23.予定を決めよう!
読んでくださりありがとうございます!
勉強の間に書いたものです。
ダンジョン〈夢見の大地〉管理室
「あたしは、王宮に戻りたい」
皆が集まってから、あたしは開口一番そう言った。
そしたら驚いたような、予想してたような心配してるような、よく分かんない複雑な表情を浮かべたロイさんが
「わたしは反対です。貴女を見捨てたというリーダー君とやらがいるのでしょう?」
そう聞いてきた。
あたしは仲間宣言の後、あたしの事情を話した。たぶん、リーダー君の転移前や雪様とあたしへの態度の違いからそう言ってるんだと思う。
実際、あたしもあの豹変ぶりには驚いた。でも、へー、だから? で終わる。別に助けてもらわなくても安全だったし。
「確かに、あの様子は狂信者みたいだな。他の奴もああならやめるべきだろ。それに」
主サマはそこで一旦言葉を切り、あたしの方に向き馬鹿にするような(気のせいかな?)挑戦的な笑顔を向けて、
「そのお強い能力がバレると大変じゃないのか?」
と聞いてきた。
あたしはステータスプレートを見る。
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ナオ・ノガワ(79)
女
人族(16)
体力〈510
魔力〈1260
持久力〈480
筋力〈660
知力〈850
忍耐力〈120
器用〈0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
skill
エラー
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……どうせ、器用0のお強い能力だよ! ヘマするかもしんないよ! ダンジョンで転けそうになったりしたからね!! (器用は細かい、魔法や武器のコントロール、アクロバティックな体の動き(直線を走るのにはあまり関係ない)などに関係するらしい……あれ? あたしヘマする可能性大……)
……ま、まぁ、もともと潜入の予定だからね。あ、会うことは無いからね、大丈夫だよ! ……たぶん。
あたしが潜入することを伝えると、主サマはあっさり了承した。……あれ? いいの? ロイさんは不満げだけど、あたしの嬉しそうな顔に無言で頷いた。わーい、お許しが出た!
あたしが、やった! って喜んでると、主サマがスパッっと切り伏せた。
「ただし、もしもの時のために、偽装工作はすべきだろうな?」
交換条件だね。一応、意思を聞いてる風だけど、絶対だよね? なんか脅迫オーラが見えるよ……。ん? でも、あたし使ったこと無いよ?
そんなあたしの思考回路を読み取ったのか、覚えろって言ってきた……異世界にも居たんだ、完璧超人。
……主サマの言ってることは分かるよ? 世の中何があるか分かんないもんね。異世界転移があるくらいだし。
そんなこんなで、予定を決め始めた。
***
あの後、呪いアイテムの情報を共有したり、今後の予定を立てていった。……あたしの指輪、魔獣(獣型の魔物)や、危険な獣が寄ってこないし、良いだろ! と慰められた。慰めては無いよね……動物……モフモフ……!
そして、お昼を食べた(朝ご飯と同じ……)後、魔法の練習を始めた。
……早く王宮行きたくてしょうがなかったよ。




