表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/17

序文

 東の果ての、とある島国のことをご存知でしょうか。

 まことに不思議な国です。

 なんとその国では、空気が一番偉いのです。


 空気と言っても、いわゆる大気のことではありません。雰囲気や場の流れといったものを表す一種の例えです。

 その空気が、人よりも神様よりも偉いのです。

 いいえ、空気こそが神様だと言ってよいでしょう。何しろこの国の人たちときたら、いつだって空気を気にかけ、決して逆らおうとしないからです。


 彼らの多くは、口では自分たちは無宗教だと言います。

「私は宗教や神様みたいな迷信なんて信じていない」

 そう言います。

 そう言いながらも、目に見えない空気というものに対し、自分が何か楯突くようなことをしていやしないか常に注意を払っています。誰かが空気に逆らおうものなら、まるで戒律を破った不信心者を目にした神官のように「空気様のお心を読め!」と不快感をあらわにします。

 実に不思議な人々です。


 いったい、いつ、どのような理由で、この国の人たちはそんなにも空気を怖れ敬うようになったのでしょうか。

 そこには、一人の女の子を巡るこんな物語があります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