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術とは何ぞや。大和って誰さ?

連続投稿です。

とりあえず今日は二つで。






「とりあえず、ガルミシュラ国の王都ハーゲンに行けば国立図書館があるから、そこへ行こう。何か手掛かりがあるかもしれない。」


おにーさんはクルシュオル=アウグラさんというらしい。シュオルさんでいいか、長いし。

俺はたけるという名だと自己紹介すると、少し言いにくそうに口の中で何度か繰り返していた。名前が横文字の国の人には、日本語名は難しいってホントなんだなぁ。

シュオルさんには俺が異世界人だってことを洗いざらい話して、畳みかけてちょっと術も見せて納得してもらった。

その時にまた“神子じゃないのか?”って聞かれ、違うと念を押さなければならなくなったけれど。






俺の言う術って言うのは、俺の家に伝わる『仮名使い』だ。

仮名っていうと平仮名とか片仮名とかを思い浮かべるかと思うんだけど、それだけじゃない。

仮名=文字という認識だからだ。つまり漢字も英文字も、とにかく書くものなら何でも使う。

文字の意味さえわかっていれば使えるのだから、変な話楔形文字とかも使おうと思えば使えるのだ。

まぁ、俺の知る限り漢字を使う奴が多かったけど。あとは平仮名。

で、その仮名を使って何をするかというと、簡単に言えば超現象を起こす。


・・・・・・あ、うさんくせ~とか思ったろ?わかってんだよ。でも出来る以外は普通の人間なんだぞ!

生まれりゃ泣くし笑うし怒るし乳を飲んで育つし、普通に学校にも通うし、結婚して子供作って、んで墓に入っていく。

その間にちょっとばかし変な力があるだけさ。

スプリンターが体を鍛えたり、学者が研究したりするのと、力のある子がそのコントロールを学ぶのはそう違わない。


・・・話がそれた。元に戻そう。

超現象っていうのは、もっと簡単に言うと火をおこすとか、水を出すとか。

『仮名使い』と呼ばれる者は、そういうことが仮名を書くと出来るってこと。

もちろん普通に手紙を書いたりする時にそんなことが起こったらまずいため、力のピン錐に限らず有る者はコントロールを徹底的に叩き込まれる。

俺は本家の長男で、だからってわけではないが力があった。まぁ天才だからコントロールなんてすぐ覚えたけどな!


・・・・・嘘ですすみません。中学上がるまで外に出れないぐらいにはかかりました。

その分、力は桁外れというか、規格外らしいんだけど。その話はまたの機会に。






初対面に話していいものかちょっとはためらったが、もしどうにかなっても何とかできる自信はあるし、これでも人を見る目はあると自負している。

人を見る目は必要だったからな。

そうして“帰るのに必要な情報”が足りないのでそれを集めたいと言うと、シュオルさんは“帰る方法”を探すと思ったのか、国立図書館に連れて行ってくれると言ってくれた。

自分も王都が目的地だからと。

やっぱりいい人だな。場所教えるだけでさよならもできるのに。


「だが、まずは服をなんとかしないとな。お互いに。」

「そうだね。俺のこの服は動きづらいし、シュオルさんのはトカゲまみれって感じだ。」

「・・・・すごく嫌な表現だぞ、それは。」


あれそぉ?でもホントのこと。俺は儀式の間に籠っていたから浄衣じょうい姿だし、シュオルさんは返り血か、紫とも赤ともつかない色の液が身体の右側にべったり。

これが赤だったらスプラッタなんだろうけど、この色じゃあ汚れているようにしか見えない。


「東に進んだところに村がある。そこに宿をとっているから、まずは戻るぞ。」

「うん。」


頷いて太陽の位置を確認していると、シュオルさんは懐から少し大きめのナイフを取り出し、トカゲの体を解体し始めた。食うのか?


「魔物を倒した証拠になる部位をギルドに持っていくと金になる。ヨーウィーは腹に石が入っているんだ。一生体内に入ったままの石だから、魔力も帯びる。この大きさのヨーウィーなら、良い値がつくだろう。」


このトカゲはヨーウィーって魔物なのか。

この世界には魔物がいて、それを倒す仕事をしている人がいて、それを推奨している組織もあると。


「もう一匹いたのは・・・・何かに食べさせたんだったな?」

「へ?」

「お前が降ってきたときに下敷にした、桃色のヨーウィーだ。」


桃色・・・・ああ!あのショッキングなピンクの物体!

え、ヨーウィーって色が何色もあんの?あれってそうだったの?ええええぇぇぇ・・・・・大和、石だけでも吐けないか?

・・・・・そっか、吸収しちゃったか・・・・・。


「・・・・ごめん。」

「いや、タケルが降ってきたことで助かった。腕を犠牲にするところだったからな。金も十分にあるし、そうこだわるものでもない。」

「いやでも、しばらく俺って文無しだろうし、迷惑掛けるのにさぁ・・・・」

「モンとは金のことか?子供が心配するな。」


ありがたいけど・・・・・はたして俺がいくつに見えているんだろう?一応17歳ですが、東洋マジックは異世界にも通じると言うのか!?

おにーさんの年齢が気になってきたよ。おいくつですかね?20歳前後だと見ているんだが、どうだろう。

まァそう重要でもないからいいか。俺がチビなのは今に始まったことではないしな!・・・・・orz


「何に食べさせたのか聞いても?」

「大和?大和は俺の子供みたいなもの。自分の力を試したくて創り出した、ええと・・・正確には違うけど、生きものだよ。俺が生きている間は俺とずっと一緒に居るんだけど、今は姿を現してないから人には見えないんだ。見たい?」

「・・・・・いや・・・・・・すまん。聞いておいてなんだが、俺には理解できないようだ。」

「そう?そうだね、俺の友達だとでも思ってくれれば。人ではないけど。」


生まれたてほやほや!なんてったって、此処に来る直前の、儀式をするべき時間に創ったのが大和なんだから。

聞けばびっくりするような正体だけど、今はまだ赤ん坊。どう成長していくか楽しみにしてるぞ?大和♪




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