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~謎の少女Aとハルト1~

これは、よくあるTCGプレイヤー・・・、僕の話である。


TCGアニメだと、良くデッキトップが光るとか、カードの戦士が自分になるとか、世界を最終的に救わなきゃならなくなるとか、まあ色々あるけど、そんなんはまあ、アニメの主人公とかがやればいいわけで。僕らのようなモブみたいなのは、普通にカードを楽しんでればいい。

そういう風にさっきまでの僕は思っていたわけなのだけど…。


「うん。まあ、いつも通り、夢なんだろうけどさ…。それでも、大会出た後に唐突に異世界行くとか夢が唐突すぎるなオイ」


と、自分の夢まで現実的な否定をかけておく。僕は決して、頭がバグったような人間ではない。『デッキトップが光ってやがるぜ』とか『ファイナルターン!!』(このターンでお前に勝つ)とか言って負けていたり、もはや人語を解さないような人間ではない。たまに、大きな大会では人語を解さない《チンパン》や《ガイジ》←(僕が知っている限りでは蔑み用語?)がいるが、僕は決してそんなプレイをしていなかった。・・・と、思う。たまに言われる事もあるが、僕はたいして強くはない一般人だということで、極度のコミュ障でもある。どんなに頑張っても、人前に出ると顔が赤くなってしまって、どうにも頭が回らない。特にそう、女の子なんかに話しかけられたら・・・。


「あの・・・、大丈夫ですか?」


途端に熱風が僕の頬を突き抜けた。深く被っていたフードがふわりと、僕の肩に落ちる。

声をかけてきたのは、まさしく僕が最も不得意な人種である。そう、美少女だ。

ふっ。夢だ。

僕はそう再認識した。

僕のような気持ち悪いヲタに声をかける美少女などいるわけがない。

ましてや、猫耳フードを被った金髪碧眼の超絶美少女が僕の身を案じるなど・・・。

夢だ。早く寝て、起きよう。

しかし、一様に暑さも、ジリジリと焼いてくる太陽も夢にしてはやけにリアルだった。

美少女の顔や声もだが。

まあ、夢なわけだし、それなりにあるんだろうな。

もちろん、ラッキースケベだ!!


「たぶん・・・、ないと思いますよ?」


ふっ、案ずるな。僕は知っている。やけにリアルなこーゆー夢を見ている時は、飼い猫が口を塞いでいるっていうオチをな!!

さあ、ほらほら、ちっすのお願いをしてみるがいい。

僕はそんな破廉恥な事はしていないし、望んでいないのだから。


「ようこそ、この世界へ」

「・・・・」


破廉恥なちっすのお願いでもなんでもなく、美少女はニコリと微笑んだ。

田舎の祖母の家に帰ってきたような気軽さで、美少女は僕の事を異世界からやってきたのだと言った。

・・・。

・・・・・。

・・・・・・・。

はぁ?

あーあ。どうせ夢オチなんだろ。わかってるって。

心配するなよ、同胞。僕はまだ二次元にはいけないのさ。

僕はなるべく盛大にがなり立てる事にした。


「僕の主人公補正は・・・」

「それなり・・・じゃないですか?」


あーあ、夢の中で異世界にきてもそれなりの中級で、冴えないやつだよ。

大抵は主人公補正とかあって、魔法とか全部打ち消す左手とか、チート設定でなんでもできるとか、女神を冒険の仲間パーティにできるとかないの!?


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