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2話

 私はあんぐりと口を開けて自称神様を見る。ぱあっとした笑顔になってこっちを見るな。一人で行けば良いだろうに、寂しいのか?

「一応はそちらの条件を聞こうか。先に言っておくが私は高いし、了承しない可能性もあるからな」

「やっと聞いてくれるんだね、ありがとう。まずはお姉さんには、僕と同じような特別な存在になってもらおうかな。何でも手に入るよ?後はね、住む場所はここよりも豪華なお城なんてどう?でも小さい家もいいよね。仕事も選び放題だよ、悪の結社を創って世界征服だって出来る」

「奇声を上げる戦闘員を沢山雇うのは面倒だな。少年と同じような存在?世界を自由にできると?半分ってそういう意味か」

 聞き返すと自称神様はニヤリッと笑う。神様の癖に黒い笑顔だな。究極のチートだから面白そうではあるが、まだ足りないな。旦那さんに相談もしたい。

「さあ、お姉さんの希望を聞かせて。どうしても嫌であれば、元の世界で輪廻の流れに戻すから」


 転生を拒否できる、最低でも必要だった条件はクリアか。残りは旦那さんの事と、安全性だけになるが、通るのかな?

「もらえる恩恵はもらうとして、私には大事な人がいる。旦那さんも同じように転生は可能かな?可能だとしても、拒否されたら一緒に向こうに戻りたい。更には考えつく限りの能力を得た状態で契約かな。そして契約に際しては一切のペナルティーを排除する。どう?」

 契約した後で不利になるのは嫌だ。凄い力をあげるよとか、不可能はないよというのはダメなパターンである事が多い。

 前向きに考えているように見せかけて、実は達成困難な条件を出してやんわり断る。その辺りも密かに狙っている。

 そしてもしも通るのなら欲張りとしか言えない。我ながらすごい条件だと思う。最初から世界を自由に出来るのに、追加条件で無茶振りをするなんて。

 でも旦那さんがいないのに自分だけ生きていたくはない。どんなにチートでも色褪せちゃう。


「思った通りだね、すごく強欲で自分に正直だ。今までの人達はそこまでじゃなかったんだ。でも伴侶を一番に考えるのが意外かな。それこそ選び放題だよ?逆ハーレムだよ?やめて!そのカップはお気に入りだから投げないで、ごめんなさい」

 本気で泣きそうだったし、割れた場合はジョニーの仕事が増えるだろう。柔らかそうな肉球に怪我が出来る原因にはなりたくないし、そんな手間を増やすわけにはいかない。

「理解してくれたなら良いよ、それで回答は?」

 さっきと同じでニヤリッと笑って、手を差し出してくる自称神様。つられて私も手を出して握手する。

この瞬間に世界で一番悪いかもしれない、もしくは何も考えていない、そんな組み合わせが誕生した気がする。


「その条件でいこう、どうせ遊ぶのなら面白い方が良いからね。お姉さんは前世で我慢していたことを、全部叶えると良いよ。その旦那さんが理解を示してくれるように、お祈りしようかな」

