DG6 028 強襲
シバキ「奇襲?」 モグモグ ゴキュゴキュ
サトシ「そうだ。砦は近いからな。さーっと行って、数を減らして、恐慌状態にしておけば本体の消耗も回避できるだろ」
村長「そんなことが可能なのですかな」
サトシ「俺たちは一騎当千だからな。3人いれば容易い」
シバキ「まあ、やるってんなら付いていくけどね」
サトシ「決まりだな」
アスカ「出鼻挫かれる敵さん可哀そうね」
シバキ「どうせならさ、噂も流しておけば効果数倍になるんじゃない?」
サトシ「そうだな。 降伏するものは兵士として差別なくとりたて、抵抗するものには死神となり、その命を刈り取る。カナン第二の剣…か。こんなところでどうだ、村長?」
村長「そのような噂を流せばよろしいので?」
サトシ「できるか?」
村長「交易が盛んですから、噂を流すのは容易いことです。効果が出るまでは時間がかかると思いますが」
サトシ「いや今後の布石さ。最初の奇襲に間に合わなくてもいい。明日にでもすぐに攻めるからな」
村長「わかりました。今日中に進めておきましょう」
アスカ「明日もまた忙しくなるわね」
サトシ「そうだな」
アスカ「学院の生徒たちはいつ出す気なの?」
サトシ「まあ2、3国潰してからだろうな」
アスカ「そんなに後なんだ」
サトシ「世界地図見てみろよ。カナン以外に12国もあるんだぜ? ノーブル連邦とやらを州でバラせば17にもなる」
アスカ「そう考えると十分かな」
サトシ「だろ? 十分布石になってるさ」
アスカ「OK じゃあお休み」
サトシ「ああ。お休み」
...
アスカ「おはようシバキ」
シバキ「おはようアスカ、村長さん」
村長「おや、サトシ殿は?」
アスカ「朝には弱いんですよ。そのうち起きてきますから」
村長「そうですか。噂の件ですが、すでに隣町と砦に十分伝わるよう早馬を出しましたぞ。砦ではさぞかし浮足立っておるでしょうな」
シバキ「仕事が早いわね」
村長「若い頃はこれでも軍人でしたからな」
シバキ「強かったのよね。わかるわ」
村長「いやいや、お恥ずかしい。存分に食べてくだされ」
アスカ「ありがとう」
サトシ「おはよう」
アスカ「やっと起きてきた。噂もう広まってるってよ」
サトシ「早いな。じゃあ行くか」
アスカ「ちょっと、朝食は?」
サトシ「パンだけでいい。走りながら食うさ」
アスカ「あ、そう。道中林ばかりだから気をつけてね」
サトシ「おう。オープン」 パシュン
ブルンブルン ブオー
サトシ「距離は?」
アスカ「約2000、トップの強さは攻撃5681魔力2415タフネス4623 ナンバーツーはいないわね。兵士で第二位が攻撃1206魔力516タフネス1133、兵数9253」
シバキ「なめられたものね」
サトシ「だな。いっちょ派手に燃やすか」
アスカ「2時の方向に距離120斥候4」
サトシ「OK 行ってくる。陰呪」
パスン パスン パスン パスン
サトシ「解呪。クリアだ」
アスカ「前進ね」
シバキ「作戦は?」
サトシ「ビビらせるのが第一だからな。ハデに行こうぜ」
シバキ「OK」
サトシ「よし、散開」
タッタッタッ
サトシ「大爆破呪!」 ドッカーン
シバキ「大爆破呪!」 ドッカーン
兵士A「敵襲ー!敵襲ー!!」
兵士B「敵はどこだ!?」
兵士C「見えません。姿を隠しつつ魔法攻撃をしている模様!」
兵士B「隠れるだと?少数だとでもいうのか」
アスカ「大火炎呪」 ボワッー
兵士D「火が出たぞ!消化班いそげ!」
サトシ「丸焦げか。そっその方が楽そうだな。大火炎呪」 ボワーッ
兵士A「正面はもうダメだ。裏手に回れ。矢だ、矢を射ろ!」
ピュンピュンピュンピュンピュンピュン
サトシ「盾呪」 カンカンカンカン
シバキ「大火炎呪多連」
ゴーゴー ゴー
兵士E「火の手が早いぞ。ゴホッ!ゴホッ!」
サトシ「魔術師足りないんじゃねーか? よく燃えるな。大火炎呪。もういっちょ大火炎呪」
兵士F「消化が間に合わない!出れる兵は打って出ろ!」
アスカ「マトじゃん。大爆破呪」 ドォーン
兵士たち「ぐあああぁっ!!」
