プロローグ
はじめまして、月見里 銃三と申します。
良い歳こいてラノベにはまり、自分でも書いてみたくなってしまいました。
自分の初長編ラノベになる本作、楽しんで頂ければ幸いです。
では、どうぞよろしく~!
ダメ元でネット小説大賞に応募してみますので、改行や表現などをボチボチ修正します。
また、一応R15とさせて頂きます。良い子のみんなは、読んじゃダメですよ?(建前)
それでは応援よろしくお願いします!
な ん と 、 ネ ッ ト 小 説 大 賞
一 次 審 査 を 通 過 し て し ま っ た !?
や ま な し じゅ う ぞ う は
こ ん ら ん し て い る !?
とてもうれしいです!
願わくば二次通過……いや、大賞……ぬほほ!(獲狸皮残用)
「南おちんちんランドへようこそ!」
とんでもない歓迎のセリフを満面の笑顔で言われ、榊正宗は噴き出しそうになるのを辛うじて堪えつつ、笑顔で頬へのキスを受けた。
輝くような笑みを浮かべ、正宗に抱き着いて来たのは、驚くほど豊かな胸を青いビキニのブラで包んだ可憐な美少女である。
いや、正確には少女ではないのだが――
少なくとも、見た目はそんじょそこらのアイドルやモデルなんぞ裸足で逃げ出すほどのルックスだ。
この島は亜熱帯と熱帯のちょうど狭間にあり、ほぼ常夏と言っていいので、迎えてくれた彼女たち――
便宜上、彼女たちと呼ぶ――が身に着けているのは、水着のブラとカラフルなファッションショートパンツ、もしくはタンクトップにショートパンツと言ったものだ。
正宗に抱き着いた少女――これも、便宜上少女と表現する――は、その中でも一際目を引く豊かなバストを持っている。
青いブラからはち切れんばかりにのぞく谷間からすると、間違いなくGカップを超えるだろう。
だが、全体的に豊満なワケではない。
豊かなバストからぐっと絞られたウエストは細く、腹には腹筋こそ浮かんでないものの、余分な脂肪は一切ついていない。
細いウエストから延びるラインは美しい曲線を描き、胸に負けない豊かさを見せるヒップへと続いている。
二つの脚は細く長く、そして白く。まさにカモシカのような脚、と言う表現がしっくりとくる美脚だ。
だが、残念な事に下半身に着けているのは、そのプロポーションを強調するビキニパンツではない。
カラフルかつファッショナブルでは有るが、無粋を感じさせるショートパンツなのだ。
まさに、画竜点睛を欠く、といった風情だが、これにはワケが有る。
彼女たちも、ここが一般人の訪れる島の玄関口たる空港でなければ、通常のビキニパンツ姿を惜しげもなく披露するだろう。
だが、ここでは――そう、住民以外のごく一般の職業人やマスメディアが訪れるここでは、自らを律して、ビキニの下をショートパンツに代えているのだ。
さきほど、正宗は「ようこそ」と歓迎されたが、それは彼がこの島に赴任してきた医師だからだ。
物資などを届けに来た業者は空港内の別の場所で事務的に引き渡しを済ませ、島そのものに立ち入ることなく空になったカーゴを積んで本土へ帰って行くし、アポイントメントなしで潜入取材を仕掛けようと企むマスコミの面々は、あっという間に正体を暴かれてけんもほろろに追い返されてしまう。
その時、報道の自由や知る権利などを振りかざして暴れでもすれば、極めて士気の高い空港警察に拘束され、正規料金の請求書付きで強制送還されるのがオチだ。
それほどまでに、この島――南おちんちんランドは、強力に護られているのだ。
それにしても、と正宗は呟く。
「なんだよ、南おちんちんランドって……」
いくらなんでもあんまりだろ、常識的に考えて……
口に出しては言わず、脳内だけで終わらせたのは今後の事を考えてだ。
ただし、『おちんちん』はそのままの意味ではない。そのままの意味ってなんだ、と言われると返答に窮する類の、男性の大切な部位をそのまま差している、と言う意味ではない。
ややこしく意味不明かもしれないがそういう事だ。
では、どういう意味なのか。
南おちんちんランド――
正確には、S‐О.T.I.N×2 Land。
サウス・オーガナイズド・トランスマインド・インターナショナル・ナチュラリスト(かける2)・ランド。
直訳すれば――
『南にある、ちゃんとした、変化する精神の、国際的な、自然主義者の、島』
となる。そして、意味もほぼそのままであまり意味は無いかもしれないが、解りやすく意訳すれば――
『揺れ動く心を自然のままに受け入れ、愛し合い労り合う国際者集団の為の南の楽園島』
であるという。
ちなみに、(×2)となっているのは、『大事な事だから復唱することによって意味を強調する』、らしい。
「こじつけ過ぎんだろ、常識的に考えて……」
なんだかんだと御託を並べているが、どう見ても『おちんちん』と読ませるためのお為ごかしに過ぎないんじゃないのか。
恐らく、初めて聞いた誰もが感じるのと同じ感想を抱き、口の中でぶつぶつと呟いた正宗だったが、今ここで文句を言った所でどうなるものでもない。
「榊先生、こちらです」
先ほど、頬にキスをしてくれた少女に言われ、正宗はフリフリと色っぽく振られるショートパンツに包まれた大きな尻を凝視しつつ、少女の後に続いた。
ここは、かつて「緑が島」と呼ばれていた。
東京都の最南端となる八丈島からさらに南に100キロほど南下した太平洋上にある、絶海の孤島である。
島は南北に短く、東西に長い楕円形で、長径およそ二十キロ、短径およそ十二キロ。島の四方は切り立った崖となっており、海からのアクセスは南にある特殊な港以外はほぼ不可能で、外からやってくる者は八丈島からヘリコプターかセスナで空路を辿る以外ない。
但し、この島の正式な住民は島政府所有の軽ジェット機が有るので、東京・羽田空港まで数時間で行くことが可能である。
この特異な島の、現在の呼び名こそが、『南おちんちんランド』なのである。
なぜ、そんな奇異なネーミングをされたのか。
また、なぜ榊正宗がこの島に医師として赴任することになったのか――
それはこれから、明らかにされて行くだろう。