「少年が神様だろう?誰に祈るんだよ。旦那さんについては私が先に話をするけれど、期待はしない方が良いよ。ある意味、似た者同志だったからね」

 途端にガックリと床に両手をつく自称神様。次に言うだろう言葉は何となく想像できた。

「説得するのに、同じ様な苦労をもう一回なんて嫌だあ!どうしてそんなに疑り深いのに、お互いは信じ合えるんだよう。何かがおかしい気がする!」

「似ているからこそ、居心地がいい場合もあるのさ。もう最期までラブラブだったもんね」

 自称神様はどうやら起き上がれなくなったらしい。何かを呟いているから、耳をすませてみる。

「甘ったるい、寒気がするほど甘ったるい…リア充どころかバカップルかも。人選間違えたかなあ」

 本当に失礼極まりないと思う。



「五号室のお爺ちゃん元気なくなったわね」

「先月に奥さんが亡くなったから…食事も半分以上残すから心配なのよ」

「仲が良すぎる場合は連れて行かれちゃうのかしらね。本当に仲が良くて奥さんのことが大好きだったわね、うちの旦那に爪の垢を煎じて飲むよう言いたいわ」

 やれやれ。思った通り周りに心配を掛けている。ホームの職員さん達には申し訳ないと思う。直接謝れないから、見えなくても頭を下げておこう。

 五号室のプレートの下に書いてある名前は、一人分になっていた。扉を開ける必要はないので通り抜ける。

 旦那さんは数少ない写真を並べてため息ばかり付いている、そんな風だから心配されるんだよ。でも少しだけ申し訳ないなと思う。


 生前の私は写真を撮られる事が大嫌いだった。記念だからという旦那さんからも逃げる程だったから。

寂しい思いをさせてしまうなら、我慢すれば良かったかも。そう思っていたら、一緒に来ていた自称神様に袖を引かれる。

「この人が旦那さん?ずいぶんお爺ちゃんだね」

「私もこのくらいだったよ。九十後半だったからね」

 いつもみたいに甘えたい気分になるけれど、いきなり話し掛けるのは止めようかな。夜だったら夢かもしれないと、勘違いしてくれそうだし。

「ねえ少年。夜までどこかで時間潰そうか」

「いいよ。話し掛けた瞬間に驚いてそのまま…そんなことになったら、上手く捕まえられないかもしれないからさ。そうなると一緒に遊んでくれる話はご破算で、こっちの輪廻に戻っちゃうでしょう?」

「当然だな、質問する方がおかしい」

 納得して一緒に来てくれるならいいけれど、びっくりして息を引き取るのはなあ。それは非常に困るから今は諦める。


 後でもう一度逢いに来るからね、愛しい旦那さん。そっとドアをすり抜けるとさっきの職員さんとすれ違う。そろそろご飯の時間かも知れないな。

「それじゃあ、どこに行く?この世界からはまだ誰も転生していないから、土地勘ないんだよね僕」

「この辺りは結構栄えているから、繁華街で食事でもしようか?あ、他の人には見えないから無理?」

 特にお腹が空いているという感覚はないけれど、夜まで暇なのは確かだ。自称神様は腕を組んで考えるポーズを一瞬だけする。

「無理じゃないね。ここの理からは切り離してあるから、紛れ込むのは可能だよ。でもお金ないでしょう?どうするの?」

「今のポーズに意味はあったのか?まあいいか、それじゃあもう一回戻ろう」

 再び五号室を目指す私に付いて来る自称神様。

「あれ、話し掛けないんだよね?こっそり持ってくるの?」

「近いけれど違う。誕生日プレゼント買って旅行にも行く予定で、自分の年金をへそくりしていたんだけれどさ。その前に寿命がね…へそくりだから、旦那さんは場所を知らない」


