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使うのはMP(マジックポイント)じゃなくてHP(ヒットポイント)なんですか?

ある程度上流に来たところで、本日はここまでとなった。

野営ですね。今夜も冷え込みそうだ。

周囲の護衛が二つの火をおこしたり、食材を探しに森に入ったりしている端で、シュオルさんも野営の準備に入る。どうやらバラドさんも俺たちと一緒に休む気らしい。薪を集めてくると言って離れていった。


「・・・さて、どうしようかな?」

「?」


俺はというと、ヴェルデを一人で置いておくことに大人二人が難しい顔をしたので、ヴェルデを抱えたままシュオルさんの邪魔にならない所に居るんだけども。


「ヴェルデは、火が出せたんだよな。」

「・・うん。」

「絶対使いたくない?」

「・・・?」

「使いたくないんなら仕方ないけど、せっかく持ってる力なんだし、自由に使えるようになりたくない?」


良ければ練習してみない?という気持ちでヴェルデに尋ねると、骨皮の体で唯一子供らしい大きな瞳が、子供らしくない落ち着いた色でじっと見上げてくる。

真意を探ってるのかな?まぁ、言ってる以上のことは今のところ無いけど。


「どれだけの力かはまだ見てないから知らないけどさ。まぁ、俺ってヴェルデより大きいだろ。だから、ヴェルデがなんかしても、なんとかしてやれるよ?」

「・・・おとうさん、やけどしたよ。」

「あれ?うーん、じゃあ、ヴェルデより強いからって言おうか。ほら、魔物に襲われても怪我してないだろ?」

「・・・・。」

「まぁ、ホントに嫌だったら、使わなくていいように他のこと教えるよ。でも、使えないから使わないより、使えるけど使わない方が、多分これから先楽だぞ。」

「・・・つかえるけど、つかわない・・・。」


お、ちょっと気になってきたな?

親に怪我させたってどんな状況だったかは知らないけど、制御は出来てない力だったんじゃないかと思う。こんな見ず知らずの他人にすがるような子なら、いたずらってわけでもないだろうし。

なら、制御できるかもっていうのは魅力的なんだろう。ただ、それを理解出来ちゃうってところが子供らしくなくて、ちょっと痛々しい。

本気で使いたくないって言うんなら、使わなくていいように封じることもできるけど、俺もいつまでも居るわけにはいかないし、一生封じることが出来るかどうかはわからない。まァ多分できるけど。

でも、可能性を広げたいって気があるなら、それを手伝ってやることは今できる。


「・・・やってみたい。」

「なら、手伝うよ。がんばろうな。」

「うん。」


こくんと頷く頭を撫でる。弟がいたらこんな感じかなー。俺姉さんしかいないしなー。


「何を頑張るんだ?」


シュオルさんが一段落ついたのか、手をはたきながら尋ねてくる。すげぇ、すでに鍋の準備がされて、後は薪を待つのみだ。慣れてるよなぁ。


「力の制御やってみようかーって。」

「力の!?」

「だいじょーぶだいじょーぶ。俺なら何とでも出来るから。」

「・・・そうなのか?」

「出来ないことは言わないよ。」


シュオルさんは俺の力を知ってるけど、それでも心配なようだ。まぁ、俺の力ってわかりにくいし、地味なのしか使ってないしね。


「・・・なら、後で川に行こう。」

「ん?」

「ヴェルデの力は火だろう?水の傍の方が対処しやすい。・・・人目も少ないだろう。」


あー、そっか。俺はどこに居ても対処できるけど、人目にはつかない方がいいか。ただでさえ“神の子”に怯えてる人たちに、力使いますなんて言えないし。

結界張ることは考えてたけど、幻影使って寝てるように見せかけたほうが良いかな?


「じゃあ、今すぐは無理か。」

「どちらにしろ、今のヴェルデの体で、食べる前に使えば倒れるんじゃないか?」

「ん?」

「魔力は体力も使うぞ?」


あれ、そうなの?


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