技の強さとは
武術や武道について、人の強さとはどこにあるのでしょうか?
力を抜くことを繰り返し稽古しながらも、たとえば1日に三度の稽古に参加すると、ずいぶんと筋力の疲労もありました。
先生ご自身も年を重ねながらも、年々ご自身は強くなったとお話されたことを先輩の師範から聞きました。
力を抜く稽古をしながらも、武道家として強くなるとはどうゆうことなのか?
また、実際の稽古を経験しない人からは、合気道を精神論や気の働かせ方に秘訣があるようにも誤解されるようですが、「合気道の精神」は武道に臨む人達の魂の進むべき道の呈示であろうかと思うので、別に考えるとして、技そのものは全くの体技の修練であると思います。
砂泊先生の万生館の技は、体技の習得を目指しながらも、先生ご自身がまとめられた「合気道の精神」を実現できる稽古だったと思います。
どんなに「敵をなくす」といっても、他の武道では修練や稽古を通して人格を練磨することは可能ですが、技そのものは、やはり格闘術、あるいは武技であろうと思います。
権威、または神威を預かる者の象徴の剣の如くが、技の限界ではないでしょうか?
「結び」を技の展開の基礎と認識して、探究し、研鑽されながら、沢山の入門者や弟子達に指導されてきた砂泊先生の技の素晴らしさは、稽古される技そのものが「敵をなくす」体技の実現だったと理解しています。