由紀の波乱の恋愛ストーリー
由紀は焦っていた。
30歳を超えても、何ら今までと変わることのない生活を過ごすと思っていたが、それは大きな間違いだった。
今年の四月にいち早く30歳を迎えたが、周りからはまだ20代半ば、下手したら学生に間違われることが多く、年齢なんて関係ない、大事なのは見た目や中身だと思っていた。
しかし、、、
30歳を迎えた途端、元彼たちが次々と結婚していき、気づけば、自分は数少ないお一人様になっていた。
テレビなどでよく言っている、女友達が結婚した時、喜んであげたいが、羨ましい気持ちが上回る、ということや、先に行かれてしまったという焦りは今まで感じていなかった。
だが、自分の元彼たちが結婚したのは衝撃で、正直いつまでも自分のことを好きなんじゃないのか?と心のどこかで思っていたのだと気付いた。
そうなると、急に焦りを感じはじめ、由紀は婚活活動を始めることにしたのだった。
はじめ、由紀は婚活活動はそんなに苦労するとは思っていなかった。
何故なら、由紀はそこそこ美人だったのである。
由紀は、見た目は先に述べたように若々しく、髪は少し茶色がかっていて、肌も透き通るように白かった。
所謂、色素薄い系女子だ。
顔はどちらかというと日本人!といった顔で特に主張するパーツなどはないが、控え目で清楚な印象の整った顔立ちだった。
瞳の色は薄い茶色で、これまた、光にあたった時は、透けるような色をした瞳だった。
身長も高く、すらりと伸びた手足に、小さな顔がちょこんとあるような、所謂モデル体型だった。
容姿だけではない。
幼い頃から、ピアノ、英語、書道を習い、特にその中でも書道が得意で、由紀が書く文字はいつも人に褒められた。
性格も明るく前向きで、情熱的な性格でありつつも、サバサバしている部分もあり、女友達からはよく、男前と呼ばれていた。
こんな由紀だからか、学生時代は、中学生の頃から男の子と付き合うようになり、別れたとしても一ヶ月以内には次の彼氏ができていた。