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真の力は我が身に龍を持つ

表の俺と裏の俺の中で心が一つとなり、あの決闘から数週間経とうとしていた。あいも変わらず、白鉄の情報が未だに入ってこない。あの時、黒鉄から聞いた話では、東の彼方に飛んで行きそれからは、白鉄の刀気が、感じられなくなったという。凛はそのことを聞き、全力で探すとの意気込みで、今探しに探している最中です。俺は、凛から貰った山の中で読書に没頭中なんです。「我が主、こんなにのんびりとしていてもいいものか?」「いいんだよ。この平和を満喫しなきゃ。」と、この時は黒鉄の話がこれか現実になるとわ・・・。

 ふと気づくと、俺は森の中で一人になっていた。確かいつもの神社の境内で読書をしていたはずなんだけど、あっ、そう言えば眠たくなって寝たんだ。そしたらここは、俺の夢の中なのか・・・。俺の頭の中に、これまでの記憶は混乱している状態で、今の現状を理解できないでいた。黒鉄のことを思い出し腰のあたりに手を伸ばすと、そこには無いんだ、黒鉄の姿形も・・・。これで確信が出来た。

 俺自身の夢であり、俺だけしか居ないということだと。だけどここは、本当に俺の夢なのかな、そんなことを思いながら、この森の中を彷徨うのだった。

 何時間歩いたんだろう、そろそろ休もうとした時だった、闇の俺が、体から離れた。

「よう、今日はなんだか奇妙な事に巻き込まれたみたいだな。」「お前何か知っているのか?」「知らんがな、けどまぁ長いは禁物な感じはあるがな。」「お前が感じるなら、俺も感じている。」「けどまぁ、この夢の主みたいなのが、出てきたみたいだ。」と、闇の俺が指差す先に肌も髪も服も白一色の人物が、こっちを見ていた。その眼の色は、空のような青い瞳だが、冷たい感じを放っていた。いや、それよりか今気がついた、この夢は俺ではない世界だと。「お久しぶりですね。黒の使い手。」「久しぶりだと、俺はお前を知らないぞ。」「いいえ、私は貴方と戦った日のことは未だに覚えています。」「俺と戦った・・・。はっ、お前もしかして。」「やっと気が付きましたか。そうです、白鉄です。」「ほぅ、この俺に敗れた白鉄さんが、俺になんのようだ。」「これは闇の乙矢さん、その節は。ですが今日は、貴方達に伝えに来たのです。私は前の主とは、完全な力を交えることができなかったのです。ですが、貴方達と黒鉄を見て確信をすることができたのです。私の力を全て使いこなせる新たな主を、見つけたのですよ。近々私と我が主は、貴方の前に挨拶に行きますから、そのことを伝えるために私は貴方の夢に潜入をしたのです。では、現実世界でお会いしましょう。」そう言うと、俺の目の前から姿を消し、俺もまた、眠気に襲われ意識がなくなると同時に、夢の世界も消えていった。そして目が覚めるとそこは、現実世界でいつもの景色が目に入る。「我が主、どうしたのだ。突然飛び起き、周りを見渡す。変な夢でも見たとでも。」「いや、そう言えば、親父さんはまだ家にいるんだったけ?」「居ると思うが。どうしたというのだ。」俺は居ることを確信したいたまに、全速力で家に帰る。「ハァハァハァ、ただいま。親父さん居ますか。」ドタドタと、親父さんが泊まっている部屋に向かう。「どうした。そんなに慌てて乙矢君、私になんの用ですか?」「白鉄が、ここに来る。」「あぁ、そのことですか。」と、親父さんは驚くどころか冷静にお茶をすする。「まぁ、落ち着きなさい。私の夢にも出てきましたよ。」「親父さんの夢にも。」「はい、長々と話をしましたよ。で、新たな主と言っていましたね。これは問題です。白鉄の力全て使いこなせる者現れたら、凛の時とは比べ物にならない事になる。」「それは、どういう事ですか。」「乙矢君、君はこのままでいいと思うか?」親父さんからの刀気は、いつにもまして大きく強く感じた。「それは、どういう事ですか。」「君は、このままでは白鉄には勝てない。いや、君の本当の願い世界を変えるということも叶うことはないということだ。」なんで、親父さんは俺と黒鉄の願いを知っている。「君の願いは、興味がある。だがな、今のままでは叶わないのだ。君も黒鉄の力をすべて使えてはいない。」「親父さん、なんで俺の願いを知っているんですか?」「君の刀気が、そう語っている。それに、今の君は焦っている。それは、白鉄のあの姿を見たからだ。」そう、俺は焦っている。なぜなら、あの時の白鉄の刀気が以前にもまして、強くなっているのを感じ俺との差は歴然、本当に全ての力を使いこなせる者が現れている。親父さんも焦っているのが、俺にもわかる。「我が主、あの時ワシの言葉を覚えているか?」その言葉を聞き俺は、覚えている。そう、初めて出会ったあの時の言葉だ。「あぁ、覚えているよ。お前がこの俺に力を使わすと。」「そうだ、焦ることはないぞ。お主はもうワシの力を使えておる。」「けどあれは、お前の力を借りたまでで、本当の力ではないはず。」「やはり気づいていないようだな。凛との最初の手合わせの時、アレはお主がワシの力を使ったのだ。ただ、自由に使えないのだ今のお主では・・・。」黒鉄の力は持ち主の刀気を、刀に宿し倍増すると同時にあらゆる具現化、持ち主の創造で最強の力となるらしい。けど、俺はあの時小さい頃からの爺さんの稽古で身についた動きをしたまで、けれどもそんなことで、黒鉄の力を使えたと俺は思ってもみなかった。「アレが、俺がやったと。」「お主の、力なのじゃよ。だからワシは、お前を主に決めたのじゃ。」

