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お嬢様はお母様に助けられます

昨日の更新から本日の更新まで、計10件の誤字報告を頂きました。全部目を通し、そのすべてがこちらのミスと判明して顔から血の気が引きました……誤字報告をしてくださった方、本当にすみませんでした!


いやあ、誤字脱字には気を付けているつもりなんですが無くなりませんね……PCの変換が悪いのか、ポンコツ筆者の脳みそが悪いのか……多分後者ですね()


そんなポンコツ筆者ですが、これからも感想や誤字報告などはどしどしお待ちしております! いや、誤字はしないようにします!


それでは、本編どうぞ!

「ねえケーネ、私街に行きたいわ」


「おい、とんでもなく唐突だな。一体どうしたんだ?」



 王宮の執務室にて。夜更けに二人でせっせと書類仕事を片づけている最中、私の口をついて出たのはそんな言葉でした。


 口にするつもりはなかったのだけど、今更訂正するのもおかしな話よね。私は作業する手は止めず、そのまま口を開きます。



「いや、前々から行きたいと思っていたのよ。最近バタバタしていて言い出せなかったけれど、やっぱり為政者としてみんなが何を考えて日々を過ごしているのか知るべきだと思うの」


「それは分かるんだが、行くにしても仕事がなあ……こんな書類仕事ぐらいは俺たちの方で片づけられなくないが、『王女』という立場が必要な仕事だって立て込んでるだろ?」



 ケーネの言葉に、私は傍らに置いたスケジュール帳をちらりと見やります。そこには乱雑に書き込まれた会談、商談の予定が所狭しと並んでおり、前倒しできる量を超えているのは火を見るよりも明らかです。


 特に帝国ともめ事を起こした後、周辺諸国や諸侯たちがピリピリしていて会談の量も増えてしまいました。



「そう……難しそうね。やっぱり忘れて頂戴」


「あらエレナちゃん。私がいるじゃない」



 唐突に私の名を呼ばれ、慌てて手を止めながら入口の方を向きます。そこには書類を抱え込まれたお母様が立っていました。



「お、お母様⁉ 書類なら私が持ちます故、言いつけてくださればよかったものを」


「いいのよ、私よりもエレナちゃんの方が忙しいんだから。

 それより、街に行きたいって聞こえたのだけど?」


「はい、行くことが出来れば嬉しいな、と。ですが仕事も立て込んでおりますし、何より今は諸外国も緊張しているはず。そのような時に街へ出るなど、危険極まりないとは思うのですが……」


「つまり、仕事を肩代わりしてくれる誰かがいて、なおかつ優秀な護衛がいればいいのよね?」



 そう言いながらにっこりと笑みを浮かべるお母様。確かにそうなのですが、そう上手くは———



「会談、面談の仕事は明日一日、全てお父様がなさるとのことよ。商会の代表者との打ち合わせだけ、エレナちゃんに任せると。

 そして護衛だけど、ケーネ君とミリダちゃん、そして私が一緒に行くわ。これなら問題ないでしょう?」


「お母様が直々にですか⁉ いや、確かにそれなら安心ですが……お母様はよろしいのですか?」


「ええ、そのために予定を空けたもの。久しぶりにエレナちゃんとゆっくりお買い物したいし」



 そこまで手を回しておいででしたか……お母様も相当忙しくなさっているはずですから、相当前から計画してくださっていたのでしょう。

 書類作業は前と後ろにずらすとして、直近で抱えている仕事で他人に任せられないものは幸いにもありません。



「……では、お願いできますか? お買い物というよりは、市井の声を聴きに行くという感じになるとは思いますが」


「もちろん、エレナちゃんが見たいものを見て、聞きたいことを聞けばいいわ。私は、ただの護衛だもの」



 いたずらっ子のような笑みを浮かべるお母様。そんな顔をして、お願いを聞かない人間がこの地上にいるんですかね……?



「ケーネ、とりあえず商会の方に会談を明日の朝一にずらすように伝えてきて。あとミリダに、私の目立たない服を用意するように伝えておいてね。

 お母様、申し訳ありませんが明日は昼前ぐらいからの出発になりそうです。よろしいですか?」


「もちろん、じゃあ、私の方も用意しておくね」

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