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012転移魔法とレールガン

作者のアイです。


討伐開始なお話です。

 ラクアと合流して荷車の端にラクアを乗せた後に、私が引っ張っていく。


「歩かないで、乗ってて良いんですか?」


「大丈夫だよ」


 1人で楽をしているので、ラクアが申し訳なさそうにしている。

 街の入り口までたどり着く。


「職人騎士さんじゃないですか! いつも助かってます!

 この前は、壊れた石塀の修理で大変助かりました!

 あんな速度で大きな石を運んでくる人を初めて見ましたよ!

 石の大きさ調整でパンチで砕いた時には、感動しました!

 相変わらず非常識な事してますね!!」


 門番が尊敬の眼差して見つめる。

 非常識って……大型の荷車をフルプレートアーマーの甲冑が引いてたらそう思うだろうな……何かの罰ゲームを実行している様に見える。


「今日は、初めての討伐に行こうと思ってます」


「職人騎士さんなら凄い物を討伐出来ると思います! お気をつけて!」


 元気よく送り出してくれた。


「ジェスさんって非常識だったんですね。確かに格好から非常識ですね……中身のギャップも……外と中身で体型自体違うし……」


 昨日に出会って、既に非常識な扱いをしてくる様になってしまったか。

 そのうち名誉挽回しようと考える。


 《地球の首飾り》の衛星で地上を検索しワイバーンらしきモンスターを探す。

 依頼書に場所の指摘があった山脈の付近に見つかったが、ここから徒歩で2日はかかりそうな場所で道もなかった。


 距離と座標を計算して、往復の転送にかかるエネルギーを計算すると、余裕で足りるエネルギーがあるので一気に行こう。

 人気がない森に入り込む。


「人気が無い所に連れ込んで何をしようとするの!」


 鎧の中身を知ってるラクアが冗談でからかってくる。


 初めは大男だと思って緊張と警戒をしていたが、フルプレートアーマーの中身が、細身の弱そうな男だと知ってから緊張がなくなってきた。

 まぁ、歩くのがやっとでヨレヨレしてるからなぁ。

 個人的は警戒されるよりも、こちらの方が嬉しい。


「転移魔法が使えるのだが、内緒でお願いしたい」


 真実を語ったところで、この世界の人は誰も信じないだろうと思い、ありそうな事を言って誤魔化してみた。


「剣士で魔法使いって凄い! ジェスさん良い意味で凄い人だったんですね!」


 理論上出来るはずなので、大気中のナノマシンを右手に集めて転送装置を作り出す。

 空中から靄のようなものが、収縮して形を作っていく。

 想像以上にすんなり、成功した。


 大気中のverが高いナノマシンだけあって性能が格段に上がっていた為、昔の大きさよりも小さく、杖の様な形状の大きさで、作り出すことが出来た。


「ど、どっから出したんですか?」


「ま、魔法ですよ、魔法!」


 ラクアに見られていて慌ててフォローする。


 早速、衛星からの座標情報により転送先のゲートを開く。


「へ!! 凄い! 無詠唱!!」


 ここの世界では、詠唱したキーワードでナノマシンが対応する様だ。

 私の場合はキーワードなど知らなくても、パワードスーツのver3.5ナノマシンの上位権限で大気中のver9.3ナノマシンに直接干渉出来るので、チートレベルの何でも出来てしまうわけだ。

 考えたらステータスのプレートともver9.1だから偽装が容易だな。

 トラブルになりそうな情報は早めに偽装しておこう。


 目の前に荷車が通れる程の虚空が現れる。

 空いたゲートに荷車にラクア乗せて突入する。

 抜けると背後にゲート残っているので閉じる。


 転移してすぐに、上空から羽ばたく風切り音がする。


「ジェスさん! 上!」


 上を見るとワイバーンと思われるモンスターがいた。


「ラクア、あのモンスターはワイバーンであってるか?」


「すみません! ワイバーンって初めて見るんでわからないですが、空飛ぶ竜って事は特徴はあってると思います。

 というか、ワイバーン討伐なんて聞いてないです。

 初めてって聞いてたからゴブリンやスライムだと思ってましたよ!」


 涙目でラクアが怯えている。


 自分の縄張りに突然出現した大型荷車に戸惑ってるワイバーンが、ラクアを食料と認識したのか襲ってきた。


 ラクア目掛けて一直線に、飛行してきた。


 背中に背負っていた、大盾を左手に持って、割り込んでガードする。ワイバーンの頭だけで1m近くあるが、大盾で噛みつきをガードする。

 ダメージ計算すると、皆無? 盾要らないのでは?


 右手を出して、噛みつかせて見る。

 装甲を噛み砕けず傷すら付かず、逆に牙が欠けていた。


 ワイバーンも脅威を感じたらしく、一度距離を取った。


 ワイバーンのあまりの弱さに大盾が要らない判断をしたので、大盾を全長3m程のレールガンに形状再構築させる。


「ジェスさんの盾が!形が変わった!」

「ま、魔法ですよ! 魔法!」

 なんでも魔法で誤魔化すのも無理がありそうだな。


 キュイーン....


 構築後にレールガンにエネルギーが供給されて甲高い耳鳴りしそうな音がする。


 標準を合わせて一発。


 パッン!!


 弾丸が音速の壁を破り、それ以上の加速をする。

 ソニックウエーブで周囲を破壊という形で巻き込みながら、ワイバーンのど真ん中にヒットした。


 頭と翼の端っこと尻尾以外、全部飛散する!


「うあぁ! 威力高すぎたか! 確か頭持っていけば、討伐証明になるはずだからセーフだな」


「非常識! 何ですかその魔法!」


 ラクアの叫びが、山脈の山々をこだまする。

過去の装備は、過剰火力のようです。


ここから様々な謎が解けていきます。


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用語説明


レールガン


物体を電磁誘導により加速して撃ち出す装置である。なお、電磁気を使う投射様式全般の呼称としては、電磁投射砲やEML 、電磁加速砲などがある



転送装置


それ自体が移動する事なく、物体を瞬間的に遠隔地へ送り届ける装置である。物質転送機など作品によって名称が違う場合がある。転移する為には、多くの環境条件と膨大なエネルギーを使用するため安易に移動は出来ない。

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