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病死という名の自殺  作者: 傘花
序章
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序章

小説の更新情報は下記の傘花SNSよりご確認いただけます('ω')


Instagram:@kasahana_tosho



「私と一緒に、お父様の死の真相を調べませんか?」



 父の友人だと名乗る初老の男が、目深に被っていた帽子を脱いで、私にお辞儀をする。


 重い暗い話をしているはずなのに、意中の女性を食事に誘うような軽快さと紳士さがそこにはあった。


 だから、男の姿を見つめたまま、私はその場から一歩も動けずにいた。


 凍り付いた私の顔を見た初老の男が、穏やかな笑みを浮かべて言葉を続ける。


「一緒に、調べて欲しいのです。私のために」


 まるで告白にも似たその一言に、私の心臓が大きく跳ねる。


 父の死に、大した理由などない。そこにあったのは、ごく普通でありふれた突然の死。


 そう思っていたはずなのに。


 その男の言葉を、私は何故か、聞かなかったことにはできなかった。


 知りたいとも、思っていない。

 

 それでも、断る理由も見つからない。


 その時初めて、父の死が面倒なものになる予感だけが、私の中に静かに残ったのだった。


 

 ーーー


次回投稿は2/14(土)

を予定しております。

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