白は動き始めて待っている。
俺がまだ、北野山で修行をしている頃凛たちは着々と、白き世界を創るべく準備をしていた。白き刀、白鉄を所持をしている紀藤凛。代々紀藤家は世界の遺跡や遺産の管理と保護を任せられている組織のトップである。そして、裏では国の国宝も管理し保管をしていると言う。今の頭首は三代目の凛というわけだ。二代目の父親を五年前に亡くし幼少より二代目に英才教育を受けていた凛を頭首に向かえ入れたのだ。彼は、亡き父の思いを受け継ぎもくもくと働き、二年の月日で世界各国に名をとどろかせるほどになっていた頃に、日本の伝説が世界を手中にできるという情報が入り込んできた。
凛の父親の目的「凛よ、私は純白で美しい世界にしたい。こうして遺産や遺跡を眺めていると、語ってくるのだよ。その当時の事を汚らわしい争いの事を、人間の暗闇が私に語ってくるのだ。だからこそ私は、今の世界を過去の汚れから清楚で美しい純白にしたいのだ。その為にはお前も美しい存在になってほしい、汚れのない純白でな。」と、幼き頃から凛に語っていたのだ。その当時の凛は英才教育でかなりの知識を手に入れ、父親の言葉もすんなりと理解した。そして、父親が亡くなり頭首宣言日に「私、紀藤凛は亡き父の思いを受け継ぎここに宣言をす。この世界の負の遺産を全て浄化し純白の美しき世界に導く事を、過去の汚れをこの平和な世界に持ち込まない事をそして語る、世界の汚れと愚かさを今ここに白き世界の約束を。」この言葉で、凛の存在は平和を誓う者の言葉として世界から支持され、紀藤家の名は世界にとどろいたのだ。それから数日の事、日本の伝説の妖刀を探すべくとある山奥を散策中、凛の精神に直接何者かが話しかけてきた。「だれだ、この私に何のようだ。」「・・・。」「なに・・・。」この時は、腕利きの部下を数名付き添わせていた。その部下が言うには、大きな声を上げて誰かと話していた凛は、部下が「どうかされましたか?」と聞いたのだが、耳には入らずで何かに導かれるように歩き出したたと言う。そこには、白く輝く鳥居その奥には白い石で作られた道そこを渡ると白い真珠の様に輝く境内があった。その中に入ると、乙矢の時のように頑丈に封印されている一振りの刀がそこに置かれていた。「凛様これは。」「そうだ、これこそが私が求めていた。伝説の妖刀白鉄だ。」その時、護衛に付き添っていたものにも声が聞こえてきた。「よく私を見つけてくれた。貴方の刀気をこの森の入り口で感じ、導いたのはこの私だ。」「なるほど、あの時の声の主は、白鉄お前だったのか。それで、お前は私になにを求む?」「それは、こちらの質問ですよ。貴方は何を求むそして、何を思ってこの私をつかむ。」その質問に凛の眼には白く輝く世界が見えたのです。「白き世界。平和の維持と汚れをなくす。そう、お前のその白き力のように美しい世界に、私はその力を求む。」「ほぅ、貴方の願いこの白鉄が叶えてやろう。その汚れを無くすと美しい世界私も見てみたいと思う。さぁ、この私の封印を解きその野望を叶えたまえ。」
凛は白鉄にそっと手を触れた。すると、封印にに使われていた縄と護符がチリチリになり、そよ風に流れていった。その流れのを見終えると、白く輝くなんとも汚れのない白き鞘と柄。凛は手に取り、抜刀すると、刀身はまるで真珠の様に輝き、鋭さを感じるのにそこには美しさが凛を魅了した。「どうだ。私の真の姿は?」「実に気に入った。お前となら私の野望は遂行できる。」「では、改めて名を聞こう。」「私の名は、紀藤凛この世界を守りし者なり。」「凛か・・・。よい名だ。私は白鉄、貴方を私の主とす。」凛の手元に白鉄が手に入り、白き世界の野望に一歩近づいたのだ。