親父さんが、立ち上がり俺の両肩に手を置きまじまじと、俺の眼を見つめる。「乙矢君、これから君に最終稽古をつけよう。黒鉄の話を聞いていて私は実感した。本当に黒鉄を使いこなせる者と。」「親父さん・・・。」「元来、私は黒鉄と白鉄を創ったあと、赤鉄を造りこの世を去った。其れからというもの、黒鉄と白鉄の持ち主を観察していた。けれども、二振りの真の力を使える者は誰一人居なかった。」「ですけど、親父さん。伝説ではこの刀を手に入れたものは天下を取るとの噂あれは。」「そのことは、長い年月により、話が変わったみたいですね。」「話が変わった?」俺は、首を傾げソファーに座る。そこには、温かいお茶とお菓子が置かれている。それをつまむ。「君は、知っているはずじゃないかな。黒鉄の過去の主達の事とその歴史を。」そのことを聞き俺は、目を閉じこれまでのことを思い出すと、見えてきた。あの時、最初に黒鉄の力を使う時に見えたんだ。「思い出したみたいだね。そう、それが現実。真の使い手でなければ、己自身の創造が制御できずにやがては亡ぶ。」俺が見た黒鉄の記憶、それは戦いの果てで、なにか黒いものに呑み込まれる人々、それが親父さんが言う亡びというものなのか。

だとしたら、天下を取るというのではなく、最強の力を得る代わりに持ち主自身の命を犠牲にするということ。伝説は伝説、力を欲する者が長い年月伝えていくたびに少しずつ話しを変え、その力を我が物にするために、古文書に記した。

「これまでの私が見てきた者達は、己自身の創造に歯止めが効かず暴走をし続ける者ばかり。だが、君は黒鉄の力に呑み込まれず逆に、力を使う。私は君を待っていたのだ。」親父さんは、テーブルの上に赤鉄を置いた。「あの時はすまなかった。」と、突然親父さんは頭を下げ謝った。「どうしたんですか。」俺は、親父さんの突然の行動に戸惑いを隠せずにいた。「君が、闇に飲み込まれるんでわないかと思い。この赤鉄で殺そうとした。今までもそうだ。黒鉄と白鉄には、強大な力がある。その力を使えるものはこの数千年現れなかった。君が見た黒鉄の過去の人々がそうだ、その力に呑み込まれる前に私が刀と主に結び付きを斬った。それを数千年やってきた。だけど、君は闇に呑み込まれず帰ってきた。自分自身の闇の存在を受け入れて。だからこそ、君にこの私が直々に修行を付けたいのですよ。」親父さんの眼の色が明宣の色に変わると「では乙矢君、道場に行きましょう。親父さんのこの赤鉄の力をお見せします。」俺は、言われるがままに道場に行った。

