21.仲間入り
読んでくださりありがとうございます!
眠い……
ゆさゆさ
……ぅん……?
ゆさゆさゆさゆさ
……眠い……誰?
「起きてください、ナオさん」
あたしは、体を揺すられる感覚と、サラさんの声で重いまぶたを開けた。
目の前には、サラさんが覗き込んでる。
「……どうしたの?」
あたしは、寝たいという欲望を振り切って起き上がった。
周りを見ると、どうやら管理室で寝てたらしい。隣の主サマは、まだ寝てる。……分身体って寝るんだ。でも時折「……あれ美味しそうだ……」とか言ってるのが微笑ましいね♪
……どんな食べ物なんだろ。
とか考えてたら、
「少し話があるのですが、宜しいですか?」
「ん? どんな話?」
「呪いのアイテムについて、です」
驚いた。そして、眠気もどっかに行って、冷や汗が出てきた。
サラさんが知ってるとは思わなかったから。そして、いつ、どうして知られたか分からなかったから。話した覚えも無いから、余計怖く、緊張した。
そして、他の人に聞かれないように他の部屋に行った。
……掃除は行き届いてるらしい。さすが主サマの雇い人。
ついてすぐ、あたしは単刀直入に聞いた。
「なんで知ってるの?」
そう聞くと、サラさんは右手で髪をかきあげて右耳を――右耳のピアスを見せてきた。
……それってまさか……。
「実は、わたしも呪い保持者なのです」
予想が的中した。
そういえばあたしは、呪いについてほとんど考えて無いな……聞こう。
「呪いについてなんか知ってる?」
「特には……。でも、このアイテムなどは、いろいろな所で目撃されているのです。わたしが分かる中で7つ位です」
「へえ……ちなみにあたしは動物からの愛らしい」
「愛ですか……あ、わたしは死者からの愛、です」
そうなんだ! ……じゃなくて、効果とか。
「わたしは、死者からの愛、が無くなるというものかと思っています。……いろいろ回っているなかで、アンデッドに愛されたことは無いですね」
ってことは、あたしは動物に……うぅ。かわいい動物が……
とりあえず、
「じゃあ、パーティー組もうよ」
そう提案した。呪いを解くには全部必要だから。それに、異世界での一般人(常識提供と、はじめての異世界女性の知り合い)は必要だから。まぁ、いろいろと、ね。
「良いですね。よろしくお願いいたします♪」
「うん。よろしくね」
これで2個目のアイテム。いろいろ考える必要があるね……。
「わたしの名前は、ロイ・F・ノワールです。名前は、……ナオ、騙していて、すみません」
「大丈夫だよ! ロイ。男らしい名前だね」
適当なこと言った?
適当でもいいじゃないか、誉めてるし。いや、女の人に男らしいは駄目か……。
でも、王子みたいだな……それをいうなら王女なのに……。
でも、なんか雰囲気が違う。動作にそれが現れてる。
ホントに王子だったりして。面白そう……無いか。
……。まぁ、今は特に気にしなくていいかな、たぶん。
さて、アイテムすべて集めようかな。
あたしが決意したとこで主サマの声がかかった。
「呪いか、……面白そうだな。オレも付いていく。……まあ、ダンジョン内の事は大体分かるからな……それにフレッド達はナオとは仲良く……」
いつから居たんだろ……。なんかぶつぶつ言ってるけど聞こえない。
でも、仲間が増えた。主サマの参加だ。……賑やかだな。良いのかダンジョンの魔物連れてて。……楽しかったらいっか♪
うん、楽しみだね。
……あぁ、会いに行かないと。
陽成分摂取しないと……。




