DG6 032 SSランクハンター
シバキ「町や砦の名前、覚えないとね。めんどくさいけど」
サトシ「必要ないだろ。番号でいいよ」
シバキ「いらない?」
サトシ「この国だけがターゲットじゃないんだ。いちいち覚えてたらキリがない」
アスカ「設定ばかり集めても楽しくないもんね」
サトシ「設定?何のことだ」
アスカ「冒険のよ」
サトシ「俺は単にな、」
アスカ「はいはい。わかったから」
サトシ「そうか」
アスカ「それで、次はどうするの?」
サトシ「さっきの北地点まで飛んでコテージで休む。朝になったら8000に仕掛けに行く」
アスカ「首都防衛隊から出た8000よね。強かったりしてね」
サトシ「勝てなきゃ逃げればいい。転移呪で単身追ってくる将なんていないだろ?」
アスカ「それはそうだけど」
シバキ「サトシは緊張感が足りないのよ」
サトシ「慎重になれってか?父さんや母さんが聞いたら笑われるぞ」
シバキ「あの人達は特別でしょ」
サトシ「あー、まーな。確かに」
アスカ「元祖Sランクハンターだもんね」
サトシ「同じSランクなんだけどな」
アスカ「タダシおじさまはSSよ」
サトシ「そうだっけ?あれ、父さんってどこかの世界を平定してたのか?」
シバキ「してるわよ。とっくの昔に」
サトシ「ずっと魔界でニートしてるから知らなかったぜ」
シバキ「あー、言ってやろー」
サトシ「止めてください。事実だが」
シバキ「まあ、そうね」
サトシ「SSって核兵器使用権あるんだよな?」
シバキ「うん。あるよ。持ってないけど」
サトシ「聞いたことないもんな。Sランクだとずっと思ってた」
シバキ「S以上は極秘事項だもん。人に話すことじゃないわ」
サトシ「息子でもか?」
シバキ「サトシと違って常識人なのよ」
サトシ「ちょ、ま、あの親が常識人だと?」
シバキ「うーん、まあ、そう言われると自信がないけど。少なくとも三大兵器に興味は持ってない人達よ」
アスカ「シバキはタカさんに弟子入りしてたのよね?あの人ってスリーエスだっけ?」
シバキ「そうね。無制限権限者。最高ランクのスリーエス。それ以上のランクはないわ」
アスカ「Sランクとの大きな違いってあった?」
シバキ「とくに感じなかったけど?発想は変人ね。とても真似できない」
サトシ「何の話してたっけ?」
アスカ「首都防衛の8000が来るって話」
シバキ「タカさんの話はまた今度ね」
サトシ「そうだな。ゆっくり話すか、とりあえず転移して寝よう」
アスカ「OK」
サトシ「そういやよ、疲れたら寝るってのも不便だよな。魔界じゃ回復陣で済んだことだし」
シバキ「地球なんて、ここより食事と睡眠がキツかったのよ?それに比べたらマシでしょ」
サトシ「地球ねえ、俺ら魔界人だからわかんねえ」
シバキ「私は嫌いじゃないよ。食事も睡眠も」
アスカ「シバキはお酒が好きなだけでしょ?」
シバキ「うーん、そうだけど」
サトシ「あれのどこが美味いんだか」
シバキ「味よりも、酔う感覚が気持ちいいのよ」
サトシ「マズくて、酔うどころじゃないけどな。麻薬じゃダメなのか?」
シバキ「それ、物質界の負の遺産じゃん」
サトシ「色々あるだろ種類」
シバキ「サトシはやったことあるの?」
サトシ「何種かあるけど、ハマらなかったな」
シバキ「そういうことよ。必要ない者には必要ないモノってこと」
アスカ「お酒はいいんだ」
シバキ「相性みたいなものじゃない?」
サトシ「アル中になるなよ?」
シバキ「解毒呪が効くから平気よ」
サトシ「毒ってことだけどな(笑」
シバキ「それは、まーね(笑」
アスカ「そういえば先日面白い夢見たんだけど」
シバキ「夢覚えてるんだ。どんな話?」
アスカ「サトシが何百人もの子供作ってる夢」
シバキ「マジで?」
サトシ「おいおい、俺アスカとそんなに子供作るのか?」
アスカ「私じゃなくて、いえ、私ともつくるんだけど、何百人もの妾がいてね」
サトシ「あー、将候補生か」
シバキ「やっぱり愛人目的でボツボツ言ってたのね」
サトシ「う、バレてた?」
シバキ「サトシの考えって常識外よね。タカさんと近いものを感じる。父さん母さん似ではないわね」
サトシ「一夫一妻って地球の常識だろ?自分の世界にそんな不幸なものは作りたくないね」
シバキ「アスカはいいの?」
アスカ「うーん。独占したいなんて、それも地球の常識で残るエゴじゃない?」
サトシ「愛があればいいんだよ」
アスカ「やっぱり何百人も子供作る気なのね?」
サトシ「そうなるなら、そうなる」
シバキ「サトシの愛って、エロイだけじゃないの?」
サトシ「失礼な(笑」
アスカ「まあ何人も愛せるって言うなら、私が止めることじゃないと思う」
シバキ「アスカがいいなら、別にいいけど」
サトシ「愛があるからセックスがあるんだぜ?俺はセックスが先じゃないからな」
シバキ「はいはい」
アスカ「ところで、アシャルとタシャルはもう抱いたの?」
サトシ「え?…まあな」
アスカ「ふう。やることやってるじゃない。いつの間によ」
サトシ「だって同じ"まおー館"に暮らしてるじゃねーか。風呂で会ったらヤルよ」
アスカ「そのために大浴場に設計してたのね」
シバキ「アスカの夢は正夢確定」
サトシ「さすがに一発妊娠はないだろ、一人目の子供はアスカが生んでくれ」
アスカ「真顔で言われると、なんかね」
サトシ「何だよ?」
アスカ「別にいいけどさ」
シバキ「キモオタ童貞腐女子ニートに一言どうぞ、サトシ」
サトシ「ん? 同じ人間なんだから楽しめよ。つまらないことでグチるな。世界を楽しめ」
シバキ「楽しめない人はどうするの?」
サトシ「別に恋愛セックスが世の中のすべてじゃないだろ。美人ブサイクも世界のすべてじゃない。カネにしたってそうだ。世界はカネを中心に回っているなんてただの幻想だよ。楽しいことを探せば、いくらでもあるはずだ」
シバキ「以上、世界を楽しんでいる楽観論者サトシでした」
サトシ「楽観論者で悪いか?」
シバキ「べつに」
サトシ「何だよ、はっきり言えよ」
アスカ「もう寝ようよ」
サトシ「そうだな」