サトシ「そろそろ潮時か。特大拡声呪」
サトシ「砦のミツマタ軍に告ぐ。俺はカナン第二の剣、北条家当主、北条サトシだ。砦はすでに我らの手によって落ちた!逃げ場はない!!降伏するならば火を消そう。討ち死にしたければ砦とともに朽ちろ。返答は砦の屋上に白旗を掲げれば降伏とみなす。将が屋上に出るならば、一騎打ちも受けるぞ」
アスカ「いいの?結構強いんじゃない?」
シバキ「しかも全然砦落ちてないし(笑」
サトシ「いいんだよ。ハッタリも有効な手段だ。加速呪、強化呪、防魔呪、飛行呪」
将「ミツマタ第4軍が指揮官、クリミヤである!一騎打ち受けて立つ!大将自ら一騎打ちとは愚かなり。北条サトシよ、その首置いていけ!」
サトシ「んー」
カチカチカチ
サトシ「本物はどこだ、お前じゃねーな」
将「何を、愚弄するか!」
サトシ「まあいいや」
ヒュー ストッ
将「今だ撃て!」 ザァァァー
サトシ「すげえ矢の雨。盾呪」
シバキ「またあんな戦い方を...」
アスカ「魔力がなかったら、とっくに死んでるよね」
サトシ「お前らの答えを確かに受け取った。皆殺しだ!」
将「な、効いていないだと!?」
サトシ「桁違いの攻撃は無効なんだよ。毒矢でも爆発矢でもな。大爆破呪!」
ドォーーン
クリミヤ「ま、待て!私が指揮官のクリミヤだ。だまし討ちの件は詫びよう。この戦ぶり、敵ながら見事だ」
プルプルプルー
サトシ「今度は本物か。で、降るのか? 焼け死ぬか、選べよ」
クリミヤ「今一度の一騎打ちを申し入れる。私が負ければ兵は降伏させよう。それでいいな?」
サトシ「上等」
サトシ「盾呪広域全開」
ドォーン ドンドンドン
サトシ「今度は魔法兵の狙撃。これもお前の指示かい?」
クリミヤ「バケモノめ!いくぞ!!」
サトシ「なんか興ざめした。もういいやオープン」 ガチャ
ドドドドドドドド ドドドドドドドド ドドドドドドドド
クリミヤ「あびゃびゃびゃびゃ」
シバキ「対人で重機関銃だす?エグいわね。吹き飛んでるし」
アスカ「それだけ怒ったんでしょ、珍しく」
シバキ「結局、混乱させるどころか敵将撃ち取れたけど、どうなるのかしら」
サトシ「お前たちの将軍は死んだぞ!今から2万の兵がこの砦を囲む!!素直に降れ」
兵士「うおおおおオオオー!」
サトシ「ち、そんなに士気が高いのかよ。大爆破呪!」
兵士「に、逃げろおおー」
サトシ「逃げ道はねーって。大火炎呪多連」 ゴーゴーゴーー
シバキ「そろそろ魔力切れするけどね」
アスカ「もう一歩だと思うんだけどなー」
サトシ「ふう。予想外に耐えるな。本当に本隊の到着を待つか」
兵士A「俺は焼け死ぬなんてごめんだ。誰か白旗、白旗もってこい!」
兵士B「とりおさえろ!!」
兵士A「嫌だ!降伏すれば生かしてくれるって言ってるだろ!」
兵士C「デマに決まっているだろうが!暴れるな、コイツ!」
兵士D「ぐああああ」
兵士E「ギャー!」
サトシ「静かになったか」
シバキ「内部分裂かも。隊長クラスでロクなの居ないんじゃないかしら」
アスカ「1万もの兵が居ても?」
シバキ「だからこそよ。ナンバーツーは1000オールぐらいだったでしょ。将軍のワンマン部隊だったってことじゃない?」
サトシ「当初の目的は達したが、なんかしっくり来ねーな」
シバキ「戦争だもん、これ」
サトシ「まーな」
シバキ「あ、白旗あがってるよ」
サトシ「よし。拡声呪。"降伏の意志は受け取った。今から消化する!もう少し耐えてろ!"」
シバキ「最後の仕上げね」
サトシ「広域雷雨でいいか?氷河呪であれだけの火を消すのはダルい」
アスカ「OK サトシ起点できる?」
サトシ「苦手なんだよ。シバキ頼む」
シバキ「はいはい。んじゃいくよ。集中してマナ渡して」
シバキ「広域雷雨呪・強!!」
ザァーーーーーザーーーーーザーーーーー
ザァーーーーーザーーーーーザーーーーー
兵士F「恵みの雨だ!」
兵士G「何て奴等だ、これも全部魔法なのか?」
兵士H「どうなるんだろうな、俺達」
兵士I「敵兵が見えないんだが、一体何人いたんだ?」
兵士F「知らんよ。けど負けたことは確かだ」