修行の成果と本気の力
俺は、甘かったのかもしれない。それは、家から出た時だった。
何者かに見られていると感じ、人気のない所に逃げ込んだ。
「乙矢、かなりの使い手だな。」黒鉄は囁やく「あぁ、すごい殺気だよ。もう少し先に誰も近寄らない場所があるから、そこに誘い込もう。」素早く、少しだけ刀気を出しながら、その場所に向かった。
俺は立ち止まり大きな声で「もう、隠れなくていいだろ出てこいよ。」と言い後ろを振り向くと、目の前に隠れていたものが剣を振りかざす、「わぁ!!」と驚くも紙一重で左に避けまた立ち上がる。
「流石ですね。君が黒の使い手ですね。私は白水流四天王の一人、赤城憲剛と言います。」と彼はお辞儀をした。それは、ユリのように綺麗に堂々たる姿勢で俺は、一瞬見とれていた。「乙矢、貴様何を見とれているんじゃ。敵じゃぞ。」と黒鉄が俺に怒鳴り、目が覚めた。「ふぅ、そんなに怒鳴るなよ。あまりにも綺麗だったんだ。思わずな。」「なにが、思わずじゃ。完全に貴様隙だらけじゃたぞ。」とその時に、俺の髪の毛が10本肩から落ちていき、赤城の顔を見ると不気味に微笑んでいた。「貴方は、あの時わざと髪の毛を残しましたね。そして、私に微笑みましたね。いやはやゾクッとしましたよ。私の主と在った時と同じに、ですから貴方はここで死んでもらいます。」
懐から長い刀を抜く「君もその刀を抜きなさい。でないと私が楽しめないじゃないですか。君が何をもたらすかそれが楽しみで仕方ないんですよ。ほら早く、戦いをしようじゃないか死と言う戦いを。」
俺は見てしまった。赤城の眼を、それはまるで戦いに飢えた鬼神のような眼。そんな奴を放っておくと白鉄の思い道理の世界になってしまう感じがした。やるしか無いな、この戦いは多分俺を試すためでもあるような感じだしな、黒鉄の言うとおり赤城は並の使い手では無さそうだ。やるしか無いかと俺は、黒鉄に手をかけた瞬間だった。俺の目の前の景色が真っ赤に染まり、赤城の居た所を見るとそこには誰もいなくて、上を見ると凄まじい刀気を纏った刀で切りかかりそれを紙一重でかわす。「ふふふ、さすがに一筋縄ではいかないですね。私のこの速さについてこれてしかも避けた。今までの人達とは違うということですね。」「乙矢、こやつは油断していたら負けだぞ。まだ何かを隠している。」「あぁ、俺も確信が持てた。それを出される前にやるしか無い。」
俺は、居合の構えで赤城の攻撃を待つ「居合ですか。正しい判断ですがふふふ。」赤城は俺に一直線に向かってくる。居合は素早く刀を抜き切る。そして、刀をしまった時に相手は初めて斬られたことを知る。神速の技。その技に対して近づいてくるということは、逃げるとこはなくただ斬られるだけのはずだが。迷うな、「ふぅー。」息を吐ききり、赤城に渾身の居合斬りを放つ・・・。
手応えありと俺は感じたんだが、刀を納め後ろを振り返るると赤城は血の一滴も流さず立っている。不敵な笑みを浮かべていた。
「流石に驚きました。いや~、実に速い見事です。ですが私には届かないですよ。」
わけがわからない。赤城を斬った手応えはあった。しかし何故立っているんだ。しかも無傷で・・・。
初めてだ、俺の渾身の技を放っても効かない相手に会うのわ。と思いに浸っていると黒鉄が大きな声で
「乙矢、何ボサってしている。来るぞ。」と言い俺は目を覚ますと、「ききき、まだまだですよ。」と言いながら、赤城は俺に迫ってくる。
赤城の二つの刀が四方八方から斬りかかる。それを黒鉄で防ぎ避けるが、俺は未だ混乱している。
無我夢中で剣の乱舞を捌いている状態で、頭のなかでは赤城に勝てるのかどうやれば黒鉄がとどくのかと考えながら戦っているうちに、背中に固く冷たいものを感じた。後ろを見てみるといつの間にかコンクリートの壁に追い込まれていた。どうしよう、逃げ場がない・・・。「チッ、お前はあの時のままだな、そんなんだからこの俺が出てくるんだ。どうすんだ、お前はあの時言ったよなこの俺の力を使わずとも強くなると。それがどうだ、いまはあの時のままじゃないのか、見せてみろよ本気およ・・・。」俺の中の俺が情けなくなって出てきたのだ。でも、覚えてくれていたあの時の約束「忘れかけていた。ありがとな闇の俺、お陰で目がさめたぜ。お前が心配して出てこないようにと俺自身が守れる力を付けるための修行、その得たものを今使わないでいつ使うんだ。」「乙矢。見せてやれ。」「はい。」
俺はまた居合の構えで赤城を迎え待つ、「ふぅー。」と息を長く吐く。
「貴方はまた、私には通用しないと証明したでしょ。まぁ良いでしょうこれで止めですから。」
赤城の刀気は体から溢れ大きな炎様に出ていた。まさに最大の力をぶつけるかのように、突進してきているが俺は、落ち着いている。不思議と身体のそこから力が漲っているんだが頭のなかはスッキリしていて、目の前の敵の動きが見えるの。その時だ、俺は赤城のトラップにハマっていた事に気がついた。
残想・・・。赤城は俺の攻撃が当たる寸前に残像で避けていた事に、そして見えた。それは一瞬のこと、赤城は俺と交差してコンクリートの壁をぶっ壊したが、俺は赤城の背後で立っている。そして、黒鉄を鞘にカチと音がなり戻ると、赤城の胴体から立てに血が噴水のようにでていた。
「何故だ。私は貴方の攻撃は効かないはず、でも今は私が止めを刺されている・・・。何故だ。」
「それは簡単な話だ。俺がお前より強いだけだ。」「ふっ、そうか・・・そうですか。参りました。貴方なら主人に勝てるかも・・・。」と言い残し倒れた。
「かもじゃなく、護るんだよこの世界を・・・。」俺は右拳を握り締める。
「乙矢。これからこのような者がまだ出てくると思うが良いのだな。」「あぁ、白水がそう出ているのなら、迎え撃つまで。」「そうじゃな。」俺は、本当の意味で腹をくくった。俺の命を狙ってくる者が出てくるが、世界を守るため強くなると。




