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アイドル紹介作品「藤枝茅穂と葛城あやね」

作者: エクレア

突然だが、漫才は一人がボケて相方がそれにツッコミを入れるものである。だが世の中には日常において頼んでもないのにボケまくる人がたまにいる。しかもそれが狙ってない所謂、天然キャラだった場合どうする事もできない。そんな日常天然ボケボケでお馬鹿な性格の子がE.T.Oプロのアイドル候補生の一人の藤枝茅穂である。彼女は事務所で最年少の12歳である。


そんな彼女は今日も学校が終わって事務所にレッスンをやりに来たのだが、少し待っているように言われて休憩室で大好きなコーラを飲んでいた。

「ぷはぁーコーラって本当に美味しいなぁ♪でも、コーラって色は真っ暗だけどなんでこんなに美味しいんだろう?」

そう言って茅穂は缶を見ながら首を傾げた。


「もう、真っ暗じゃなくて真っ黒でしょ。はぁ…それにしても相変わらず茅穂はくだらない事を考えているわね。」

そう言って女の子が休憩室に入って来た。彼女の名前は葛城あやねという。14歳で彼女もE.T.Oプロのアイドル候補生である。負けず嫌いで努力を惜しまない性格。しかし思った事をストレートに言ってしまうため人を傷つけてしまう事が度々ある。


「お!あやね!!」


「もう、あんたは何回言ったら理解するのよ?年上の人を呼ぶときはさんぐらいつけなさいよっていつも言ってるでしょ!!」


「?…あやねはあやねでしょ?それとも、かつらぎ・あやね・サンが本当の本名でサンが名前なの??」


「そんな訳ないでしょう!サンってどんな名前よ!?」


「ん~…お月様って意味かな!」


「それはムーンでしょ!サンは英語で太陽よ…何で茅穂は、わからないのに英語でいおうとするのよ?」


「それはカッコいいからだよ!」


「間違ってたらカッコ悪いわよ……あ~頭痛くなってきたわ。」


そう言ってあやねは頭を抱えた。


「大丈夫かあやね??そうだ!こうすると治るよ!」


すると茅穂は立ち上がって、あやねの頭に思いっきりチョップを叩き込んだ。


「痛っ!ちょ…いきなり何するのよ!!」


あやねは叩かれた頭を撫でながら叫んだ。


「えっ?頭痛い時って頭に衝撃与えれば治るんじゃないの?」


「治るわけないでしょ!余計に痛くなるわよ!」


「でも私は頭がズキンズキンってなったら壁とかにゴンゴンって頭ぶつけて治すよ?」


「……茅穂が頭悪い理由が解った気がするわ。とりあえずそんなのじゃ治らないから今後一切やめなさい。」


「そうか、わかった!!」


そう言って茅穂は敬礼ポーズをした。


「まったく、返事だけは良いんだがら。」


「今度から頭ズキンズキンってなったら腹痛薬飲むねー♪」


茅穂は笑顔でそう言った。


「はっ?なんで腹痛薬なんて飲むのよ??」


「え?だって腹痛薬って頭がズキンズキンした時に飲むものだよね?」


「茅穂……腹痛薬はねお腹が痛い時に飲むものよ。」


「え?そうなの?」


「当たり前でしょ!腹痛って言ってるじゃない!頭が痛い時に飲むのは頭痛薬よ。」


「あ!そうだそうだ。私しっかり勘違いしちゃった~!」


「それを言うならしっかりじゃなくてうっかり…はぁ何処までボケればあんたは気がすむのよ?」


「別に私、ボケてはいないよ?」


「あぁ~はいはい。もっとタチが悪いわね。」


そう言ってあやねは深くため息を吐いた。


「ムカチーン!意味がわからないけど今、あやね私の悪口いったでしょ!?」


「あい?なんでそうなるのよ?と言うか意味も解らずキレないでよね。」


「ブーブー!だいたいあやねは私の言葉に一々反応しすぎだよー!」


「茅穂が馬鹿な事ばっかり言ってるからでしょ!」


「あー馬鹿って言ったなー!馬鹿って言った奴が馬鹿なんだよ!だからあやねは馬鹿だ!バーカバーカ!」


「なんですって!?茅穂に一番言われたくない言葉よ!!」


「ムカチーン!もーう!頭にきたー!!」


そう言って茅穂はあやねは掴みかかろうとしたがその時、休憩室の扉が開いた。


「茅穂さん。待たせたわねレッスン室にきてください。」


「あ、はーい!!」


茅穂はそう言った後に再びあやねの方を向いた。


「えーと…なんだっけな……あっ、そうだ!あやねの馬鹿!あやねなんか大嫌いだー!」


そう茅穂は叫んで休憩室を飛び出ていった。あやねは何も言わなかった。


「ふんぎゃ!?」


休憩室を飛び出した茅穂はレッスン場に向かおうとしたが途中で思いっきり転んでしまった。その勢いで手に持ってた。コーラを盛大に溢してしまった。


「うわぁ…ヤバいかも…。」


「はぁー…まったく何してるのよ?」


「わ、あやね!?」


茅穂が振り返るとそこなはあやねが立っていた。


「あやねじゃないでしょまったく。怪我しなかった?」


「うん別に平気だよ。」


そう言って茅穂は両手をブンブンと回した。


「それなら、ここは私が拭いておいてあげるから茅穂は早くレッスンにいきなさいよ。」


そう言ってあやねは右手に持っていたぞうきで床を拭き始めた。


「えっ?良いの?」


「良いって言ってるでしょ。ほら、レッスンの先生待っているんでしょ。早く行きなさいよ。」


「う、うん。それじゃお願いね!あやね!」


「はいはい。」


茅穂は立ち上がってまた走り出した。そして走りながらあやねの方を向いた。


「あやね~!さっきは大嫌いって言ってごめ~ん!やっぱり私、あやねの事が大好き~!」


「私に馬鹿って言った事もあやまりなさいよねー!!」


しかしもう茅穂は廊下の角を曲がったらしくいなかった。


「まったく~…まぁ、私も少し言い過ぎたかな。後でそれくらいは謝っておこうかしらね。」


そう言ってあやねは再びコーラがこぼれている床を拭きはじめた。拭いてるあやねの顔はすこし笑みが溢れていた。


END



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