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黒鉄との出会いと爺さん

人とは脆い笑えるほどに、少しでも力があれば簡単に壊れる。

 それを、俺は楽しくてしょうがない黒い闇の存在のこの刀、黒鉄くろがねと共に、弱き者を消す。それが、世間からは乱し者と言われようとも。

 ここは日本、古来より伝説がある。2振りの刀あり、白黒のその刀は妖刀とも呼ばれた。その2振りが力を発揮した時日本は戦いの息吹にさらされる。多くの戦乱の根源とも言われている。

 俺は、その話を祖父から聞き其の時は信じていなかった。出会うまでは、そう、俺は出会ったのだ。

俺は人と群れるのが好きではない、1人でいる所を探していると山奥に来ていた。人気も感じないので暫く歩くことにした。遠くから川と滝の音が聞こえ、涼やかな風も吹いている。それを感じながら歩いていると、古ぼけた鳥居が、その奥に古い神社が建っていたのだ。屋根はコケが生えていて、しかし狛犬の石造は、誰かが磨いたように綺麗に神社を護っていた。俺はここなら誰も来ないと想い、この境内に居ることにした。俺は小説をそこで読むことにした。すると、どこからか声が聞こえてきた。「貴様は欲しいか。ワシの力が、この破壊の力が欲しくないか?」と俺に語りかけてくる。

 「誰だ。」と俺は叫んだ。「まだ分からないのか。ここだよ、そう貴様の後ろだ。」とその声はいう。俺は振り返ると、そこは境内の中のことだと察した。俺は中に入る、そこには札と紐で頑丈に封印されている、漆黒の刀が目に入った。頑丈に見えている封印だが、素人の俺にも分かるくらい、何か力が溢れているのが分かる。その刀に近づくとまた声が聞こえてきた。その声はハッキリと、刀から出ている声と分かった。「やっと分かったか。貴様この世界が憎いか?それとも人間か?」その問いに、俺は戸惑いを隠せなかった。なぜなら、この世界いや、ほかの人達と群れたりするのが好きでわない。むしろ、1人で居るほうが好きなくらい。人間は好きでも嫌いでもない、だが世界は憎い時もある。「俺は時に世界が憎いときがある。」「ほほぉ、貴様の心しかと見えた。貴様は世界が憎いのではない。変えたいと思っているのだな。はははは。」と刀は笑う。「何がおかしい。」俺は、見透かされたことに恥ずかしさと怒りが、言葉に表れた。「すまない。珍しい人間だ。何千年と人間を見てきたが。ワシの前に現れる人間は、何時も大きな憎しみと怒り殺気全て人の闇の部分が、表に出た人間ばかりにワシは使われてきた。だが、貴様はそれが無い。気に入った。貴様名を名乗れ。」

永木乙矢ながき おとや」「乙矢か、貴様綺麗な名をもらったのう。」「好きで、もらったんじゃない。でお前は?」「ワシは、黒鉄じゃ。よし、今日からワシはお前のものだ。さぁ、この封印を解き、貴様の懐に収めよ。」俺は言われるまま、黒鉄の封印を解いた。頑丈に見えた封印は、俺が手で触れただけで紐や札は古い紙のようにチリチリになり、鮮やかな漆黒の鞘と紅の柄が姿を現した。俺はその鮮やかさと、これが幾多の争いの中心の刀にはまるで見えなかった。「どうした?ふふふふ、綺麗なもんだろワシは、これが狂った人間が使っていたとは思えないぐらいに。」「あぁ、本当に綺麗だ。だが言葉は汚いが・・・。」俺は、刀を手に取り、腰に添えた。「そうだ乙矢、貴様にはワシの真の力が使えるはずじゃ。はははは。」「真の力?それは何だ?」「ふふふふ、それはその時になれば分かることじゃ。貴様の家に帰るぞ。」と、俺は古い神社を後にし家に帰った。

俺の家は、代々剣士育成の家計で道場をやっている。俺も小さい頃から爺さんに剣術を叩き込められていて気付けば師範代と呼ばれている・・・。静かに暮らしたいのだが、俺は爺さんには逆らえないから仕方なくやっている。「お帰りなさい。師範代。」と門を掃除している子が声を掛けてきた。「あぁ、ただいま。コトハ、ご苦労様。」と、返事をした。門を掃除している子名は、木村コトハここの門下生でもあり俺の従兄弟であるんだ。「師範代、その刀は何ですか?とても綺麗な漆黒の鞘と紅の柄ですね。」とまじまじと黒鉄を見つめる。「話は後だ、爺さんは居るか?」「はい、部屋に居られると思いますが。あっそうだ、お爺様に師範代が帰ってきたら部屋に来るようにと伝言を預かっていたことを思い出しました。」「そうか、ありがとう。そうだ、お前もきな。この刀を知りたいのなら。」「いいんですか?」とコトハは興味津々で少し興奮気味で乙矢の顔を覗き込むように見つめる。「いいよ。じゃいくか。」俺はコトハと共に爺さんの部屋へと向った。

