DG6 044 育成パーティー
サトシ「姫以外はまだ小粒だ。軍隊の100人長程度の強さしかない。将軍や俺には全員でタバになっても敵わないだろう。手っ取り早く強くなるのは強敵を殺すことだ。よって強力な魔物討伐クエストをこなす。重ねて言うが無理はするなよ。前線は俺や桜田姫が担当する」
レン「私もお守りしたいです!」
サトシ「その超重そうな鎧着てもタフネス1368だからな。普通の矢ならはじくが、バリスタなら貫通しちまう程度でしかない。過信するなよ」
レン「サトシ様は軽装ですよね」
サトシ「当たらなければどうということはない」
レン「カッコイイです!」
サトシ「他人のセリフだよ。実際は盾呪で防ぐことが多い。つまり鎧より魔力ということだな」
レン「魔法は…苦手なんです」
サトシ「苦手でも魔力を吸収する際に、勝手に上昇するものだ。術習得の素質には大きく差が出るが、魔法強度は自然と上がるから深く考えなくていい」
レン「わかりました」
サトシ「1年後には異世界の技術を使ったアーマーを持ってくるさ。軽くて強い。タフネス2000は上がるだろう代物だ。それを量産する体制も作る予定だ」
レン「異世界の技術、ロストテクノロジーですか?」
サトシ「ああ。似たようなものだな。それ以上だが」
レン「凄いです! 楽しみにしています」
サトシ「ああ。だからそれまでに死ぬなよ」
レン「はい!」
サトシ「といっても、そうそう強敵クエストなんて湧いてないんだよな。中級でも繰り返すか。アンサンプル!」
アンサンプル「はい!」
サトシ「シバキは今東京開発で忙しい。アスカや他の将軍は前線の調査や訓練に行っている。だから冒険者ギルドとの斡旋契約とクエストのとりまとめ、北条学園とのクエスト選別を任せても大丈夫か?」
アンサンプル「はい!お任せください。サポートにリサとサキアを借り受けたいのですが」
サトシ「好きな奴を使っていい。任せる」
アンサンプル「早速行ってきます」
サトシ「姫、転移呪を教える。他の者もセンスがあれば今の段階でも使えるようになるだろう」
桜田姫「一瞬で移動できれば便利よの。原理はどうなってるのじゃ?」
サトシ「イメージした空間との交換だよ。重ね合わせるわけじゃない。一方的に原子核を重ね合わせるなんてことが出来たら、核爆発が起きちまう」
桜田姫「核爆発?意味がわからんが」
サトシ「精神世界でも物質界と同じ常識もあるってこった。まー、ゆっくり教えるよ。難しく考えなくていい」
パルル「サトシさまー、訓練じゃ強くなれないんですかぁー?」
サトシ「ああ。全然強くならない。技は磨けるが、魔力は吸収してナンボだからな。だから強敵を殺すのが一番早い」
パルル「ううー。殺さないとダメなのれすね」
サトシ「俺の元居た世界じゃマナがあふれててな、強力なモンスターが腐るほど湧き出る場所があったんだが、この世界にはないらしい。あれば一番なんだがな」
パルル「強い敵ですかぁー。負けたら死んじゃいますよね?」
サトシ「だから転移呪で逃げるし、サーチ君で強さを測る。これルール1と2な。もっとも場所によっては転移呪どころか、魔法そのものも使えないし場所が存在するし、封魔呪を使われたり転移の形跡を辿って追ってくる場合も想定しなきゃ生きていけない。あとは悪運次第だな。結果的に強くなる奴は悪運が強いんだよ。そういう奴は絶対に死ぬ場面でも死なない。修羅場話を聞く分にはご都合主義にしか聞こえないが、実際そうなんだから仕方ない」
パルル「はーい。わかりましたぁー」
サキア「転移はできましたが、消耗が凄い術ですね。1度で倒れそうになってしまいます」
サトシ「お、できただけ上等だよ。強くなれば連発もできるようになる。もっとも今の俺でも1日10回程度が限界だが」
サキア「術の錬度を上げても、使用制限は変わらないのでしょうか?」
サトシ「威力や速度は上がるが、仕様マナは変わらない。転移呪の場合は距離が変わる。だが総魔力を上げた方が早い」
サキア「わかりました」
リン「もう学科、しない?」
サトシ「そうだな。教師の能力も1500前後だし、俺と冒険にでるから実地になる。学科といえば基本的な用兵は教えたわけだし、政治学は趣味だな。独学でわからないところは俺やシバキ、アスカに聞くといい」
リン「了解、した」
サトシ「あと重要なこと。ヒーラーでも前衛の近くに居なきゃだめだぞ? 敵を倒した際の魔力吸収がなくなっちまうかなら。あ、習ったか」
リサ「皆、心得ております」
ヒメリア「前衛は苦手ですが、忘れず心がけます」
サトシ「よし。候補生20人と姫と俺で狩りにでる。これ以上だとコテージが足りないからってのもあるがな(笑」
桜田姫「そういえば、男はサトシのみなのかえ?」
サトシ「そうだな。1番の理由としては、戦場に華が欲しいからだ。2番目は好きになれる相手に厳選したまでのこと。好きな相手の方が、守りたいって気が湧くだろ?」
桜田姫「我には男も女も大差がないからの、男にも化けられるが」
サトシ「いや、その必要はない。そのままでいてくれ。まー、町中じゃなければ、本来の姿でいてくれても構わんけど」
桜田姫「うむ。わかった」
メイシャ「え、姫さんって化けてるの?」
桜田姫「我はもともと大蛇じゃ」
メイシャ「大蛇?変化の術ってことですか?いいな、覚えたい」
桜田姫「うむ。難しい術ではない。教えよう。何かになりたいのかえ?」
メイシャ「一度鳥になってみたかったんです」
桜田姫「鳥になっても飛べるとは限らんが」
メイシャ「努力します」