反論
「今俺の耳にはおかしなことが聞こえたな。何で魔王城に禁書庫がありその中に禁呪が発動できその媒体が魔王の心蔵って知ってんだ?そのレベルの情報が分かるなら何故魔王を殺さない?」
確かに望月の言うとおりだでもそれはたった一文で捻り潰されるだろう。
「過去の勇者もそうだったのだ。それが出来ないと言う事はお主らは勇者では無いと言う事だ。」
いや魔王の先祖返りの可能性は無いのかよ。いやそれはファンタジー小説に慣れ親しんでいる男にしか分からないはず。その男たちは異世界に来れたことで喜んでいる。
ここで俺まで動いて後に変な事に遭ったら不味いだろう。望月には悪いがこのまま扇動役になって貰い学校の全員をまとめ上げて貰おう。
「成程な。・・・でさっきから何かしようとしているみたいだけど?」
今のトーンは間違いなく挑発か張ったりだろう。収録をいつも見させてもらっているので声のトーンの使い分けを見抜いたり完全記憶能力があるので分かる。隣の本業の方も同じ様に感じたのか黙ってどう行くかを見守っている。
「いやただお主のその堂にいった立ち振る舞いからどんな人間かを見ようとしただけじゃよ。」
いやコレは嘘だ。今さっきの目は確実に何かを仕掛けようとした目だ。いや鑑定眼の可能性も捨てきれん。
「なら良い。」
そう言い望月は下がる。
『システムの最適化を完了。ユニークスキル を発動。これにより全ての制限が撤廃されスキルの獲得条件が緩和されました。』
『 言語理解 文芸神の加護・寵愛を受けました。』
「さてとそろそろ本題に入るとしよう。この世界はアルンダと言い魔王と魔族によって人々は脅かされている。でそれを阻止するためにお主たちを勇者として呼んだ。お主たちは元の世界では戦う力が無いのかも知れんがいま勇者としているお主らのステータスはこの世界の一般兵士の何倍もあるはずだ。」
なるほど。本当にそっくりに発言してくれる。
何でかは知らんが今のメッセージも一部違う所もあるが気にしない。ただ一つ俺はこの世界を書いた。もしくは俺が想像した異世界に似た場所なのかも知れない。
「シュウ・・・流れた?」
「あぁ。ほぼ似た感じだがそもそも前提条件が違うから何も言えない。」
「実は私もなんだ。システムウィンドのログが流れたの。」
やはりこの世界はなにかを隠蔽している気がしてはならない。