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時間戦士は永遠の夢を見るのか・平行宇宙編

平行宇宙編AMラジオ「Amikana & Mika」:第8回「パンとご飯、涎が出るのはどっち?」

作者: 刹那メシ
掲載日:2026/08/03

挿絵(By みてみん)


<次のお便りです。『アミカナさん、ミカさん、こんばんは!』>

<「こんばんは!」>

<『お二人は、パン派、ご飯派、どちらですか?』ということなんですが……>

「あー、これはミカから答えてもらいましょうか」

<私は……ご飯派かな>

「そうだね。卵かけご飯とか好きだよね」

<それ、あんまり言わないで>

「何で?」

<何か……全然料理できないみたいじゃん>

「できないじゃん、実際」

<うるさいうるさい! イメージ的に、私はできる感じでしょ? アミカナと違って>

「はあ?」

<で! アミカナは?……と聞きたいところなんですが。ねえ>

「はい。あのー、知ってる人は知ってると思うんですけど、実は私アンドロイドで」

<はい>

「なので、食べ物を必要としないんですね。水が燃料で。水を飲むだけで活動可能というか」

<そうなんです>

「だから、どっち派とかなくて」

<でも、食欲はあるの?>

「これが……あるんですよね。どうしよう? 説明する?」

<わかんないけど、どうぞ>

「私は、ミカを複製したアンドロイドで、なので、意識も記憶も人間と同じというか。『コノキモチハ、ナニ? ワタシ、ワカラナイ』とかないんです」

<『ああ、腹減った~!』とかになるんですね>

「違う! 今のは、恋した時の話!」

<あー、はいはい>

「なので、意識は人間と同じなので、食べ物を必要としなくても、食べ物を見ると、人間だった時の食欲の記憶は思い出すと」

<やっぱり腹減った話じゃん>

「うるさい!」

<でも、食べたらダメなんでしょう?>

「一応、嚙めるし、味も大体分かるけど、飲み込めない。いや、飲み込めるけど、即、故障……すると思う。怖くてやってないけど」

<口に含んだことはあるんだ?>

「あるよ。出しちゃったけど」

<あー、出す話はやめよ。またクラゲネタになるから>

「クラゲの話はミカがしたんじゃん! 何か、お叱りのお便りを頂いたんでしょ?」

<はい……アミカナさん可哀想、ミカさん酷い、というお便りを多数頂きまして。皆さん、ごめんなさい!>

「そーだろ、そーだろ。深夜放送でよかったね」

<……で、話を戻しますが>

「はいはい」

<お腹空いた、っていう感覚はあるの?>

「あー、これも微妙で、食べ物を見て、美味しそう!って思うと、お腹が空いたような感覚にはなるんだけど、実際には胃とかないし。だから、多分、量子頭脳の錯覚だと思う。ああ、量子頭脳というよりは、精神の反射、というか」

<何か、いつになく難しい話になってきてるけど……>

「毎回、高尚な話をしてますよ」

<涎は出るの?>

「まあね。今も出てるし。正確には水だと思うけど」

<じゃあ、パンを見た時と、ご飯を見た時で、涎の量は違いそう?>

「うわー、どうだろ? 違うのかな?」

<一度やってみる?>

「やってみるって、何を?」

<実際にパンとご飯を見て、出た涎の量を測ってみる>

「また口から出す話じゃん! やめてもう!」

<でもさー、食べられないのは辛いと思うけど、太らないのは超羨ましい!>

「あー、それはね、この体であることの数少ないメリットの一つですね。あと、実は裏技がありまして……」

<何? 何? 私の知ってるヤツ?>

「多分ミカにも話してない。食欲なんですけど、オフれます」

<どうゆうこと? 食欲をなくせるってこと?>

「まあ、完全にではないけど、メニューから選択して……」

<えー?! 凄い! じゃあ、辛くないじゃん!>

「まあね。でも、何度かやってみたけど、食べ物を見ても何も感じないのは寂しいから、今はずっとオンです」

<え……それ、辛くないの?>

「美味しそうなものを見て、『美味しそう!』と思えるのは幸せなことなんですよ。ましてや、それを食べられるということはね」

<……そう……>

「だから、卵かけご飯しか作れなくても、それを食べられるのなら十分幸せなんです!」

<……そう……って待って! 別に卵かけご飯しか作れないわけじゃないから!>

「じゃあ、何が作れるの?」

<え……色々よ、色々>

「すぐに出てこないところが致命的なんです」

<……う……ア、アミカナだって作れないでしょ!>

「私は大丈夫。『アンドロイドだもの。仕方ないよね』って言ってくれるから。これ、この体であることの数少ないメリットの一つ・パート2ですね」

<何でそこでアンドロイド強調してるの?! 人間と変わらないでしょ!>

「機械だからじゃないの。ミカのコピーだから」

<え?>

「オリジナルにできないことは、コピーにもできない」

<ちょっと! それ、志音君にも言ってるの?>

「いやいや! 急にプライベートな話ぶっ込まないで!……まあ、生身の方は、頑張ってお料理を覚えて下さい。イメージに合うように。以上!」

<……>

「コールをどうぞ」

<……何かむかつく……>

「『AMラジオ、アミカナ・アンド!」

<……ミカ』でした……>

「バイバーイ!」

<……ちょっと! それ、何で志音君に……>


挿絵(By みてみん)

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