表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/188

幕間 野望と罠と不意打ちと

昨日は更新できなくてすみませんでした……とっても忙しかったんです!(言い訳)


そうそう、感想をくださった『シュレーディンガーの猫』さんと『田中』さん、本当に

ありがとうございました。Thank you for impression!


さあ、令和最初の感想をくださるのはどなたでしょう!(味をしめたのです)

「失礼致します」


ゆっくりと置かれる紅茶。カップの中には薄桃色の紅茶が湯気をあげています。独特な香りと紅茶の色から、この辺りの産地ではない高級品なのでしょう。

 カップを置いたのは、黒髪に彫りの深い顔が美しい少女。しかし、その一糸纏わぬ裸身には幾筋もの傷跡が生々しく残っています。


 それもそのはず、この国では『黒髪』の人間は被差別人種であり、迫害の対象でしかないから。



「……服を着せないとは、いささか悪趣味ではないですかな?」


 初老の男性が、眉をひそめながら口を開きます。きちんと着込まれた軍服には無数の徽章がぶら下がっており、彼が相当に地位の高い人間であることがわかります。


「何を言うかね。こやつらは生まれながらにして奴隷となるべき人種。そんな輩に同情心など、酔狂の極みではないかね?」


 キンキンと甲高い、耳障りな声が応じます。だらしない体躯に、趣味の悪い宝飾品の数々——悪名高い、この国の大臣でした。


「しかし……いえ、今はいいでしょう。例の計画、準備は完全に整いました。あとは王女一行の到着を待つばかりです」


 その言葉に、大臣は口もとを歪めながら嗤います。


 まるで品位や品格が感じられないその姿に、さらに初老の男性の眉間にしわが増えます。


「そうかそうか……あの王女がこの地を踏んだが最後、あやつは私の手中に落ちるのだ……今から楽しみで仕方ないな」


 そう言いながら、傍に立つ少女の体を無遠慮に撫で回します。少女は嫌悪の表情を浮かべ、初老の男性は怒りの表情を浮かべます。


 しかし、上機嫌に語り出した大臣は気づくことなく、さらに高い声でわめき散らします。


「あの王女、以前見たときから手に入れたいと思っていたのだ。あの生意気そうな表情を絶望に染めて、その様を隣に立つクソ犬にも見せてやらねばな。主の思わぬ姿に、発情してしまうかも知らぬが。

 そうは思わんか? ドランよ」


 ドランと呼ばれた初老の男性が、ため息まじりに答えます。


「……それは悪趣味を通り越していると、前にも忠言したはずです。企みが表に出れば、間違いなく国際問題ですよ?」


「バレるはずもなかろう。仮にバレたとしても、すべての責任を第二皇子に被せれば解決するであろう? あの愚昧な男も、儂の役に立てて幸せに違いない」


 あまりに不遜すぎる発言に、場の空気が凍り付きます。


 それもそのはず、この国で皇族を馬鹿にする発言は死罪に当たるからです。


「何を恐れる? 皇族が何だ、儂に逆らえる人間などこの世に存在しないのだ。違うか、ドラン?」


「……いえ、私には何も。それより、約束は守っていただけるのですね?」


「ああ、今回の働きは見事だった。約束通り、貴様の娘だけは解放してやろう」


「話が違うではないですか! 妻も解放していただけると……!」


 ドランが椅子から立ち上がり、掴みかからんばかりの勢いで大臣を怒鳴りつけます。


 しかし、大臣の表情は冷ややかなものでした。


「ふん。今解放すれば、計画を途中で邪魔されるやもしれんからな。我が手中に王女が落ちれば解放してやる。

 恨むなら、帝国軍の司令長官でありながら自分の家族すら守れん自分を恨むんだな」


 大臣の言葉に、ドランは歯を食いしばりながら耐え忍びます。ここで彼が暴れれば、眼前のクズは何のためらいもなく妻と娘を殺すことがわかっているからです。


「さあ、わかったら早く次の段階へ計画を進めろ。失敗すれば、どうなるかわかっているな?」


「……御意に。失礼します」


 バンッ! と乱雑に閉められるドア。


 このときはまだ、エレナはこのような計画が進んでいることを知らない。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