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始皇帝記 ~DG6~  作者: 小泉るか
デモゲ6-1
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DG6 095 統一された世界

リサ「ピョリス王の指南役に就いた剣士の話は事実でした。定期的に開催する武芸の催しがあるようですね。そこで腕前を披露したようです」


サトシ「催しか。それまで待つのは面倒だなー。とりあえず強さを測ってから出方を決めるか」


リサ「わかりました」


シグレ「宿はとりました。あちらです」


サトシ「サンキュー。それにしても毎日移動ばかりじゃ飽きるなー」


リン「移動、だけ?」


サトシ「いや、夜は楽しんでるけどさ。緊張感がない馬の移動ばかりじゃ疲れるだろ」


レキア「タダシは転移呪での移動がクセなだけでは?」



サトシ「そりゃ便利だからな。そもそも馬だって使う文化はないんだよ。バイクか車だ。あ、乗ったことないか」


レキア「話には聞いています。電気で動く乗り物だと」


サトシ「よし。明日は馬を預けて車で移動するか」


リサ「警戒される危険があるのではありませんか」


サトシ「前線と首都以外なら大丈夫だよ。馬車みたいなもので、中の人間は見えないからさ」


リサ「馬は後日回収ですね」


サトシ「それぐらいの転移呪なら俺一人でもできる」


レキア「大丈夫です。転移呪は魔法が不得意な私でも覚えています」


サトシ「しかし連発はキツイだろ。訓練にはなるから、使いまくった方がいいんだけどな。俺もここのところ使ってないがなー」


レキア「もう京都をでてから15日ですもんね」



サトシ「そんなになるか。けっこう経ったよなー。ピョリスとミウの建物もずいぶん見慣れた気がする」


レキア「そうですね」


リン「トイレが慣れない」


サトシ「あー。それはあるな」


リン「不衛生」


サトシ「制圧したら大幅な工事が必要だな。水回りは全部ダメだ。トイレ、風呂、台所、全部改修するとなると結構な量だ」


リサ「コテージは凄く衛生的ですからね」


サトシ「そりゃ魔界式だからなー。というか魔界にはトイレの必要がないから地球式か。ここでオープンするわけにもいかないが、明日は中間地点だしコテージで寝るか」


リン「嬉しい」


シグレ「街は街で情報収集はできますけどね」


サトシ「聞きたいことは大方聞いたろ。文化、勢力、配置、政治まで。あと聞いておかなきゃいけないことって何かあるか」


シグレ「そうですね。王と皇帝、それに側近の性格を調べておきたいところですが」


サトシ「それぐらいはぶっつけだな。今までもそうだったんだ。何とかなるさ」


リン「シバキさまは調べてた」


サトシ「調略するから必要だったんだろ。俺なら直接会って話す」


リン「でも、今は身分隠してる」


サトシ「あー、そうか。直接話せる立場じゃないな。敵でも仲間でもないんだもんなー。どうするかね」


レキア「相手の強さ次第、ですよね?」


サトシ「そうだな。今考えても仕方ない。とりあえずメシ食って寝よう」




リサ「何を考えていらしているんですか」


サトシ「んー。何も考えてないよー。あえて挙げるとすれば、気持ちよかったなーとかそんな余韻を楽しんでるぐらいか」


リサ「不思議です。男性は事後すぐ寝ると話を聞いていたのに、サトシさまはまったくそんなことがない。いつも初めてのように愛してくださるのが」


サトシ「普通はそうらしいな。疲労感が凄いとか。俺は一切ないからさ」


リサ「昔からなんですか?」


サトシ「そうだな。満足感や達成感はあるけどさ、疲労感は来ないな。来たとしても活力呪で回復できるだろ。すぐ寝るなんて失礼じゃないか?何よりもったいない(笑」


リサ「私も嬉しいです。憧れの方とこうして側にいれるのが」


サトシ「憧れかー。ベルグに来るまでは別の意味でしか受けたことがない感情だよ」



リサ「別の意味、ですか?」


サトシ「憧れというより、畏怖や近寄りがたい存在ってな。最高ランクハンターだし、一緒に旅をしてた親もそうだからさ。知ってたら話しかけられないレベルなわけだよ」


リサ「ハンターの概念は授業で聞きましたが、実感がありません。サトシさまは第二のカナンの剣として有名になり、皇帝になったお方。私にとってはそれが第一です」


サトシ「そうだな。ベルグでハンター制度をとっても合わないわな。認知されるまで何年かかることか。そもそも無理だろうな。傭兵か将軍になっちまう」


リサ「兵士であり治安部隊であり指揮官であり、政治家でもあると聞きました。何が一番違うとお考えですか」


サトシ「カネの違いかな。魔界ではカネが重要じゃない。ベルグでは重要視されているから、カネが欲しくて強くなるなら傭兵になる。名声が欲しいか野心がなければ、指示されるだけの将軍になる。ハンターってのは守ることも攻めることもあるが、従属しているわけじゃないんだよ。簡単なルールを守るだけで、あとは放任されるのが基本だ。召集されることすらない」


リサ「自由なんですね。それで国家が成り立つというのも驚愕ですが」


サトシ「国家の存在意義がベルグと違うからなー。すでに統一された世界なんだよ。争う敵がいないんだ。それに自己完結していて外からの援助を必要としない。だから自由にできるし、認識や統治する世界を増やしていくこともできるわけだ」


リサ「土台も文化自体もまったく異なるんですね」



サトシ「魔界の前にあたる地球では、ベルグにとても似ていたらしいよ。シバキやアスカみたいに詳しくないけどさ」


リサ「地球から魔界への移住をしてから、そんなに短期間で文化は変わるものなのでしょうか」


サトシ「ベルグが今一気に変わってるだろ。それと同じようなもんじゃね。シバキいわく全然違って、多大な労力と指導力があったらしいけどなー」


リサ「そうすると、激変にはシバキさま以上の政治能力があったということでしょうか」


サトシ「私は足元にも及ばないって言ってたけどな。詳しい話は本人に聞いてくれ(笑」


リサ「そんなに偉大な方がいるんですね。とても考えられませんが」


サトシ「そうか、軍師専攻って理由よりも、自分の世界のことだもんな。詳しく聞いておきたいのは当然かー」


リサ「サトシさまは世界に興味がなさすぎなんですよ(笑」


サトシ「興味はないけど、話は嫌いじゃないぜ。知ってる範囲は何でも教えるよ」


リサ「ありがとうございます(笑」

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