総括
ども、Allenです。
名前は全角です。
ともあれ、ここまでお疲れ様でした。
本作『BladeBlazeOnline -太陽を抱く蒼穹-』はこれにて完結となります。
ここまで読んでいただき、まことにありがとうございました。
もしもこの『総括』を最初に読んでいる方がいましたら、ネタバレにご注意ください。
二作同時連載は一種の挑戦として行っていましたが、何とか完結まで漕ぎ着けることができました。
正直なところ、あまり上手くは行っていませんでしたし、もう二度とやりません。
さて、それでは今回も、本作に関するちょっとしたお話をして締めくくります。
また、次話投稿として次回作の予告編を少し掲載しようと考えております。
まずは総括内で、以下のラインナップで解説をしていきましょう。
●ストーリーに関するコメント
●キャラクターに関するコメント
●次回作の話
では、ストーリーに関するコメントから行きます。
●ストーリーに関するコメント
コンセプトは『我が道を行く』、そして『一作目主人公達の物語の終結』。
どちらかと言えば後者の方を目的とした作品でした。
本作は、これまでの超越者シリーズのキャラクターがかなりの頻度で出現する作品でした。
と言うのも、この作品は一作目の延長線上に存在するようなものだからです。
『IMMORTAL BLOOD』→『神代杏奈の怪異調査FILE』→『短編:次代へ続く無限螺旋』→本作
この順番で進んできたストーリーですが、一作目のキャラクターである《タカアマハラ》の面々が表立って行動する最後の機会として本作を執筆しました。
短編にて極限まで力を高めた《魔王》と《女神》は、その力の巨大さゆえに《斬神》の領域から外に出ることができなくなり、その解決策として生み出されたのが本作の主人公達です。
最終的に、《魔王》も《女神》も地球と『IMMORTAL BLOOD』の舞台となった世界には足を踏み入れることが可能となっていました。
一方で、他のメンバーの内で《斬神》を除くタカアマハラの面々は、《魔王》と《女神》の目的は知りませんでした。
ゲームの発案は《魔王》からですが、そこから先の漕ぎ着けはほぼ全て《賢者》がこなしていたので、表立った目的しか周知されていなかったのです。
尤も、《魔王》からしても、能力者を集めることは目的の一部であったため、間違いだったと言うわけではないのですが。
今回、ラストで頼斗と光は普通の人間として生きていくことを選択しました。
この選択は、実は二人の能力の発展度合によって結末が変化していたという設定になっています。
二人が回帰にも至っていなかった場合は今回のエンド。
回帰を発動していた場合は、ひなたも巻き込んで異世界転移エンド。
そして超越を発動していた場合は、二人は融合して天空エンド。
ちなみに《魔王》の予想では、ひなたがいなかった場合天空エンドになっていました。
一方で主人公達に視点を向ければ、こいつらはもうただやりたい事をやりたい様にやらせていました。
MMOモノではよくあるゴミスキルだのと呼ばれる類の状態でしたが、主人公達の場合は別にそれが上手いこと填まって強くなった訳ではありません。
あれは完全なる分業をしていたが故の強さですし、状況が悪ければレベルの低いプレイヤーよりも弱かったでしょう。
それを上手いこと使いこなしていたのがヒカリであり、その指示に全幅の信頼を置いていたからこそ、ああも実績を積み上げることができていました。
作者としては、職業によって違いはあれど、MMOのプレイヤーは基本的に同等の条件下にあるべきであると考えています。
その辺の思考はゲーム製作担当の《賢者》にも反映されており、例えユニーククラスが付いたとしても、同レベルのプレイヤーには相性とプレイヤースキル以外の差はできないように調整されています。
尤も、この場合回帰や超越は別、と言うことになってしまいますが、結局使えるのはプリスだけでした。
実際、ライトとヒカリは、それぞれが個別に戦ったら正直そこまで強くありません。
同レベル帯どころか格下のエネミーにも余裕で負けるレベルでしょう。
ちなみにケージこと嶋谷賢司たちが登場する『神代杏奈の怪異調査FILE』を読了された方なら分かるかもしれませんが、彼らが《霊王》から受け取ったのは、物語後半で死亡した『彼』の魂です。
渡された後でアイテムとして利用すると元の姿を取り戻し、その後はゲーム内の喫茶『コンチェルト』で働いていました。
作中で『彼』を救えなかったのは杏奈達が人間だったからであり、超越者になることを決意した姫乃ならば報酬として渡してもいい、と《魔王》は考えていたりしました。
尤も、彼らに伝えていたのは、《霊王》に勝てたら渡すという話と、ゲーム内で超越を使っても現実の肉体には影響を及ぼさないという話だけでしたが。
●キャラクターに関して
・三久頼斗/ライト
本作主人公。蒼穹に憧れる少年。太陽を求め続ける男。
