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2 遭遇する

扉を開けて、中を覗くと壁一面に棚が付いていて、色々収納出来るようになっていた。少し荷物が残っているみたいで、その中の大きなリュックを開いてみた。

中身は小さいけどランプと火打ち石のような物と綿、金属製のコップとお皿とスプーン、あと、雨合羽の様なコート、手拭い用ぽい布に毛布。


「これ、キャンプ用品みたい。使えそうなものばかりで有り難いわぁ。」


後は、小さめの鞄が2つとポシェットが一つ。

携帯食が有れば良かったのに、どうやら食べるものなんかは無さそう。

少し残念に思いながら、小さめの鞄を開けてみると1つ目にはどこだこれは!?っと思うような地図と紙とペンとコインが入った巾着袋、2つ目にはサッカーボール位の丸い玉と何かの液体が入った瓶が3つ入っていた。


「………地図だよね…こんなの見たことないけど、ここ何処なんだろう…このコインってもしかしてお金なのかな?使う事なんか無さそうだけど………。」


使えそうなものは使わせて貰おうと決心して、最後にポシェットを手に取る。紐で結ぶタイプだから肩からでも腰にでも着けられそうだ。ポシェットを開いて手を入れてみると違和感を感じる。


「ん? ん? なぁー!!」


なんと!私の入れた手が消えた!!   いや。消えてはないのだけど、見えないのよ!

何回か出し入れをしてみると、何となく理解してきた。

試しにスプーンをポシェットに入れてみると…ウン…消えたね………。 

そしてスプーンは何処かなと手を入れると、なんと!スプーンを掴んでる感覚がある!そのまま手を出すと、しっかり握りしめていた。


「凄い!!これって魔法のポシェットだよね!!って事はここには魔法が有ると言う事なのね!!じゃあ私って別の世界に来ちゃってるって………事だよね。」


頭の片隅に薄っすらとそうじゃないかなぁ………って思ってた………だってそれ以外に説明出来ないもんね………。

結構な精神的ダメージを受けつつも荷物を抱えてリビングに戻り水を飲む………。 ダメだ…やる気が出ない………。今日はもう休もうと、ベットに潜り込みシクシクと泣きながら眠りについた。


次の日、眼が覚めると泣きながら寝たせいか顔がパリパリして気持ち悪い、ボーっとしながら顔を洗って水を飲んで果物を齧る。

………はぁ。………泣いたって仕方がない、生きなきゃね………。

私、立ち直りだけは速いのよ!っと気持ちを切り替えてポシェットを腰に結んで家の周りの探索に出かけた。


探索を続けながら6日目を迎えた頃には、ちょっとした野生児に成れたのではないかな!そして何となく理解した。ここ……無人島だよね………。

地図を開きながらここかなぁ?と考えてみる。エルジア島と書いている所じゃないかな。でもこの印は何だろう? エルジア島に8つに伸びた星の様な印が付いている。 

やっぱり誰か人を探さないと…。 他に手掛かりがないかと階段下の収納部屋に行ってみる、何かないかともう一度見渡していると、端の下の方に箱が置かれている。確認しようと近づいて行くと、 カッ と音がする。

あら?っと床に手を着くと何か取っ手のような物に気がついた。


「床下収納も有るのか!」 っと小さな扉を持ち上げると、石階段が下へと続いている。中は真っ暗で床は見えない…。

一度リビングに戻り、前回発見したランプをどうにか点けようと奮闘すること数十分。 ほんわりと照らしてくれるランプに ホッ としながら、床下収納へと戻りゆっくりと下へ降りていった。


思ったよりも長めに降りた先に割と短めの通路がありその先に扉が現れた。


「シェルター的な物?ワインとかの貯蔵庫とか?なんでこんな所に作ったのかなぁ?」


っと疑問に思いながらも扉を躊躇なく開けてみた。


ガチャ ギィ−


っとちっちゃな音を鳴らしながら開いた扉の先には、茶色の髪に水色の瞳のオジサマが驚いた顔でこちらを見ていた。  

まさかの人の存在に私も驚愕の顔で見つめ合う事数分。 いや、数秒かなぁ。 

眉間に皺を寄せながら、驚きから立ち直ったオジサマが口を開いた。


「そこに扉は無かったはずだけど、どうやってここに入ってきたんだ」


「えっ………。えっと、その………。私にも何が何だか解りません。 えっと、床下収納への階段を降りて、扉を開けただけです………。」


「何を訳の解らんことを…。(ボソボソ)」


オジサマがが何か囁いたあと、私の両手両足にスルスルと紐が伸びてきて、あっという間に縛られてしまった。


「さぁ話してもらおうか、何処から入り込んだんだ?どうやってその扉を繋げた?」


「いや!だから床下収納への階段を降りて、扉を開けただけなんです!!ここが何処かも解りませんしなんでこうなったのかも私が知りたいぐらいです!!」


オジサマの瞳が何となく光ってる様に見えて背筋がゾクゾクして気持ち悪い、暫くじっと私を見据えていたオジサマが、何かを考えているような仕草のあと、ふぅ と息を漏らす。


「嘘では無さそうだな、君は誰だい?ここはペトナムト王国にある魔法研究塔ペンダムだよ」


「魔法研究塔………。あの…私、中川莉瑠と言います。貴方は魔法使いさんですよね。…あの…助けて下さい。」


私は必死に今日までの事を伝えて多分別の世界から来てしまった事、本当に何も解らないので助けてほしい事を切実に訴えた。何故かこの人を逃すと終ると私のカンがビンビン反応しているのだ!

やっとこさ人類が登場しました。まだまだ先は長い。

一歩進んで二歩下がる。書いては消して時には全消去で呆然としながら書いております。


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