 旦那さんに教えておけば良かったなと今更思う。どうせ見つからないままになるなら、パアッと使っちゃおう。

「お爺ちゃん、ご飯ですからね。写真は後でも見られますから、食堂に行きましょうね」

「あまり食べたくないのですが」

「それでも食堂までは行きましょうね」

 連れ出されるなら丁度いいや。今のうちに持って行こう

「掃除で動かされていないならこの下にあるはず、よっと」

「本当にあるし。しかも何気に封筒が分厚い。全部使うの?旦那さんに残してあげたら?」

 小さい戸棚を少し持ち上げて封筒を拾う私に、自称神様がそんなことを言う。

「いきなり知らないお金が置いてあったら、事件性があるかもしれないと疑うね。職員の人に廊下に落ちていたとか言って渡すね。旦那さんは」

「持って行く方が有効に使えるわけね」

 外へ出る時にチラッと食堂を覗くと、旦那さんはごはんを少しだけ食べていた。


「お待たせ致しました。オムライスとハンバーグセットです、ごゆっくりどうぞー」

 自称神様と向き合って食事を取る。自称神様だと面倒だから、シンちゃんと呼ぶことにした。少しだけ不服そうだったけれど、今はご満悦な表情だ。

 オムライスに付いていた旗を見て喜んでいる。見た目通りで子供なのかな?そんなわけないよな、どう考えても。

「お姉さん、失礼なこと考えているでしょう。僕に隠し事は出来ないよ?」

「呆れ顔を隠す気もなかった。ここのオムライスは結構有名だから、温かい内に食べなよ」

 シンちゃんがスプーンを口に運ぶのを見て、私もハンバーグの攻略に着手する。年取ってからは胃もたれするせいで、食べられなかったから嬉しい。

 それにしても普通にお店でオーダー出来ちゃったな。日本国内なら余程のことがない限り、身分証明書を求められないからいいけれど。


「結構美味しいなあ、ジョニーに頼んでメニューに加えてもらおう」

「ジョニーでいいんだ。私が勝手に呼んでいるだけだから、本当の名前があれば教えて」

「ないよ。猫とか犬って呼んでいたから。ジョニーで問題ない」

 適当だなあ、使用人に名前がないとは。猫って種族名のはずだよな?シンちゃんからすれば、自分で創り出した相手だからいいのか。

「ご飯食べても時間は余るよね、この後のご予定は?」

「ゲームセンターとカラオケに行こう。どっちも旦那さんは一緒に来てくれなかったからさ。歌うのを恥ずかしがる姿が可愛かったけれど、無理に連れて行こうとは思わなくてね」

