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天才王女は、移民問題を解決します①

昨日、シュレディンガーの猫さんから感想を頂きました。Thank you for impression!



明日、どうやら台風が襲来しそうですよね……しかもポンコツ筆者、野外作業をしなければならなくなる可能性が非常に高いという……

体力のなさに自信と定評のある筆者、もしかすると明日は死んでしまうかもしれません(大げさ)


ないとは思いますが、もし更新されない場合は『筆者は風で飛ばされたんだな!』と思っていただけると幸いです。いや、頑張って更新しようと思っていますが。



それでは皆様、本編どうぞ!

「お嬢様、住民課の方から報告書が上がってきております。いかがいたしますか?」


「ありがとう、ミリダ。今見るから頂戴な」



 商会からの報告書に目を通していた私は、手元の書類に付箋だけ付けて脇に退け、ミリダが持ってきた書類に目を落としました。


 住民課の官吏たちには戸籍調査を命じていましたが、それも滞りなく進んでいるはずです。そんな彼らが報告書を上げてきたことに一抹の不安を感じつつ、内容をざっと目で追います。



「……お嬢様、どうかなされましたか? 表情が曇られたように感じましたが……」


「すっかり失念していたわ……ついに、移民問題が表面化したと住民課から報告が上がってきたのよ」



 王国は今まで、乏しい資源と厳しい環境のために国民が流出していく傾向にありました。有能な学者、大商人などは王国に家は持っていても、実際に住んでいるのは帝国や共和国という生活を送っていました。


 しかし近年の王国の躍進、そして帝国の情勢不安によって王国へ移住を希望する人が住民課に殺到しているらしく、判断しかねているとの報告だったのです。



「移民問題、ですか。お嬢様は常々、『王国には人材が不足している』と仰っていたので、移住希望者が増えることを喜ばれると思っていたのですが?」


「少しならね。もちろん、移民が増えてくれれば労働力は格段に増えるし、住民が増えるのだから当然税収も増える。全く王国にうま味がないわけじゃないのよ。

 けれど、問題も付いて回るわ。国内の治安悪化や雇用格差なんかが主な問題だけど、そもそもウチには移民に対する明確な法律がないの。さてどうしましょうか……」



 とりあえず、法整備は早急に進めないといけないわよね。細部は法務課に任せるとしても、大枠ぐらいは決めておかないと……


 こんなことで悩むようになったのは、間違いなく王国が成長していることの表れなのよね。街に出た時に共和国の商人たちが言っていたけれど、ウチが民にとって住みよい国になりつつあるのは間違いないわけで。

 であれば、私も頑張らなきゃいけません。



「ミリダ、法務課の人間を一人呼んで頂戴。今から枠組みだけでも決めようと思うの。

 ああ、ケーネとお父様には私から声をかけておくわ。最初は少人数で話した方がいいでしょう」


「分かりました。すぐに手配いたします」



 私の言葉を受けて、すぐに部屋を飛び出していくミリダ。立ち代わりで入ってきたケーネに法務関係の書籍や文献を書庫から持ってくるように伝え、私はお父様のところへ向かいます。



「お父様、移民について少しお話が。お時間よろしいでしょうか?」


「ああ、問題ない。そろそろ来る頃かと時間を空けておいた」



 そう言いながら立ち上がるお父様。手には何やら書類を抱えておいでです。



「お父様、その書類は……?」


「ん、これか? これは私なりに、移民に対する新法の枠組みをまとめたものだ」



 事も無げに言い放つお父さまに、私は驚愕の色を隠せません。どんな情報網を持っていたら、そんな予知じみた行動がとれるのでしょう……?



「お、お父様。どうやって王国に移民者が殺到すると予想なさったのですか……?」


「予想したわけではないよ。経験則として、栄えている国には移住者が殺到するものだと知っていただけだ。エレナたちのおかげで王国はどんどん住みやすくなり、逆に周辺の国々は情勢が乱れたり伸び悩んだりしているだろう? 少なくとも帝国からは、相当数の移住希望者がやってくると考えていたよ」



 な、なるほど……参考になりますね。


 私もそれなりに政務を上手くやれていると自信がついて来たのですが、このあたりの先読み能力はまだまだですね。



 自分の未熟さを痛感しつつ、私たちは執務室へ向かうのでした。

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