 俺の家は、先も言ったが道場をやっている。門下生も何百人といてとても大きな家になっていて、面積的には軽く野球場が入るくらいの広さがあるのだが、玄関から爺さんの部屋までが遠いとにかく遠い、「はぁ~、遠いな。」「まあまあ、師範代こんなに大きい家ですから。」と俺は、文句を言いながら、コトハと話をした。そこから10分がたった。俺は、爺さんの部屋の前に着いた。「乙矢か、それにコトハもか、まぁよい入れ。」と爺さんの言われるまま、部屋に入った。

 「爺さん話って何だ。」と部屋に入るなり俺は聞いた。爺さんは外を眺めてお茶をすすっていた。「焦るな、二人ともそこに座りなさい。」と俺達は座椅子に座った。「乙矢、お前あの神社に行ったのだな。私の話を聞いて。」と、爺さんの目は今まで俺が見て来た目とわ違った。その目は鋭い目になっていた。俺は身震いした。剣士には剣気というものがある、それは戦いの時に威嚇などに使う気当たりを放っていた。

 「確かに、今日は山奥の古びた神社に行った。だけど、爺さんの話を聞いて行ったわけじゃない。静かな場所を探していたらたどり着いただけだ。」爺さんは、俺の話に嘘はないと見抜いたかいつもの優しい顔に戻った。「そうか、お前はいつも探しておったな。けれども、その刀は何だ?」とまた、気当たりを放ち、爺さんは俺の腰の黒鉄を見つめた。「今日行ってきた古びた神社に、あったんだ。」「なるほど、乙矢お前は選ばれたのか。」と爺さんは深いため息を吐き、お茶をすすった。

 俺は、爺さんに刀を見せた。「爺さん、この刀は爺さんの話の伝説の一振り。そしてこの刀の名は・・・。」「黒鉄じゃな。」「本当ですか?お爺様、師範代が持っている刀はあの時話をしていた。あの伝説の刀なのですか?」とコトハは、かなり興奮気味で鼻息が荒くなっていた。伝説や神話が大好きなコトハは、目の前に伝説の一振りがあることにとても好奇心が溢れ出ている状態になっていた。「コトハ少し、落ち着きなさい。」と爺さんはコトハの頭を撫で、「はい」とコトハは落ち着いた様子だった。

 俺は黒鉄を爺さんの前に置いた。すると、「ほう、懐かしい剣気を持っているな。」「お久しぶりです。黒鉄・・・。」「その声は、なるほどそうか、乙矢はお前の孫か。ふふふふ」どうやら、爺さんと黒鉄は昔に知り合っていた様子で話していた。「爺さん、黒鉄の事知っていたのか・・・。」俺は驚きを隠せなかった。「乙矢には、伝説しか話していなかったな。私は昔この刀と出会っていたんだ。」「昔に会っていた?それはどういうことなんだ?」俺は驚きのあまり、大きな声を出してしまった。「乙矢落ち着け。」とコトハと同様に俺の頭を撫で落ち着かせるのであった。「お前が驚くのも無理はない。私がお前と同じ年の頃だった。私は散歩が好きで、山や森にいつも散歩に行っていた。すると古びた神社にたどり着いた。そう、お前も行ったあの神社だ。私はちょうどいい休憩所だなと思い、ひと休みをした。するとどこからか、私に話しかけてくるかのように声が聞こえてきた。私は空耳かと思い、無視をした。すると、その声はいきなり大きくなったのだ。このように。」と黒鉄を爺さんは見つめた。「無視するな!!」と黒鉄は大きな声を出し当時の再現をするかのように「こんな風に、私は驚きその声の方を向いたらそこは、境内の中だった。恐る恐る中を見てみると、そこには黒鉄が封印されていたのだ。」

爺さんは、懐かしむかの様に話してくれた。だが、爺さんの顔は何気なく寂しいさを感じた。「黒鉄、お前は、私に言ったな。お前には相応しくないと・・・。見つかったのだな。」「あぁ、だが、お前の孫だとわな。あの時のお前には、私の出番はなかったのだ・・・。そう、時が来たとでも言おうか。」

 時が来た・・・。その言葉に俺の人生が渦を巻くように、変化しようとしていた。

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