸くしている。
「どうする、あんたも一緒に寝とく?」
声を掛けられた男がびくりと体を震わせて、声も出せずに首を横に降る、それを見て路地の奥に向かう
「終わったけど、そっちは大丈夫か?」
「お疲れさん、こっちは怪我もない」
「とっとと逃げようぜ、騒ぎになると面倒だし」
「私と、マコトはこの二人を送って帰るわね」
マコトと、アカネが女子高生を家まで届けるらしい、女子高生はありがとうございますと、お礼をして二人と帰っていった。タイチは電車の為、途中で別れた。
他校の生徒に試合を申し込まれたり、喧嘩を売られたり、時々こういった厄介事に巻き込まれたりするので馴れたものでもある。
ハイネが処理して、他のメンバーが被害を受けないようにフォローに入るといった具合である。
バスに乗って自宅の前まで帰ったところで、身体に異変が起きた。
足元に白い魔方陣のような物が表れたのだ、身体が動かなくなり、声も出すことが出来ず、何が起きているのか理解出来ないーー
突然、白い光がハイネの周りに現れる、身体を動かそうとするがやはり動けない、そのまま光が全身を包み込むと、白い魔方陣と共にハイネの姿はなくなっていた。
「お兄ちゃん帰ってきたの~?」
玄関の扉が開き顔を出す、そこには開いたままの傘と、兄の鞄が転がっていた。
ご覧頂き有り難うございました。
プロローグということで主人公以外がモブになってます、機会があればハイネといずれは絡ませたいと思いますがこのまま出てこない可能性が高いです。細かい所は行き当たりばったりで書いてますので作者の気分で今後使われなくなるキャラが出てきますが勘弁してください。