「些細なことでものろけられるのか…」

 何か聞こえたかも知れないけれど、ご飯を堪能することにした。


 日付が変わる直前の館内見回りが終わる、次の見回りは二時間後くらいのはず。そっと部屋に入ってベッドに近付く。

 シンちゃんは旦那さんから見えないように、死角になる場所にいてもらうことにした。ベッドの端に手をついて観察する。

 ウトウトしている旦那さんを覗き込むようにして、そっと声を掛ける。小さめな声で何度か呼ぶと、ぼんやりとこっちを見た。

「おはよう、旦那さん。最近は体調大丈夫?」

「嫁さん?これは…夢か。若い頃の嫁さんの夢なんて、今日は運がいいな」

「そう、きっと夢なんだ。夢のついでにお話ししてもいいかな?」

「構わないよ。どんなお話しをしてくれるのかな」

 ゆっくりと時間を掛けて説明していく。旦那さんはどこか苦笑いになっている。

「いくら夢とはいえ、嫁さんから妙な提案をされるなんて。自分にはそんな願望があったのかなあ」

「どっちでもいいじゃない、考えて欲しいな?」


 横になっている旦那さんの耳元に唇を寄せて囁くように言う。何日か繰り返せば上手くいかないかな。

話をすることに気を向けていて、旦那さんの行動に気付くのが遅れた。

 いつもの癖で顔に触られる。しまったと思った。半分寝ぼけていた旦那さんは、しっかりと目を開けると両手で私の顔を挟み込む。

「どういうことだ?君は誰なんだ…いや、間違いなく嫁さんだわ。バレて焦る様子がそのままだ」

「離して。もう一回説明するから離して、無理に起きなくていいから」

 旦那さんが起き上がろうとするから、肩をそっと押えて布団を掛ける。隠れてもらっても意味がないから、シンちゃんを手招く。

「さっきまでの話は本当なんだ。この子がシンちゃん。こことは違う世界で一緒に遊んで欲しいボッチボーイだね」

「僕の扱い酷くない?有能で一家に一人は必要な存在だよ?」

「そんなに沢山の創造主がいたら、何もかもが破綻して無になる気がする。一家に一人だと?君は掃除機かと問い詰めたくなる」


 私とシンちゃんの会話を聞いて、何とか笑わないようにしているが旦那さんの肩が震える。

「ほらあ、お爺ちゃんに笑われたじゃないか。お母さんなんて嫌いだよ」

「シンちゃんが可愛いから、お爺ちゃんも会えて嬉しいのよ?」

「あはははは、もうだめだ。確かに絵面的には、お爺ちゃんのお見舞いに来た孫だけれどさ。わざとやってない?嫁さん」

 はい、わざとやっていました。何とか和んで欲しかったし、つい悪のりするのは私の癖だしね。シンちゃんもノリがいい方だと思うし。

「まだ笑える程度には元気なんだね。変な言い方だけれど、ちょっと安心した。それでね話の続きなんだけれど旦那さんが了承してくれるなら、遊びに次の人生?を費やすのもいいかな?なんて考えております」

「今生はそれなりに順風満帆な人生だったから未練はない。次があって嫁さんも一緒なら、楽しいかも知れないね」

「お爺ちゃんも参加ってことで良いかな?もう準備始めちゃっても良いかな?」

 ベッドに手をついて前のめりになるシンちゃんに、手の平を見せるようにして出す旦那さん。


「ちょっと待ってもらえないか。さっきの話を聞いて他にも条件を加えたい。それともうすぐ巡回の時間だから隠れて」

 そう言われて耳をすませば足音が聞こえてくる。私とシンちゃんはベッドの下に隠れた。程なく扉が開いて職員さんがライト片手に入ってくる。

「よく寝ているみたいね。異常なしと」

 狸寝入りだけれど問題行動とか、具合が悪そうじゃなければ見るだけなんだよな。今は好都合だから気にしない。

「もう良いかな?次は明け方にもう一回のはずだから、出てきても大丈夫」

「旦那さんも前向きに検討しているって解釈で良いんだよね?ジュース飲んで良い?」

 ベッドの下から這い出すと私は返事を待たないで冷蔵庫を漁る。何気にシンちゃんが驚いた顔をしている。

「この国の女性は夫の許可がなくても自由に行動するの?あ、そんなことよりも条件教えて。何でも叶えちゃうよ?」

「昔はそういう風潮もあったらしいけれどね、僕は嫁さんが自由にしている方が好き。その方が見ていて面白いからね」


 いつの資料を見たのか知らないが、シンちゃんの認識は随分時代錯誤ではないか。それとも私が勝手気ままなのかな。ジュースを三つ取り出す。

「ありがとう嫁さん。さてと条件だったね。まずは、赤ん坊からのやり直しは面倒だから嫌。次に嫁さんの年齢と一緒にして欲しい、それと太らない体が希望。最後に重要なのが僕達が飽きたら…終わらせてくれること」

