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000帝国皇帝の最後

はじめまして、作者のアイと言います。

この度は、この物語を読んで下さってありがとうございます。


主に主人公の視点のお話になりますが、読みずらい点などありましたら、ご感想などお気軽に書き込みください。


さて、今回のお話は物語の前置きになります。


処女作の為に誤字や矛盾があるかもしれませんが、最後までお付き合いして頂ける事を祈りつつ。

『目標地点到達まであと50秒』


 パワードスーツの、人工頭脳(エーアイ)のアナウンスが響く。


 無重力下で大きめな通路を、背中のランドセルと言われる部位に、ついているブースターで移動して、要塞の最深部を目指している。


 身長170cmの私が、全身を覆う液体金属のナノマシンで構成されたパワードスーツによって、宇宙空間で活動できる。


 パワードスーツ自体は身長2.2mほどの人型で、二足歩行ロボットの様に見える。

 自分の動きをトレースして、思いのままに動くことができる。


 数十年に渡る帝国と連邦の星間戦争が、終わろうとしている。


 人が生存可能な惑星が10個以上消滅し、帝国と連邦の人口が半分まで、減少していた。


 帝国の中枢である直径18kmの球体宇宙要塞に、帝国皇帝が存在するメインシステムを要塞内部から破壊する為に連邦軍の全勢力を集結した作戦中である。


 数十万隻いた連邦軍の艦隊も、要塞迄の道のりで大半が大破し、潜入部隊であるパワードスーツ部隊も、要塞内部の中枢システム内に侵入するまでに私が最後の1人になってしまった。


 通路を抜けて、広い空間に出た。


 マップを確認するとここが、目的地である事がわかった。

 周囲は中枢システム内部のため、5mほどの正方形の電子回路が網の目のように繋がって連なっている。

 その隙間を縫うように前進しさらに中心部を目指す。


 あと10分程で、5分前に破壊された要塞内部の防御機構中枢が、ナノマシンにより再構築れる。

 再構築されれば防衛システムが再起動して、私は一瞬で排除されるだろう。


 防衛システムと連動していない一部の防衛装置が、稀に攻撃してくるが、余裕を持って躱しながら進んでいく。


 脳に埋め込まれたインプラントチップから脳波によってパワードスーツに命令することがと可能になっている。

 残りの使用可能な武装が気になるので、質問する。


【使用可能の武装を表示】


『ありません』


 回答がスーツから戻ってくる。


 使えなくなった、手に持っている弾倉が無くなった大型のランチャーを捨てる。

 ここに辿り着くまでに、全武装を使い切ってしまっていた。


『目的地に到達しました』


 スーツが電子的な感情のない声で、私に教えてくれる。


 目の前に、直径10mほどの球体が浮かんでおり、球体から数百本のコードが、天井や壁など外周に伸びて刺さっている。

 表面に幾何学的な模様があり細かく点滅している。


「これが帝国皇帝の本体か?」


 200年に渡り帝国を支配している権力者。

 永遠の命と引き換えに、自分の全てを機械化し、肉体を捨てた存在。


【外部との通信は可能か】


 戦闘の判断は得意だが、処理対応の判断は苦手なので、外部に判断を仰ぎたかった。


『ジャミングにより、有線による通信以外は不可能。

 有線による通信は、接続可能ネットワークが無いため不可能』


 外部との連絡手段がないため、残りわずかの時間で自分で判断しなくてはならない。


「目の前の球体を分析してくれ」


 まずは、攻撃目標であるか最終確認しようと行動する。


 左手の指さきから、端末コードを出し球体に接触させる。

 パワードスーツからアクセスして、球体の解析が始まる。


『流体ナノマシンで構築されている

 強度7653 再構築速度9ms 再生産能力0.12ms

 最小思考値0.00112。

 多数個体の意識を認識。

 個体認識。

 帝国皇帝の意識体と、制御用の人工頭脳を確認。

 フィードバックで、こちらに侵入してきます。

 危険域に達しました。

 強制断線します』


 瞬時にパワードスーツの演算力を遥かに超えた、球体からのハッキングを受けてしまったが、物理的に接続を解除した。


 接続したコードが過負荷の高熱で融解するのを見ながら、パワードスーツに命令する。


【破壊する方法を検索】


『可能な方法があります』


【その方法を提示】


『対象物を恒星の重力圏内に転移させる。

 恒星の熱量によって融解させれば機能を停止させれます。

 対象物の転移成功率100%』


 方法が残っていることに感謝し、転送システムを利用して恒星に転移させるため、パワードスーツの形状を戦闘モードから変形させる。


 液体金属のナノマシンで構成されているパワードスーツの形状変化は、自由自在である。


 生体維持に必要な装甲を残し、ナノマシンにより、不要な装甲や兵器の金属部分の形状を液体にして、右手に移動した後に、移動した液体ナノマシンを利用して転送装置を右手に再構築する。


『球体を破壊可能な転移先の恒星重力圏内は、次の表示です。

 転送座標を指定してください』


 パワードスーツ内部のモニターに情報が表示される。

 要塞がある座標の1番近い恒星を選択し、実行キーを選択する。


 右手に構築された転送装置から、スパークが走り、皇帝の本体が少しづつ転送されていく。


 球体全部の転送が終了した瞬間に、パワードスーツからメッセージが通達される。


『エネルギー不足のため、サスペンドモードに入ります。

 生体維持に絞り、救難信号を出して待機します』


 エネルギー不足で動けなくなったが無事に球体の転移が確認出来たから上出来か。


 エネルギー不足になったパワードスーツ内部の周囲を映し出していたマルチモニターが消えて、暗闇になり無音となる。


 あと、僅かなエネルギーがあれば、こんな事にはならなかったと、その時の私は知るすべはなかった。

前置きが、ここで終わります。


全ての物語の発端になるお話です。

次から本編が始まります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

用語説明


パワードスーツ

ナノマシンの液体金属で構成されたスーツで、硬化や液状化など任意の形状へ変化が可能である。

制御用にコアとなる人工頭脳が組み込まれていて装着者のサポートを行う。

周囲の電波や光をエネルギーに変換して、蓄積するシステムが組み込まれている。


インストール

外部データを特定の物に適切に入力していく作業。


ナノマシン

原子レベルでの機械であり、分子構造などを変更したり構築、分解することができる小さなロボットの集合体。一体では、小さな力だが数が多いため大きな力を発揮することもできる。


人工頭脳(エーアイ)

計算機コンピュータによる知的な情報処理システムであって、思考する事が可能。

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