001未来の世界へ
作者のアイです。
帝国皇帝を打破した主人公は、どうなってしまったのか?
そのお話です。
休止状態になってから、3時間ほど経過した。
『再起動可能なエネルギーが、回復しました。
休止状態を解除します』
回復? あの空間で、回復できる要素はなかった筈だが?
仲間が救難信号を受信して、助けに来たのか?
パワードスーツ内の回復した、モニターに映し出された、周囲の状況を見て愕然とする。
要塞内部にいたはずが、草原の中にいたからだ。
空には恒星の明かりが届いていて明るい。
どうやら、恒星の光の波をパワードスーツのナノマシーンが、エネルギー変換して回復したようだ。
パワードスーツに内蔵されている人工頭脳に、動揺しながら現状の説明を求める。
【帝国皇帝のシステムを、破壊後の状況を説明してくれ】
『破壊のための転送を実行した際に、転送後にゲートを閉じる為のエネルギーが不足。
転送に巻き込まれ、ランダムで転移されました』
周囲を見ると草原の中にゲートが開きっぱなしで、円形の虚空を覗かせている。
ゲートは一方通行のため、こちらから戻る際は再度ゲートを開かなければならない。
ランダム転移で、この広大なブラックホールや恒星が存在する宇宙空間で、何処かの星の草原に転移するって、どれだけの幸運だったのかと考えながら、開いたままのゲートを閉じる。
これから連邦の残存部隊と、どうやって合流するかを考える為に情報を集める事を考えて、パワードスーツに情報を求める。
【周囲の情報を提示】
『大気の状態、窒素が70.08%、酸素が20.95%、アルゴンが0.93%、二酸化炭素が0.03%、 水蒸気は場所により最大4%で残りはナノマシンが8%前後。
気圧は現重力で1.1気圧』
【大気中に、ナノマシン?】
そんな、惑星の大気を知らない。
疑問に対してパワードスーツが回答する。
『可視光線を反射せずに、ステルス性に特化した浮遊ナノマシンが存在しています』
私の知識では、大気に、そのようなナノマシンを含ませる実験が、あったのは知っていたが、実用化されている事は知らなかった。
パワードスーツの人工頭脳に再度調べさせる。
【浮遊しているナノマシンを解析】
『解析を始めます。解析までに時間がかかります』
装備しているパワードスーツには、周囲の電波や光をエネルギーに変換して、蓄積するシステムが組み込まれている。
時間によって貯蓄されていくので、仲間に合流する為のエネルギーが貯まるまで周囲を散歩してみようと考えて、パワードスーツを戦闘モードに変形させる。
【元の場所への、転送に必要なエネルギーを計算してくれ】
混乱がひどい、転送元に戻ってから考えようと計算を頼む。
『不可能。時間を戻る事は出来ません』
「へ?? ええ?!」
私の混乱が加速する。
頭の中にランダム転移に関する、情報が思い出される。
転送システムで設定できる内容は座標だけだが、稀に未来の座標に転移してしまう例外がある事が過去の履歴にあった。
すぐ戻るつもりだったので聞かなかったが、まさかと思い、確認の為にパワードスーツに聞いてみる。
【現在は何年で此処は何処だ?】
『空の星の位置から計算します。
宇宙暦13427年、帝国管理番号17号惑星 地球。
転送元は宇宙暦345年、帝国要塞内部中枢』
「どんだけ未来!」
思わず声をあげてしまった。
まさかの、転送ゲートの閉じ忘れによって、人類発祥の地球に、座標未指定のランダム転移してしまい。
まさかの、例外の未来へ、タイムスリップしているは......
未来に転移してしまった主人公!
元の世界に戻れるのか?
未来の地球は、どうなってしまったのか?
次回へ!
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人物紹介
主人公
ジェス・クロード
連邦軍所属 パワードスーツ部隊のエースパイロット
19歳?
男性 身長170cm
黒髪で黒目で顔は平凡な顔立ち
パワードスーツの戦闘訓練ばかりしていたため、他の事は、全て常識がない。ランダム転移で遥か未来に漂流する。同僚の中では、パワードスーツオタクで有名。生まれてから宇宙で過ごしていたので、パワードスーツ無しで地球の重力下では、初期は歩く事もできない。