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このアイテムは呪われています!  作者: マリー?
7章.学園編
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84.授業

 

 あたしはライを校長室に押し込み、疲れが抜けきってなくて机に突っ伏してたり布団を持ち込んで寝てる人が多いあたし達のクラスに行った。昨日は元気そうだったのに今日はやたらと疲れてる雰囲気出してるなあ。

「レイス君にスピカちゃんおはよー。……生きてる?」

「……おぅ」

「ぁ、およはうですわ……元気そうですわね」

「スピカちゃん『おはよう』言えてないけど……」

 あたしは眠そうに寄り添って、なんか付き合ってるみたいな雰囲気出してる二人に近くに落ちてたブランケットを掛けると、一回伸びをして席に座る。うーん、元気っていうかただ疲れがないだけなんだけど、疲れたって全身でアピールしてる皆からしたら元気そうに見えるのかな。

 そんなことを考えてると先生がいつものように出席簿で肩を叩きながら入ってきた。

「起きろー、ショート始めるぞ」

 夢の住人になってた人達は先生の言葉にもぞもぞと起き上がり、SHRを終えると気絶するみたいに寝てた。


 一校時目は数学。おもに四則計算と方程式だった。これって地球に居た頃の知識が役に立つパターンかな? わくわくしながら周りを見ると寝てる人が大半だったけど先生はスルーしてた。……あたしも寝ようかな? って思ってたら先生に当てられた。

「『5×2-4+4÷2』の答えは?」

「5!」

「不正解です。このような式は――」

 そういえば居たのって数か月だったっけ。ま、まあ、クラスにも答えられない人はいたしいいかな。


 三校時目は薬学。先生は主サマとロイさん。この授業は調合をした。今日使うのは、送草、イログサ、マハミ草、雷草。送草は精神安定剤みたいな効果を持つ薬草。この薬草がある近くの魔物はよく襲ってくる。しかも賢いから採取がやりにくくて希少価値は高め。……授業でそんな高価なもの使わないよね? 次のイログサは染料として使われる。桜みたいな薄ピンクで色落ちしにくい。ちなみに茎のとこが赤い。マハミ草は別名『カミナリハミ』。漢字なら多分こう、『雷食み』。雷草の近くに沢山生えてる。別名の通り電気を食べる草。最後に雷草。電気が沢山流れてる草……なんで雷草があるんだろ。おぉ、結構思い出せた、勉強の成果!

「ナオ、飲みます?」

「お断りします!」

 雷草の時点で飲みたくない。夢見先生の解説によると、ライが前に言ってた安楽死のための薬らしい。授業でなんてものを作らせてるの!? ……ロイさんなんであたしにそんなものを勧めたの!?


 五校時目は魔法実技。担任のロジー先生と鉢巻きを巻いた筋骨隆々の熱血そうな先生が居た。今日は魔法を操る力を上げるという練習の成果発表の日らしい。タイミング悪かったな。水柱にフェニックスを象った炎大地震・・・。……皆、凄くない?

 そうこうしてるうちにあたしもやることになった。えっと……結界魔法だから誰かに攻撃してもらおうかな。

「あの、結界魔法を使うので誰か攻撃を……」

 あたしが言い終わる前に勝気そうな女子が出てきた。長い艶々の髪を見せびらかすように手で払うと、つり目をあたしに向けてくる。なんか睨まれてるみたいに怖い。

「ウォーターボール!」

 その言葉と共にあたしの周りが水で満たされる。結界魔法使う前に魔法打たれた……今から張っとこ。そろそろ苦しくなってきたぞ空気が欲しい。あたしは結界のを下に移動させる。結界を解いて魔法の中から出ようとしたとこでまた魔法を使われた。鬼だ。ホントに空気欲しい。空気、空気。

 頭の中が空気のことでいっぱいになると、急に重力を感じた。重力に従って結界の下の部分にお尻を打つ。

「痛っごほごほっ……って、え?」

 なんか結界の中が空気でいっぱいだった。……あ、これが前の会議みたいな時に雪様に返してもらった力だ。確か『創造魔法』。とりあえず空気の問題は解決したし、相手が魔法を解いてくれるのを待つかな?

「なんで生きてるの!?」

 生きてるよ。創造魔法のお陰で死ななかったよ。魔法を解除した女の子の言葉に苦笑いを浮かべると、時間魔法で制服を濡れる前に戻した。先生に攻撃魔法も見せて欲しいって言われたから、女の子が使ってたウォーターボールを真似たら「パクらないで! 何カ月もかかってようやく出来た魔法なのに」って怒られたごめんなさい。

 そして全員終わった。……スピカちゃん、人の未来を見るのはよくないと思う。未来が見えない、真っ暗って何? 数年後のあたし死んじゃったの?


 あたしは放課後、昨日約束した鬼ごっこをやりにお兄ちゃんのおススメの場所である空き地っぽいとこに向かった。

読んでくださりありがとうございます。

思ったより長くなったので放課後の遊びは次回。

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