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番外編:とある天才商人の恋路①

「よし、これで終わりかしらね」



 部下から渡された書類に目を通し、サインをさらさらと書き込んだ私は大きく伸びをします。エレナちゃんのように音を立てることはしないけれど、こうして一仕事終えた後に身体をほぐすのが気持ちいいのよね。


 しばし目をつむり、身体と頭をクールダウン。午後の私に訪れる、至福の時間。


 王宮に行けばミリダが淹れてくれる紅茶で疲れを取ることが出来るんですけど、ここではないものねだりなので仕方ありません。何とか編み出したリラックス法が、瞑目して頭を椅子にもたれかけさせることだったのです。


 はぁ。今頃エレナちゃんたちはどうしているのでしょうね。私と同じように青い空を見上げながら、三人で他愛のない話でもしているのでしょうか。私も、できることなら混ざりたいな……もしかして、今日なら急ぎの用事もないから王宮へ顔を出せたりするのかしら⁉


 そんなひそかな希望を切り裂いたのは、部下が持ってきた一報でした。



「会頭、御客人来ておりますがどういたしましょう?」


「今、この場所に? アポイントも無しに来る無礼な来訪者は、エレナちゃん以外さっさと追い返しなさいと言ってあるでしょう?」



 シャルル商会の会頭という立場上、私へ会談を申し込む人間は多いのです。中には約束も取り付けず、こちらの予定も考えないままに押し掛けるアホも居るので、『あらかじめ予定を取り付けていない訪問者は追い返す』が商会内の暗黙の了解になっていました。


 しかし私の言葉に、部下が困ったような表情をさらに深めて口を開きます。



「我々もお帰りいただこうと説得したのですが、何分相手方の御身分が特殊でして……そのう、もしかすると王女殿下にゆかりのある方かもしれないのです」



 エレナちゃんに関係のある人物? ウチへ突然やって来ても門前払いされず、あまつさえ部下はその人物に対して敬意をもって接している……一体、どんな人なのかしら?


 しばし逡巡して、はたと心当たりにたどり着きます。ほぼ同時に部下の口がゆっくりと開き、私が思い当たった『いやな予感』を言葉にしてゆきました。



「いらしているのは、元ロレンス王国第一王子、プレスト・ロレンス様でございます……」



 以前エレナちゃんに求婚し、あえなく散った愚か者。失脚し、今は表舞台から消えたはずの男の名が、部下の口から飛び出したのでした。

という訳で、番外編はアンネのお話になります! 作中でも最強の人気を誇る少女ですからね。ちょっとスポットを当ててもいいのかな、と。


更新時間なのですが、もしかすると番外編なので前後にずれるかもしれません。嘘です。後ろにずれるかもしれません。


その時は『更新まだかな?』と心穏やかにお待ちいただけると幸いです(いやほんと、最近多忙が極まりすぎてて……どうぞご容赦くださると……)


それでは皆様、もう少しよろしくお願いいたしますね!

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