7.リーダー君?
読んでくださりありがとうございます♪
感想などお待ちしております!
王宮、特別会議室
「では、改めて。俺は宮廷魔導士長のライア・グリゴリド。お前達の教育役だ」
あたし達の目の前に一匹のウサギ。
そして、その周りには白衣を着た化学者みたいな人達や、剣を持った騎士団の人達がいる……
あたし達が起きて、王宮の会議室みたいなとこ(凄く広い……)に集まってから、目の前のウサギからすぐ言われた言葉。
普通はいきなりですみませんとか、転移させた理由とかを話しませんか……?
「あの……、すみませんが、なぜ私たちは此処にいるのでしょうか……。そして、帰ることは出来るのですか?」
リーダー君が代表で質問した……やっぱり君は勇気があるね!
そして、帰れるか分からないからか、皆不安げだな。
そうリーダー君が言うと騎士団の人達や魔導士の人達が驚いた顔をした。
なぜ?
「あの……、了承したのではないのですか?」
化学者っぽい一人が、そう聞いてきた。――何に?
「えぇと……」
「王宮直属魔法化学所長のローレンス・ヴァレンです。ローレンスとお呼びください」
「ローレンスさん。了承、とは何に……?」
「勇者として邪なる者を倒す、ということにです」
「……特にした覚えは無いです」
リーダー君は少し考える素振りを見せたけど、覚えは無いらしい。あたしもだ……
「転移魔方陣の、発動時に魔方陣の上に居る、ということが了承の筈なのですが……」
「それなら――」
ある、と続けようとした所で
「それより帰れるのかよ!」
「こんなワケわからないとこにいるの嫌よ!!」
「か、帰してくれぇ……」
リーダー君の言葉を遮って一人が声を荒げた。
それに、皆も続いていく。水紋が広がるように混乱が広まる。
そんなところに、言いずらそうな低い声がかかった
「在るには在るのだが……」
「何処だよそれは!!」
「それは……使族、魔族が管理しているから……」
「つまり……?」
誰かが唾を飲む音が響いた。
「……無理ですね……」
……ざっけんな!
……はぁ……。
とりあえず、衣食住は確保さ――
「いい忘れましたが、王様曰く、働かざる者食うべからず。だそう……デス……」
皆から怒りオーラが半端無いね♪ あたしもその一人だよ、もちろん♪
だんだん声が弱々しくなっていってるね♪
何か嬉しそうな顔でリーダー君が
「でも、衣食住確保の為にはやらないといけないからな。ここで拒否したら……」
その言葉に皆、ハッとなって、近くの人と囁きだした。
あれ、そういえば陽は?
エネルギー不足でお姉ちゃん死んじゃうよぅ……(お兄ちゃんは要らんな)
あれ、いつから……転移のときは……
「じゃあ、皆。これは受けるってことでいいかな?」
リーダー君が思考をぶったぎってきた……あれ? えぇと……
やっぱり嬉しそうな顔……皆も、……憧れかぁ……ヒーローだもんね! 勇者だもんね!!
あ、リーダー君が冷静だったのって、異世界転移ものでも読んでたからだったりして……
……リーダー君……勇者やりたかったんだ…
本当はそういうのが……
「……っ!」
アレ、ナンカリーダークンガコッチミテキタ……アタシハナニモカンガエテナイヨ……
そんなこんなで、
あたし達の異世界ライフが始まったよ♪
リーダー君はぶっちゃけオタクですね♪