名前の由来は、光に関連する名前をつけようとしたため。また、苗字は《魔王》の苗字である九条を分解したもの。『三久』と『六木』で『九条』。
余り人付き合いは得意ではなくぼっち気質だが、仲のいい相手に対しては面倒見がいい。
甘えられることも嫌いではなく、変人と言うより変態であったひなたに大しても、隔意を覚えることもなく付き合っていました。
彼の気質は、あくまでも身近な人間にのみ執着すると言うもの。
その最たる相手が光であり、本質的には彼女だけが存在していれば後はどうでもいいと考えていたりします。
この思考は《魔王》のものに近いですが、彼ほど行動力があるわけでもなく、攻撃的でもないため、周囲へ被害を拡大させることはありませんでした。
空に憧れ、太陽に近づこうとするその姿はイカロスの様でもありましたが、勿論頼斗はその話を好きではありません。
頼斗は空を飛びたいのではなく、空そのものになりたいと考えていたからです。
魔法の名前である《フォールスカイ》も、このあたりの思考が反映されています。
パーティ内では、殆どヒカリの移動ユニットとして働いていました。
基本的に地上だと殆ど火力出ませんし、街中以外では地面にいるほうが珍しかったでしょう。
『碧落の光』がまともに戦うことができていたのは、彼の回避盾としての能力が会ったからこそといっても過言ではありません。
主人公らしからぬスタイルではありましたが。
・六木光/ヒカリ
本作ヒロイン。太陽に焦がれる少女。蒼穹に安らぎを求めた女。
名前の由来は、ライトと同じく光に関連する名前から。苗字は頼斗のところにも記載しましたが、九条という苗字を分解したものです。
非常に明るく社交的で、誰に対しても笑顔で接し、鮮烈な印象を抱かせる努力家な人物。
悪く言うと常に上から目線の部分があり、人によっては受け付けない場合も。
彼女の気質は、全ての人間に対して平等に、と言うもの。
しかしこれには一部例外があり、己の家族と認識している頼斗とひなたに対しては特別な感情を抱いています。
《女神》の気質に近いものではありますが、より行動力があり、周囲への影響力は強いです。
太陽に憧れ、全ての人々を照らし導きたいと言う、王のような意識の持ち主。
その辺りは《魔王》からの植えつけによる部分が大きいですが、それを知った後にも色濃く残っています。
しかし、己にとっての特別である二人、特に自分自身を包み癒してくれる頼斗のことは、強く護りたいと思うようになりました。
パーティ内ではライトの上に載ってぶっ放す主砲でした。
正直、全ての戦闘において総合的に半分以上のダメージをたたき出していたと思われます。
ヘイトを集めまくる固有スキルを逆に生かすことができたのが、『碧落の光』の強みであるとも言えるでしょう。
・東雲ひなた/アマミツキ
ある意味ヒロインこと駄妹。太陽と蒼穹に手を伸ばし続けた少女。
名前の由来は頼斗たちと同じく光に関する名前として。ちなみにアマミツキは、漢字では天満月と書きます。
ひたすらに天才肌、けれども努力を軽視しているわけではなく、むしろ努力家こそが真に輝ける人間であると考えている。
変人ではあるが光たちにはどこか遠慮している部分があり、己のキャラクター名を月になぞらえたのも、太陽の光を浴びて輝きたいと考えていたためでした。
彼女の気質は、二人の家族との繋がりを大切にしようとするもの。
頼斗に対しては恋心のようなものを見せてもいましたが、一般的に言う恋とは違い、彼と共に在ることそれ自体に執着していたとも言えます。
どちらかと言えば、敬意に近い念を抱いていた部分もありました。
家族に対する、そして繋がりに対する執着。その念の出所は、《斬神》の与えた『観測者の権能』です。
彼女に与えられた役割は、頼斗と光を観察し続け、その存在を確立していくこと。
ひなたによる観測があったがために、二人はより強い自我を獲得し、姫乃の指摘から異常に気づくことができました。
パーティ内では予備の司令塔および作戦参謀。
戦闘が始まる前からどこかに隠れて敵を観察し、有効な作戦や情報を伝えていました。
ちなみに、クラスはあくまでもポーションマイスターです。
●次回作について
次回作は書き溜めを行っております。
『聖女の唄う鎮魂歌』の総括にも書きましたが、次回作のキーワードは『転生』、『現代魔法』、『クトゥルフ神話』。後ちょっと『変身ヒーロー』気味。
なおクトゥルフ神話は本当にあっさり風味にしか出しません。どっぷり漬かると非常に面倒なことになるので。
そういえば、実は転生主人公って初めて書きますね。しかし超越者シリーズなのでアクの強い主人公になることでしょう。
この次の投稿で、次回作のプロローグの一部を掲載します。
よろしければご覧になってください。
二作同時は中々苦労しましたが、これにて本作は完結です。
ここまでご愛読いただき、まことにありがとうございました。
よろしければ、また次回作でお会いしましょう。
ではでは。