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このアイテムは呪われています!  作者: マリー?
6章.魔王編
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59.変身

 


「ねーねー、これ描いたの!」

「先生? 上手いね~」

 ……どんな絵になってたかは、ご想像にお任せします。強いて言えば黒です。


「つぎは積み木!」

 はいはい……って、遊んでる暇はない!

 指輪を奪わないと。


 ってことで、内部を探索……もとい、かくれんぼしよう!

「鬼はあたしがやるから、みんな隠れて!」

 さてあたしは十数えようか……って、早いな隠れるの!? もう誰もいないし……。

 いや、十数えるよ? ルールだし。


 12345678910

 数えるの早くない早くない。


「さて、どこから行こうか」

 そういえば、ベッドからこっちに真っ直ぐ来たけど、向こうはなんだろ? 子供たちの部屋かな?


 そっちから行くか。



 ……うん、暗いね。しかも病院風の建物だから雰囲気がある……。うん、怖い!

 あれ、さっきあたしが寝てたとこのシーツがもごもご動いてる。

「……見ーつけた」

「うわあああ!」

 こっそり近づいたから、いきなり叩かれてびっくりしたのかな?

 この子は小学三年くらいの年長さん達の一人か。

 よし。まず一人、後十人。結構いるね。

「見つかったか~」

「それじゃあ、部屋に戻っててね。あ、あと、あっちって何かある?」

「隠れれるとことか」と続けると、「部屋!」と答えて勢いよく走って行った……部屋のほうに。

 あ、知らせる気か!


 でも逆に、知らせるんなら皆に会うはず。そこを捕まえよう!

 卑怯? 大人げない? いいじゃんいいじゃん。やろうとしてること忘れてる? ち、ちゃんとするつもりだったし、追いかけながら探索するつもりだし!


 ……それじゃ、行こう!



 ***

 と、付けてみたものの、なんか部屋全部スルーして、更に奥に行ったんだけど行くべきかな?

 なんかここより更に暗くて怖いんだけど。


 よし、行こ――

「そっちに行っちゃダメだよ」

 うわああああ!

 足を踏み出そうとした途端、後ろから声を掛けられて文字通り飛び上がる。

「そっちはね、先生の部屋なの。だから行っちゃダメなんだよ」

 暗いとこに慣れた目で見ると、さっき一緒に遊んでた女の子だった。

 なんかウトウトしてる……可愛い。

「そっかー、皆を早く探さないとね?」

「一緒に探す!」

 おお、それでも元気なんだ。


 よろしくね。



 ***

 皆を探し終え、現在あれから一時間後。

 皆寝静まって、先生ことアイ君の部屋の前。

 ここに来るまでが怖かった。……気にしないようにするほど、要らないことが良く見えるよね。

 なぜか呻き声が聞こえたり、血飛沫が飛んでたり、物を置いて誤魔化してたけど、大きな血の池の跡があったり知りたくもない生々しいナニカがあったりしたけど、頑張った。偉いよあたし。


 ……怖くても行くよ下っ端だから。


 気配を消しながら近付くと話し声が聞こえてきた。

「でも、おれ……」

「実験に協力してくれるのはうれしいんだけど、もし……」

「それでも、それでもおれは、『反神』に……!」

 ……反神!

 やっぱりここは、研究所!


「やめなさーい!」

 止めよう、と思う前に体が動いてた。

 二人ともこっち見てるし、こうなったら勢いだ!

「反神になろうとして失敗して、苦しんでる人を見たんだよ。それに、止めようとしてるじゃん」

 アイ君に同意を求めようと見ると、なんだこいつって目で見られた。わー寒い。

「インフォームド・コンセント。詳しい説明と同意」

 あ、はいそうですか。っていうか異世界でも重要視されてるの? 勝手に医療の水準低そうとか思ってごめんなさい!


 あ、ふざけてる場合じゃない。なんか、周りを囲まれたような気が……。

「止める訳ない。止めない! 神なんて居ないんだ! 居たらおれ達みたいに捨てられて死ぬことなんてないんだ! 大人に良いように利用されたりしないんだ!」

 うーん、それは国としての問題では? 治安とか、環境とか諸々。あ、そういう話してる場合じゃないね。


 あれ、震えて……って、もしかして泣いてる?

「おれが強かったら、ルーも、ニニもハイも死ななかった……死ななかった」

 そういう問d……いや何でもない。なんかアイ君の目が更に冷たくなって、吹雪が見えるような気がするけど、きっと気のせい。


「だから、神なんて信じない。神は護ってくれなかったから、だからおれが皆を守れるように強く、もっと強くなる!」

 そう言った瞬間、年長君が光に包まれ、呻きだした。

 ハッとしてアイ君を見ると、悲しそうな目で年長君を見てた。

 アイ君はきっと元はいい子だったんだなと頭の片隅で考えながら、魔法を打てる準備をする。

 何故って勿論、

「さて、知られちゃったし……消えて」

 そう赤くなった眼をこちらに向け言うのと、周りから人が飛び出してくる。


 ――反神もどきを倒すために!


読んでくださりありがとうございます。

シリアスでした。あと二話くらい続いたら夏祭りの予定。

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