俺、少女に会います。
「ヤバイな、日が暮れてきた。急がないと…。」
俺たちが村を出発してから結構な時間が経っている。
俺たちの村から隣の村までは結構な距離があり、急がなければ、今夜は野宿になってしまうだろう。
俺1人なら構わないんだが、イランに野宿はさせられないからな。
俺がそんなことを考えながら歩いていると、前方に、モンスターに襲われている女の子を発見した。
その女の子は恐怖で竦んでいるのか、動こうとしない。
俺は、その光景を見た瞬間に走り出していた。
「らぁぁぁあああ!!」
俺は、上段から相手を斬りつけた。
幸い、そのモンスターは弱かったので、すぐに倒すことができた。
「…ふぅ。アンタ、怪我とかしてないか?」
「あ、はい。大丈夫です。助けていただき、ありがとうございました。」
よかった。怪我はないみたいだな。
「いや、怪我がなくて何よりだよ。…さて、イラン、行こうぜ。」
「ええ、そうしましょうか。けどロイ、1人で走っていくのは感心しませんよ?」
「うぐっ、ごめん。気をつける。」
「ええ、そうしてください。何かあったら大変ですからね。」
はぁ、怒られちゃったよ。まぁ、イランの言うことも一理あるからな。
「よし!気を取り直して行こ「あ、あの!」…なに?」
「えっと、もしよろしければ、お礼させてくれませんか?」
「お礼?」
「は、はい。もう少し先に行ったところに私が住んでいる村がありますから。もし、よろしければ泊まっていってください。」
う~ん、どうしようか。泊めてもらえるのはありがたいが、さすがに女の子の家ってのはなぁ…
まぁ、隣の村まで行けば宿屋もあるだろうし止めとこうかな。
俺がそう断ろうとすると、
「いいんじゃないですの?ロイ、お世話になりましょ?」
「え、でも…」
「お礼と言うのであれば私たちには受ける権利がありますし、それに、断ってしまっては相手にも失礼でしょう?」
まぁ、あまり納得はできないが、イランの言うとおりだしな。ここは素直に泊めてもらおう。
「えっと、それじゃ…」
「あ、すみません!自己紹介もせず。私はサラと言います。年は15です。」
そういってサラは頭を下げた。
さっきは助けるのに夢中でよく見てなかったけど、サラってかなりの美少女だな。
髪は栗色でボブカットにしている。顔の作りは幼いものの、目はクリッと大きくきれいな目をしていて、髪型と相まってより可愛らしさを引き立てている。
身長はイランよりかなり小さく155cmといったところだろうか。そんな小柄で可愛らしい身長に似合わず、体の起伏は大きい。
特に胸がやばい。イランが親の敵でもみるかのような顔つきだ。
そんなサラの胸に見惚れてしまっていたのか、イランにわき腹を思いっきり抓られた。かなり痛い。
っと、サラに挨拶を返さなきゃな。
「俺はロイだ。よろしくな。」
「私はイランと申します。よろしくお願いしますね。」
「はい、ロイさんにイランさんですね。よろしくお願いします。」
挨拶を交わした俺たちはサラの家に向かった。
サラの家に着いた俺たちは、まず、時間もちょうどいいということで、晩御飯をいただいていた。
机の上にはサラが作ったと思われる、ホワイトシチュー、サラダ、パンが並べられていた。
いやしかし、ホント美味そうだな。匂いだけで食欲がわいてきた。
「凄いな。サラって料理上手なんだな。」
「い、いえそんなことは。でも、ありがとうございます。」
「はは、サラはいいお嫁さんになると思うよ。」
「お、お嫁さん!?」
そんなやりとりをしていると、イランに思いっきり睨まれた。
「ロイ、初対面の女性にさっそくナンパですか?」
「ナ、ナンパじゃねーし!そ、それより食べようぜ。冷めちゃうよ。」
「はぁ、まったく。そうですね頂きましょう。」
そういって俺たちはサラの手料理に舌鼓をうった。
ちなみに、サラの料理はとても美味かった。
サラの料理を食べた後は、順番に風呂に入り、眠った。