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1.新入生歓迎会 前編

「七海、遅えぞ!」

 5限終了のチャイムも鳴り終わらないうちに、隣から呼びかけられる。ついでにかなり強めに肩をどつかれた気もするが。


「そんなでかい声で喋りかけなくても聞こえてるよ。ていうか今授業終わったばっかなんだし遅いもなにもないだろ。」

 授業終了5分前には荷物をバッグに仕舞い終え、ソワソワしながらチャイムを待っていたこいつは鶴田優希ツルタユウキ。入学式で隣になり、向こうから急に声をかけてきてから仲良くしている友人だ。


「これから新入生歓迎会だろ? どうせ俺ら手伝いあるんだから早く行って1年の顔見に行ってやろうぜ!」

 どうやら朝からずっとソワソワしていた理由は、今日から入ってくる新入生が気になって仕方なかったからのようだ。


 専門学校の2年生になった自分たちは、下級生との交流を目的とした毎年恒例の新入生歓迎会の役員に選出されてしまった。ぶっちゃけいうと、自分はあんまり実行委員とかまとめ役とかは面倒なのでやりたくはないのだが、いつも一緒にいる優希に巻き込まれる形で任されてしまうことが多い。


 優希に急かされ、荷物をまとめて教室を出る。こんなに急いでも、新入生は会場の準備ができるまで10分ほど教室待機なのだからまだ誰も来ていないと言うのに。


 歓迎会の会場である講堂につくと、既に会場準備はほとんど終わっていた。歓迎会中の裏方や司会を務めるメンバー以外の同級生が何人か昼休みに駆り出されていたから、おそらくその時に机や飲み物を準備させられていたのだろう。

 自分たちも急いで来たつもりだったが、他のメンバーはほとんど集まっていた。


「今日は待ちに待った後輩たちの歓迎会だ! お前ら全力でおもてなししてやろうぜ!」

 メンバーを会場の前に集めると、優希が少々物騒にも聴こえる号令をかける。メンバーもメンバーで、これから魔物の討伐にでも行くのかと言う勢いで「おー!」だとか「やってやるぜ!」だとか各々騒いでいる。

 歓迎会担当の先生も、去年一年でこのノリにもなれたと言わんばかりに少し遠くから見守るだけだ。


「お前ら〜、気合入れるのもいいけどそろそろ準備始めないと一年来ちゃうぞ〜!」

 このメンバーの中では明らかに浮いている自覚はあるが、圧倒的なツッコミ不足解消を名目に何かと引っ張り出されているため、こういう場をまとめるのも慣れてきてしまった。それもこれも隣にいる友人のせいだ。


 遠くから見ていた先生も、落ち着いたのを見計らってか、いつの間にかこちらに来ていた。


「それじゃあとりあえず点呼してから今日の流れ確認するぞ。えー、司会の・・・」


 やっと自分の仕事を始めた先生を見てとりあえず一息つく。けどなぜだか少し、嫌な予感がしていた。

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