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俺の旅、終わります。


彼女が口から大量の血を吐き出す。


俺は突然のことに動くことが出来ない。


俺が呆然としている間に自体は進み、彼女はゆっくりと倒れていった。


数秒経っても動く気配が無い。


そこで、俺の脳は遅まきに自体を把握した。


死んだ。


彼女は死んだのだ。


あまりにも呆気なく、唐突に、簡単に死んだ。


「う…ぁぁ、ぁぁあ、ああああああああああ!」


俺の叫び声に反応してか、彼女を刺した犯人が振り向く。


それは…


「イ、ラン・・・?」


イランだった。


そのとき、唐突に背後からバタバタッという人が倒れたような音が聞こえる。


俺は、まるで機械人形になってしまったかのような遅々とした動きで後ろを見やる。


そこには案の定と言うべきか、サラとアミーが倒れていた。


いや、倒れているだけではない。


彼女たちの体が、だんだんと溶けていっている。


俺はいまだに完全に把握したわけではないが、ただ1つ分かっていることがある。


それは、この場から逃げなければならないこと。


俺は、イランから逃げ出そうと後ろに足を踏み出そうとした


が、あえなく俺は転倒してしまった。


しかも、体がだんだんと動かなくなってくる。


俺の目の前には、すでに体の3割が溶けてしまっているサラとアミーがいる。


彼女たちがなにか言っているようだが、俺の耳には届かない。


それどころではなかったからだ。


何故?


何故俺は倒れた?


何故俺は動けないんだ?


そんな疑問が俺の頭の中を駆け巡る。


そこでようやく、今まで沈黙を貫いていたイランが声を発する。


「うふふ、ようやく効いてきましたか。そのしびれ薬を作るのには苦労しましたよ。」


しびれ薬?


「それにしてもロイ、ダメじゃないですか。浮気なんかしちゃ。」


「うわ…き…?」


「ええ、浮気です。私がいるのに他の女に『好き』なんて、浮気以外なにものでもないでしょ?」


意味がわからない。


俺は、確かにイランの告白を断ったはずだ。


『イランのことは好きだが、その好きは家族愛みたいなものだから、付き合うとかはできない。』と断ったはずだ。


なのに、イランは浮気だと言う。まったく俺には理解不能だった。


そんな俺の心境をよそに、イランの言葉は続く。


「まったく、昔からロイはそうでしたよね。私がいるのに他の女の子と仲良くしたりして。私はこんなにもロイのことを理解しているというのに、貴方はちっとも私のことを分かってくれない。さらにはなんですか?そのメス豚どもは。こんなやつら貴方のことをちっとも理解していなのに惚れるだなんておこがましい。まぁ、こんなやつらにも優しくしてあげれる貴方だからこそ私はこんなにも好きになったのですがね。でも、1番許せないのはやっぱり浮気です。なんですか?この女は。私のロイに色目を使って誑かすなんて。ロイのその優柔不断な態度にも問題はありますが、そこはおいおい治して行きましょう。さて、この女はどうしましょうか。まぁ、もう殺してしまいましたし、海に捨てればいいでしょう。さぁロイ、帰りましょう。」


俺は呆然とイランの口から発せられる言葉の数々を聞いていた。


俺はなにも考えられない。


思考するということを脳が拒否してしまったかのようになにも考えることが出来ない。


視界の端では、もうもとが誰だかわからないほどに溶けている、元人間であった物体がある。


俺は、それらが放つ悪臭に咽ながら、意識を手放していった。


目覚めると、俺はイスに固定されていた。


場所はどこか分からないが、光が当たらないところを見るに、地下なのだろう。


しばらくすると、イランが食事を持って降りてくる。


「あらロイ、やっと起きましたか。お寝坊さんですね。」


そう言ってイランは微笑む。


俺は反応することを煩わしく思い、無視をした。


しかし、イランは気にした風も無く近づいてくる。


「ふふ、ロイ。今日、いえ、今からずっと一緒に暮らすのよ。楽しみでしょう?私は楽しみだわ。だって、ずぅぅぅうううっと貴方と一緒にいられるんだもの。」


そう言うイランの目に光は一切ともっていなかった。


初見の方は始めまして。小海アキトです。

今回もヤンデレがでる話にしてみました。

この話はこれで完結なので、続きはありません。ロイとイランのその後は神のみぞ知るというやつです。

最後に、ここまで読んで読んでくださってありがとうございます。

まだまだ書いていこうと思いますので、よろしくお願いします。


小海アキト

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