お嬢様は秘書と侍女から怒られてしまいます
昨日1日で高気圧の世界最高記録に迫りましたね。
明日ぐらいからはこのネタも引っ張れないのか……何か良い案があれば、どなたかご教授くださると幸いです(おめめぐるぐる)
はい、結論から申し上げまして、ケーネたちとは何の障害もなく再会できました。さすがに地下水路までは大臣も気が回らなかったらしく、ただただ走って抜けられたので、予定よりもかなり早く合流できました。
しかし、スティアー卿の邸宅に到着してからが本当に大変だったのです。
というのも……
「お嬢様、何でそんな危ない橋を渡ったのですか! しかも地下水路を抜けてきたなんて、旦那様がお聞きになったらどれほど心配することか!」
「一国の姫がハニートラップまがいの作戦を立てるなんて、さてはエレナ、お前はバカだな? そんなもん、そこにいるメイドにでもやらせればいいものを……」
「そうですお嬢様! そのための私たちじゃ無いですか!」
「いや、そのためでは無いと思うけれど……」
ケーネとミリダから矢次ばやに叱責されているのです。周りの侍女たちも口こそ挟みませんが、二人の意見に頷きながら答えているので周りに味方がいません。むしろ、ベックの根城にいた時の方が味方に囲まれていたかもしれませんね。
「まあ、そう言ってやるなって……姫さんもお前らのことを心配したからこそ、そういう危ない選択をしたんだろうさ」
さすがは既婚者 、女性の心をよくわかってるじゃない! ほら、その調子でもっと言って———
「そんなことはあなたに言われなくてもわかっています! その上で『危ないことはしないでくれ!』と言っているのです!」
「だいたい、テメエはどこの誰だよ? ドヤ顔でエレナのこと、分かったような口聞いてやがるとぶっ飛ばすぞ?」
「なにこの二人怖ええ……」
やっぱり無理でしたか……いや、二人の怒りはもっともです。そこまで私のことを心配してくれるなんて、少し嬉しくなってしまいますけどね。
「今回のことは、素直に私が悪いと思うわ。みんな、心配かけてごめんなさい。
次からはちゃんと相談して計画するわね」
「ええ、是非ともそうなさってください。もちろん、今回のような危ない作戦は却下させていただきますけど」
「ふん、エレナは自分の立場と容姿にもっと自覚を持った方がいいと思うがな。まあ、あらかじめ相談してくれれば俺らで最悪の状況は回避できるからな。まだ救いがあるか」
どうやら、二人とも許してくれるようです。昔から、二人ともなんだかんだ私には甘いのです。
まあ、そんなところが大好きなのですけど。
「じゃあ、私はこれから卿に挨拶をしてくるけど、みんなはこれからの動きとかわかってる?」
「ええ、命令があればいつでも出られるように準備しております。そうよね?」
「ああ、問題ない。エレナと貴族の話が済んだら、俺たちも出るってやつだよな」
さすがに挨拶もせず出て行くのはマナー違反にあたるでしょうし、先日お食事会のお誘いをいただいたのにいけなくなってしまいました。ミリダやケーネが一応事態を説明してくれたとのことですが、やはり一言告げてから去るのがベターというものでしょう。
というか、邸宅を貸してくれたお礼も言わなきゃですね。ああ、言わなきゃいけないことがたくさんあるじゃないですか……一人で挨拶に行ってもいいのですけど、ケーネあたりについてきてもらいたいところですね。
「ねえ、ケーネはこの後予定ある? その、何か準備しなきゃいけないものがあるとか……」
「そうだな……道中で襲われた時のために武装を整えるとか。まあやることがないわけじゃないな。いきなりどうしたんだ?」
「いや、ケーネにも付いてきてもらえたら……なんて思ってるんだけど、忙しいなら———」
「いいえ、お嬢様はケーネと一緒にご挨拶へ行っていただいて構いません。武装の準備などは私の方で手配しておきます」
珍しく私の言葉を遮って、ミリダが勢い込んで前にズイズイ出てきました。一体、どうしたというのでしょう?
「そ、そう? ならケーネ、一緒に来てもらえるかしら?」
「まあ、それなら構わない。じゃあ、早いとこ終わらせるか」