 俺が道場で親父さんに修業を付けてもらっているとき、一人の少年がこの街の駅に白鉄とともに到着をした。「久しぶりだな。」「ふふふ、そうですね。」「ねぇ、白鉄。貴方もここに居たことがあるのですね。」「そうです、我が主。」「そうなんだ。じゃさぁ、挨拶に行こうじゃないか。彼らも、君が夢での挨拶で僕達の力の差を知って、今頃は焦っているんじゃないかな。」「そうですね。あの時は、突然の現れで少々驚いていた様子でしたし。私の放つ刀気の差が伝わあったはずですから。」「なら楽しみだね。」その少年の笑顔は冷たく寒けの感じるものだった。だが、少年は乙矢の家に行く前に、スイーツショップを転々としていた。「我が主、いくら甘い物がお好きと言いっても、挨拶は・・・。」「あぁ、この街いい店ばかりだからなぁ、全て回ってからにするよ。」「我が主・・・。」白鉄は思う。黒き使い手もまた、我が主と同じ雰囲気を醸し出しそしてまた、私の力を存分に使ってくださる。この数千年決着の付かない、この戦いに終止符を打てると、密かに思いを留めていた。この少年が甘く美味しいスイーツを食べている頃、乙矢の修行は最終局面に入っていた。その様子を爺さんが、窓から様子を見てみると、乙矢の顔付きと刀気が、以前よりも増して逞しくなっていた事に驚いていていた。「よしそのまま、自分の刀気を体に留め、イメージしろ自分の思いを黒鉄に注ぎ込むイメージを。」俺は、眼を瞑り、親父さんの言葉通りにイメージをした。俺自身の刀気が、黒鉄に馴染むのが分かった。「そうだそのまま、今度は、中の刀気を大きくするのだ。」親父さんの言葉の言う通りに、俺の刀気を全開にそしてそれを、余すこと無く黒鉄に注ぐ。「いいぞ。修行はこれで終わりだ。眼を開けなさい乙矢君、それが黒鉄の真の力。」と、俺は目を開け黒鉄の姿を見る。「こっこれが、真の力。」「驚いただろ。名は黒龍刀黒鉄。この世で三つしか無い最強の刀。」「これがお前の真の姿。」黒鉄の姿は、柄・鍔は艶消しの黒、刀心は艶やかな濃い黒で光り輝く。「我が主、ワシはお前を選んで正解じゃった。今までの使い手は幾度と無く、我が力を引き出そうとしていたが。その前に呑み込まれてしまいここまでに達したのは、お前だけじゃ、永木乙矢。」「私は、幾度と無くその光景を見てきたが、君だけだった。黒鉄の言う通り、自身の膨大な刀気によって亡んでしまった。だが君は、その刀気をも制御しここまで至ったのは君だけだよ。よくここまで頑張った。だが・・・。」「これを白鉄も、会得しているんですね。」「そうだ。白鉄の真の姿の名は白龍白鉄。そして、我が刀の真の名は赤龍赤鉄。」親父さんが、その名を呼ぶと赤鉄の姿が深紅の刀心へと変わった。「これが、三振りの刀。伝説には二振りのと載っていたのだが、本当は三振り在ったのだ。何故という顔をしているな。それは私がすっと持っていたからだ。さて、ためそう乙矢君、君の力を。」「はい。」俺は、真の黒鉄を使いこなすために、親父さんと手合わせをした。来るべきのために、そう、今湖の街に、白鉄と共にいる少年が俺の所に、歩みを進めていた。


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