26.テンプレは難しい!
遅れてすみません?
洋食なのに和食
……読んでくださりありがとうございます!
……これって書き溜め作るべきですかね?
ダンジョン〈夢見の大地〉
あたし達は、いつもの晩御飯ともうひとつ、よくわからないナニカのスープらしきものを食べてる。
そのナニカは苦いような酸っぱいような、はたまた渋いような味をしている。
見た目は、大根や豆腐などが、周りの照明の光りを反射してキラキラしている黄土色のようなスープの中に、食べやすい大きさで入っている。
実はこれは、お味噌汁……なんだけど。
……うん。まぁ、正直食べたくない。というか、食べたら自然に拒否反応がでるね。
……不味い。……ぅえ、おぇ。
なんでこうなったんだっけ?
***
あたしが時間魔法を取得したあと、なんとか擬装を取得した。
要らないって思ったけど、冒険者のほとんどが持ってて、ステータスプレートの見られたくない所(個人情報一杯だからね、スキルとか)を隠すのに使うから、頑張って取得したよ。途中で主サマが帰ってきて、フレッドが料理しに行ったから、頑張って主サマから習ったよ。
……うん。なんか、一気に強くなった気がするね。
そして、取得後あたしは、主サマに時間魔法が使えるようになったことを話した。
「……ってことで取得したんだ」
「……人前で使うな。いいな?」
……バレるとヤバイ系ですよね、分かります。
……思ったけど、需要は無いんじゃないかな?器用0の危険魔法。何があるかわかんないし。あれ? あたし需要無し……? ゥグッ……
「主-、ダイズをロイさんが獲ってきてるッス。何に使ったらいいッスか?」
……ダイズ……大豆?
久しぶりに和食が食べたい!毎回毎回同じは飽きた!
ちょうど時間魔法があるし、麹があれば味噌や、他にも醤油とか作れそう!
「フレッド、麹とかってある?」
「こうじ? なんスかそれ」
……。
「醤油とか、味噌を作るための菌、かな」
「細菌をどうするんスか。それと、しょーゆとみそってなんスか?」
……Oh no.
……ダイズとかがあるんならって思ったんだけど。
「えっと、あたしの国の代表的な調味料だよ。麹はそれを作るための菌。害はないよ」
あたしがなんとか伝えようとしてると、主サマが博識さを発揮させた。
「それなら、オレが買ったのが有ったと思うが……」
「あぁ、リストのキャラバンから買ったっていうあれッスか? それなら確かここに……あ、あったッス」
「ありがとう、じゃあ作るよ!」
「分かったッス。材料は適当に使ってくれたらいいッスよ」
フレッドと過去の主サマありがとう! 主サマの好奇心? に感謝だね♪
早速、作ろう!
う~ん、サラダにパン、肉類か。
そういえば汁物が無いね。よし、味噌汁にしよう。
えっと確か水に浸したりしたな。んで、煮て潰して、塩と麹とまぜて。
……お母さん。教えてくれてありがとう!
水に浸けて、少しずつ進めよう。(ゆっくりなら割と出来るのはなんで?)
進め~!
………
……
…
これは味噌作り成功かな?
最後は蓋してて見えなかったからよく分かんないけど、けっこうねかせたと思う。
野菜はロイさんが切ってくれたから、さっき作ってる間に見つけたけっこう乾燥してる魚(なんで食事に出さないかは不明)で出汁をとって、野菜入れてと。
うん、完成。大分時間経ったけど……
「お待たせ、はい」
「ありがとうございます」
「ありがとうッス」
「……見たことがないが、これは?」
フレッドの周りに小型犬魔物の皆が集まってく。
わー、真顔だとイケメンとふわふわの犬達。眼福だね。
……フレッド、人型なのは便利さからなの? やたらとよく見るけど……
「どうぞどうぞ。これは、味噌汁っていって、あたしの住んでた国の料理だよ」
お腹空いた! いただきます!
……冒頭に戻る。
……あれ? なんで?
「これ、乾燥させてた魚使わなかったか」
「うん、出汁をとるために」
フレッドが急に聞いてきた。それにあたしは頷く。あれ? なんでフレッドと主サマが微妙な顔を?
「実はあれ、痺れ毒を抜いてる途中だったッスよ」
え!? で、でも乾燥してたよ? 凄く。
「えっと、乾燥させてから、水に浸して毒を抜くんスよ」
……。
あ、なんか手が痺れて……。
「この分だとあまり入ってないみたいだからいいッスけど気をつけてくださいッス」
うん。分かったから助けて。
「痺れ毒用の薬草はちょうど無いからな。諦めろ」
……。まぁ、話を聞くと痺れは1時間位で消えるらしいし、消えてから行こう。……晩御飯食べたい!
「いいお灸ですね」
あの、ロイさん。食器を片付けないで、晩御飯……。
普通はここ、凄いとか、美味しいってなるとこじゃ……。テンプレは幻想だ!
……自業自得? 使っていいか聞くべきだった?
気をつけよう。