白鉄を手に入れてから数日の事だった。凛は日本の伝説の妖刀にまつわる資料を整理と復習をしていた。「改めて読んでいると、やはり気になる。この物語のもう一つの刀・・・。」「黒鉄ですね。」「白鉄は、知っているのでしたね。では、今この黒鉄は何所に在るのですか?」「どうやら、近くにいやこの町の中に居るみたいですね。しかも、新たな主と共に・・・。」「そうなんだ。ふふふ、新たな主。ねぇ、白鉄。」「なんです。」「その者を見てみたいと思わないか?」「興味はある、彼がどんな主を選んだのかを、でも今回は、見るだけにしましょう。」「ふ~ん、わかりました。」凛はもう一振りの刀、黒鉄をどうしても見てみたいとなぜなら、物語にはこう書かれていた。
この日本には、伝説の二振りの妖刀がある。一振りは純白で真珠の様に光り輝く名を、白鉄。もう一振りは、漆黒の黒美やかな真珠の様に輝く鞘真紅の柄名を、黒鉄が存在すると、記載されていた。この記載文を読んだ凛は、黒美やかという物に引かれたのでした。凛は美しいと言う響きに弱く見たくて見たくてっという衝動に駆られていた。そして、凛の所にその者の情報が入ってきた。「おぉ、これが黒鉄の主、永木乙矢ですか。なるほど、この近くを毎朝ランニングしているみたいだね。よし。」「どうした、主。」「白鉄、明日このランニングコースの途中の公園の茂みに隠れ、様子を見ようじゃないか。」
そして翌日、乙矢のランニングコースの中にある公園の茂みに隠れた。待つこと壱時間ぐらい経つと。「主よ、来たようだ。」と白鉄は凛に告げた。凛はその方向を見ると、腰に黒鉄を帯刀し走ってくる乙矢の姿が、眼に映りこんできた。「あれが、永木家次期頭首か・・・。流石ですね。ただ走っているだけなのに、あそこまで刀気を押し込み安定させている。ふふふ、白鉄、彼にも興味がわきましたよ。」「私もです主。私が創られ何千年あのような剣士は初めて見ました。けれども主、あのような者は何れ我々の邪魔になるでしょう。」「ふふふ、分かっているさ。彼はまだ、力を付けてる最中。だから後三日彼をここから、様子を見ます。その時に彼に少しずつ、我々の刀気を当てて行きましょう。」「我が主は、面白い事を考える。」「はははは。」こうして、凛はストーカーまがいに乙矢を見張っていた。そして、三日がたった。「今日で、最後ですよ主。どうされます?」「白鉄、気付かないのか?彼の帯刀しているのは何だ?そう黒鉄だ。白鉄と共に同じ時間を過ごしてきて、黒鉄からの微量な刀気を。」「そこまで感じていたとわ。流石我が主。で、どうなさいます?」「今日で、殺意の刀気を放つ。来たみたいだ。」乙矢は、今日も変わらず刀気を抑えながらランニングをしていた。その姿を見た凛からは、殺意を込めた刀気を放ったのだ。その刀気乙矢にも伝わった。乙矢と黒鉄はそれ気付き、これまでに押さえ込んでいた刀気を開放した。その刀気は凄まじく、凛が思っていた力を凌駕していた事を確認をしたのだった。少し力を試し帰路をした。「ふふふ、本当に面白い。だが、あれだけの刀気だ確実に我らの前に現れる。では、そろそろ白き世界を指導していこうか。」「御意。」この時を切っ掛けに、凛は紀藤家の力を屈指し世界の汚れの根源を潰していったのです。世界の内紛や些細な争いは消え本当に平和が訪れたかの様に、見えたのです。紀藤凛は、その功績を称えられ今や全世界の領主へとなっていた。だがそれは、白き世界の序章に過ぎないのだった。「さぁ、乙矢君よ。君との戦いの舞台は整った。君がここに戻ってくるとき、戦いは幕をあげるのだ。黒鉄を我が手中に収めたとき、この世界は完全なる白い世界になるんですから。」凛の野望と乙矢の願いは、刻一刻とぶつかり始めるのです。