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このアイテムは呪われています!  作者: マリー?
7章.学園編
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92.ライと実験


 次の休みの日あたしは、行くと約束したくせに一緒に行くのを嫌がっているライを引っ張って出かけた。

 行き先は、アイ君と会った研究所だ。

 会議の時の元老の一人のおじいちゃんによると、魔王核化計画……呪いアイテムについては解決したから、昇種プロジェクトの方をどうにかしろとのこと。それでそのプロジェクトについての資料がありそうなこの研究所に来た。アイ君と子供達のいた孤児院はアイ君が捕まった後資料とか全部持っていかれたから無いそう。国の方で解読してるとか言ってたけど、レン盗みに行くだろうな。かなり危ない資料だって言ってたし。

 そんな事をぼんやり考えながら棚を漁る。前に来たときは棚の隅から隅まで見てなかったから、あの時の一冊以外に四、五冊くらい見つけれた。とはいっても実験結果くらいしか書いてなくて、肝心の実験方法とか実験で使った薬について書かれたファイルが見つからないんだけど。

「ライ、なんか見つかった?」

 あたしは#1と書かれたファイルのページをめくりながら、奥の部屋を探してるライに聞く。すると、本当に何か見つかったらしく「こっち来て」と言われたから、ファイルを戻して足早に向かう。

 フラスコや変な装置が置かれている部屋に行くと一番奥の部屋の扉が開いてた。机からはみ出して置かれたガラスの変な装置に触らないように慎重に進む。扉の開いている部屋に入ると、机に何冊かのノートを広げ今朝からの気まずそうな苦しげな表情のまま床を見てるライが居た。

 ふとパーティの時の事がよみがえった。あのときも何か苦しそうな表情だったけど……。そして、それに関連してその後の掌とかへのキスも思い出し、微かに顔が熱くなる。


 あたしはその時の事を頭から追い出すようにノートを熟読した。


 ***

 読んで分かったことが二つある。

 一つは薬の材料の提供者が別にいたこと。

 もう一つはこの実験をするように唆した人が居ることだ。

 日記の初めの方では、いつの間にか足される薬の材料のことや一時期それが無くなって同じものを作るのが大変だったことが書かれてる。終わりの方では、良心の呵責に耐えられなくなってきたライの両親が唆した男に責任転嫁してる文章が書かれてた。


 あたしは他の部屋も回る。

 もともとここは大きな屋敷だったらしい。そしてここは大広間、さっきノートを読んだ部屋は物置とか準備室だと思う。準備室の扉は一見しただけでは分からないようになっていて、その扉と扉の間の壁には年季の入った燭台があった。装置を避けようとした時に頭がぶつかったから気付いた。お陰で痛い。

 二つ部屋を移動したとき、本棚の奥にもう一冊あるのを見つけた。それも手前の本が分厚くて大きく、やや高めの棚に置かれるというより隠されてた。

 あたしは早速その紙を糸でとじただけの本を手に取ると読み始める。そこには薬の配合と効果について書かれてた。

 ニアニントラとアストラトリスを混ぜる……? さっきのノートの中にはタイプA#1とか書かれてたのになんで名前が書かれてるんだろう。

 パラパラと文字だけの本をめくっていくと、絵のようなものがあるページがあった。そのページを開くと地図のようなものが出てきた。

 オブリビー森林の薬草の分布、ってことはさっきノートにあった材料を補給してる人がこの本の持ち主かな? 研究者は知らない感じだったし。多分、薬草の補給に来たけどこの本を落としちゃったのかも。

 そこから一枚めくると、治療薬の作り方が書いてあった。いやなんで書いてあるの。ミスタテア何とかと……って読めないし。字が汚い。

 とにかく、オブリビー森林が何か関係ありそうだし行ってみよう!


「ライ、オブリビー森林って知ってる?」

「行きたいの?」

 知ってるのか、さすがライ。あたしは迷わず言った。

「行きたい!」

「それがナオのやりたいこと?」

 間髪入れずに返された予想外の言葉に固まる。すると、ライは念押しするように同じ言葉で聞いてきた。今朝よりも苦し気な表情で。

読んでくださりありがとうございます。

遅れましたすみません!できると言っておきながら。


基本鈍い奈央に頑張ってもらいました。思ったよりずばっとやってしまったので、その後鈍さを発揮させましたが。

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