 流石は旦那さん。私が見落としていた部分に気が付くとは。やっぱり一緒に居て安心出来る人だなあ。

「赤ちゃんからだと一緒に遊ぶまで待つの嫌だから、そこは心配しなくてもいいよ。年齢と体質も問題ないね。最後の条件は保留で良いかな?」

 聞き捨てならん。詳しく聞かねば。

「保留?どうして保留なのか聞いてもいいかな。理由によっては考え直すから」

「落ち着いてお姉さん。僕が遊び用に世界を創ったのは説明したよね。その中で遊んでみた結果として、お気に召さない場合もあるよね?」

 確かにそうだと思う。タイトルとあらすじで面白そうかな?と思って買ったゲームがつまらなかったのはよくある。


「要は一回で判断しないで幾つかの世界で、何度か遊んでからでも遅くないと。そう言いたいみたいだよ?嫁さん」

「私だってそのくらい分かっていたよ?ちょっと言うのが遅れただけだから」

 旦那さんにからかわれているのは分かっている。分かっているけれどつい反応してしまう。頬を膨らませていると、シンちゃんがベッドに手をついて何かを呟いていた。

「もう、お腹いっぱい。耐えられるのかな僕」

 この程度で満腹になるとは。世の中にはもっと凄いのがいるんだぞ?とは思ったがそっとしておこう。

「こっちでの思い残しはない?子供作らなかったから、財産とかどうするの」

「葬儀やお骨についてはお願いしてある。貯蓄もそれに使って貰う予定だよ。どうせ通貨基準が違うでしょう。パソコンなんて望めないだろうしね」

 シンちゃんの復活に時間がかかりそうだから、職員さん達や葬儀関係の方に迷惑にならないようにと話をする。


「そうだ。こっちで購入して持って行きたい物があるんだよね。実はへそくりがあるんですが、微妙に足りないのでお小遣い下さい」

「何を持って行くつもり?へそくりで足りないって」

「それはだね?」

 言いながらチラッと見るとシンちゃんは復活していた。旦那さんと自分の好きな野菜や果物について聞いてみる。

「似た物はあるけれど、地球基準がいいのなら持って行く方がいいね。微妙に違う、これじゃないっていうのは嫌でしょ?」

「今日一緒に食べたオムライスにも必要なんだよな。色々な種と苗木と本を購入したいので、お小遣い下さい旦那さん」

「本も合せて是非持って行こう。ジョニーにお願いする為にもね」

 私とシンちゃんの話を聞いていた旦那さんは、オムライス?ジョニー?という表情だったけれど、私が心肺停止になりそうな事を言ってくる。

 なるわけがないけれど、そんな気がする。


「まさかの農家転生ですか?嫁さんはサボテンでさえ枯らす人だった気がするのに」

「ううう、言い返せない。ちなみに自分で育てる気はないよ!仕事は後で考える」

 ダメな発言だったが二人共スルーしてくれた。苦笑いの旦那さんが引出しから、キャッシュカードを一枚出してきた。

「これをあげる、その口座分は全額使って良いから。暗証番号は僕の誕生日だ、欲しい物を買っておいで」

「ありがとう。買い物と家の準備は終わらせておくから、いつ出発する?」

 手帳を睨んでいる旦那さん。シンちゃんが手帳を覗き込んで聞く。

「この丸が付いている日はどうかな。視線がそこにいっていたよ」

 同じ様に覗き込むと、その日は私の四十九日の翌日だった。

「そうだね。この日にしようかな」

「それじゃあ、お爺ちゃんをその日に向かえに来るよ。準備の為に戻ろうよお姉さん」

 頷きかけてやめる。どうしても旦那さんとシンちゃんに許可を貰いたい事があった。

「旦那さん。ペット飼ってもいいですか?まずは猫と犬」

「転生でアレルギーが治るならいいけれど…まずは?増やすつもり?そもそも普通の猫と犬かな?」


 明後日の方角に何かがある気がするのでそちらを見る。旦那さんは視線を戻すのが怖い位こっちを見ているし。

「えっと、ファンタジー系な猫と犬。他の獣人も増やしたいね」

「ちょっと待ってお姉さん、それ聞いていないよ?」

「猫はともかく犬はちょっと」

 顔を背けたまま答えると、旦那さんとシンちゃんから同時に突っ込みをくらう。旦那さんが犬嫌いなのは分かっている、熱くプレゼンするしかない。

 二人を説得する事五分。先に旦那さんが折れてくれた。

「黒柴風のコボルトならいいよ。意思の疎通が出来て大人しいなら怖くないと思う。それにしても猫はジョニーですか」

「雑用その他を頼むのにジョニーとコボルトは必要だからいいけれど。いつの間にコボルトにマロなんて名付けたの」

「最初に見た時に。名前に関しての変更は認めません、さあ行くぞ」

 苦笑いの旦那さんを残して部屋から出る。買い物と家の準備と仕事探しで忙しくなるから、頑張っていこう。

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