12.初依頼はダンジョンマスターから
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敵の名前を変更しました。
何だろここ……暗い……でも、穏やかな不思議な空間。
そういえば何でここにいるんだろう?
えぇと……
『ねえ、約束守ってくれるよね?』
少し高い女の人の声が響いた。懐かしい……
ん? 約束?
『うん。約束。二人にはまだそっとしておいてくれって言われたけど』
二人?
『流石に時間がないんだ』
時間……
『だから、早く……早く救ってよ』
そして、少しずつ意識がはっきりしていく。
……そういえば、あたしは魔物に……っ!?
バッっと起きて、周りをあわてて見回す。
そして直ぐに臨戦態勢に入る。
周りには魔物がいた。
数えきれないくらいいる。
でも、当たらなくても何度もやればいけるのでは? と思って腰のナイフを振り回そうとしたあたしに声が掛けられた。
『うーわ、ちょっと! ちょっと待つッス!』
ん? 何処からか声が?
『あ、僕はこっちッス』
……。そこには、少し大きめなオオカミがいた。
……オオカミがしゃべった。喋れるもんなの? 人の言葉を?
……怪しいな……
あたしから殺気が出ていたのかオオカミが慌てて言った。
『いや、僕は上位の魔物で、ここでダンジョンを開いているんスよ。味方ッスよ、味方』
いや、潤んだ瞳で見られても……もとが、ねぇ……
……ぶっちゃけ怖い! 潤んだ瞳が光を反射してて、睨まれてるみたい!
「でも、ダンジョンでは襲ってきたじゃない? 後、ここ何処?」
そういえば、雪様は何処だろ。
『ん? 襲った? それはじゃれつこうとしてたんじゃないッスか?』
うん? 魔物って襲わないの?
『あー、僕たちは魔物の中でも友好的な部類に入るッス。仲良くなろうとしているんスが……』
「人間が襲ってくるらしいわ」
その声を聞いて後ろを振り返ると、巻き込まれたはずの雪様が…
「生きてたんだ……」
「ちょっと! 勝手に殺さないでくださるかしら!」
あ、いつもの調子に戻った。
「で、まとめると。魔物にも色々いて彼らは安全だけど、危険な奴がこのダンジョンの中を彷徨いているから、潰してってことですわ」
「最後の情報は要らん! そもそも、筋肉達磨と命中率0で何が出来るんだよ……」
「筋肉達磨って誰かしら!?」
『……。そういえば、自己紹介がまだッスね。僕はダンジョンマスターのフレッドッス。よろしくッス』
「あ、私はユキですわ。よろしくお願いいたしますわ」
「……。ナオって言います」
ヘェ、ダンジョンマスターをねぇ……ダンジョンマスター!?
『いや、ダンジョンマスターは人族と仲良くなるためになったッス。人族はダンジョンによく入るらしいからッスね』
そんなのもありなんだー……
『えぇと、コホンッス。ダンジョンマスターとして依頼させていただくッス。奴、レッドウルフを倒してくださいッス! このままだと、仲間を殺られ、ダンジョンが無くなるッス! お願いするッス!』
『おねがいー』
『おねがい!』
……凄いかわいい!つぶらな瞳が訴えてくる…っ!
「そ、そんなに頼まれれば仕方ないわよね? 受けますわ」
「……仕方無いね……」
あたしはにこりと微笑む。
自分より全てにおいて上の人に逆らえん……くっ(棒読み)
別に、小型犬魔物がかわいいからやっちゃおうとか思ってないよ!
雪様が震えてたのはワクワクからだよね? ……フレッドはなぜ震えてるの?
お仲間に何気に入り込んだ雪様。~ですわ口調です。