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王国側は襲撃に備えます

昨日、シュレディンガーの猫さんと文月さんから感想を頂きました。Thank you for impression!


感想を頂いたにもかかわらず、所用で感想返信が激しく遅れてしまいました。御二方、本当に申し訳ありません!(スライディング土下座)


しかもこのポンコツ筆者、右ひじから上を痛めてしまいました。詳しいことは活動報告の方に書いたのですが、キーボードを叩くのですら激痛が走る状態なのです。書き溜めていた分を更新しているので、おそらく毎日更新には穴をあけないのでは……と予想しております。平日になれば病院に行ってきますね!


それでは、これからもよろしくお願いします!

「まったく、レーナにはいつも驚かされるな」


「あら、貴方だって私があそこで怒ることぐらい予想していたでしょう?」



 お母様の微笑みに、お父様が苦笑しながら頷きます。


 会談の後、私たちは療養地の端に建てられた別荘へ帰ってきていました。先ほどの会談内容を帝国側と調整し、きちんとお互いの代表者が調印するのは明日の正午と取り決めたので戻ってきたのです。

 まあ、あれだけの交渉を口約束で終わらせるわけはありませんからね。



「お母様、あの場でのお怒りはどこまで本気で……?」


「9割以上本気よ? もちろんあの空気を打開したいという打算はあったけれど、打開する方法なら他にもいくらかあったもの。それこそ、お父様が発言なさるのを待っていてもよかったわ。

 けどね、可愛い娘に怖い思いをさせておいて、あまつさえしらばっくれようとしているなんて……って考えたら、ふつふつと怒りが湧いてきちゃったのよ」


「な、なるほど……私もイラっとしたのですが、皇子たちはただ交渉に来ているだけで、真に責められるべきは大臣なのかな、と考えてしまって。だからあの時、強気に出られなくてお母様のお手を煩わせることになってしまいました」


「エレナちゃん、それは違うわよ」



 私の言葉を、お母様は首を横に振りながら否定します。



「確かに皇子たちはエレナちゃんに直接被害を与えたわけじゃないわ。でもね、だからと言って彼らに責任がないわけじゃないのよ。

 一国の代表として、部下のしたことに責任を持てないなんて話にならないわ。もしそうだというのなら、彼らは帝国の主にふさわしい器ではなかったということ。同情はするけれど、容赦は出来ないわね」


「確かに……そうですね。私も肝に銘じておきます」



 お母様にしては珍しい苛烈なお言葉ですけど、それだけ大事なことなのでしょう。お母様も私に説明すると同時に、ご自身にも言い聞かせているように見えます。


 やっぱり、こういう『為政者としての心構え』のようなものはまだ私に足りていないのかもしれません。一朝一夕にどうにかなるものではありませんけど、早く身に付けないとですね。



「だが、これで懸念材料が増えたことも事実だ」


「お父様? どういうことでしょう……?」



 私の質問に、お父様はペンを走らせながら答えます。



「もともと帝国側は今回の会談に活路を見出してきていた。だがその目論見も外れ、国に帰れば非難の嵐が待っているという状況。エレナよ、弱ったネズミを追い詰めすぎるとどうなる?」


「捕食者のネコに、噛みつく……?」



 私の言葉に、お父様が重々しく頷きます。



「恐らくだが、今晩あたりにでも何か仕掛けてくるはずだ。直接的な襲撃も十分にありうる状況だからな……一応、これが襲撃予想図だ。みんなも確認しておいてくれ」



 お父様が手渡した地図には、予想される相手の人員や装備、襲撃経路などが細かく書かれています。今の状況を予想してあらかじめ情報を集めておられたのだとしたら、空恐ろしいほどの推察力ですね……


 うちのメンバーで情報に強いミリダ、アンネもお父様と同意見のようで、各人が集めていた情報と照らし合わせながら頷いています。



「最優先は皆が無事に切り抜けること、次に優先するのは調印書類を強奪されないようにすること。屋敷は壊してもすぐに治せるが、この2点だけは何としても守り抜かねばならん。総員、気を引き締めておいてくれ。

 もちろん、何もしてこないという可能性も大いにある。だが、未だに何の動きもない大臣も不気味だ。対策しておいて損はないだろう」



 お父様の言葉に、部屋にいる全員が頷きます。


 私たちは、今ここで襲われるわけにはいかないのです。

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