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少女は魔剣と共に楽園を目指す  作者: コーヒー微糖派
強欲との決着をつけるべき約束の地
425/503

箱舟に乗る者達は、世界を守るために

新章、今度は空の旅。

楽園を目指す前の練習航海(航空?)

 ロードレオ海賊団のおかげで箱舟は手に入った。お空の船旅も順調である。

 ゆったり動いてるように見えるけど、実際の速度はかなりのものみたい。それでもロードレオのみんながしっかり動かしてくれるから、余裕を持って景色も眺められる。

 魔王軍に続きロードレオ海賊団も味方してくれた。まさか、最初の出会いからこうなるとは思いもよらなかった。

 トラキロさんがランさんを誘拐したのも、レオパルさんがパンティー怪盗したのも今は昔。これからは一緒に頑張るのだから、印象も切り替えて仲良くやりたい。




「ハァ!? ちょ、ちょお待てや!? さっきのオッサンが魔王やて!? う、嘘やろ!?」

「しかも、ミラリアちゃんがエステナってことかァ!? 意味が分かんねェぞォ!? さ、流石のオレも焦らずにはいられねェ!?」


「……でも、やっぱり騒がしい人達」

【そういや、話す機会もなかったからな。……多分、普通はこれぐらい驚く】




 なお、ロードレオ二強であるレオパルさんとトラキロさんはさっきから絶叫が止まらない。正直、やかましい。

 とはいえ、こうなってるのは私のしたお話が原因。無理に鎮めるのも忍びない。


 そもそもの話、ゼロラージャさんが自己紹介せずに帰っちゃったのがいけない。そういう時間がなかったのも事実だけど。

 おかげで私から説明する始末。後、ついでで私の生まれも説明しておいた。これからのことで必要にもなりそうだし。

 で、説明を終えたらレオパルさんとトラキロさんは箱舟の上でてんやわんや。一気に凄いことを話したから、頭の中がグニョグニョになってるみたい。


「つうか、マジか!? マジでミラリアちゃんって、あの女神エステナなんか!?」

「うん、マジ。正確にはエステナの一部。そこから生まれた自我が零れて――」

「い、いやァ……オレらも細かい話は十分だァ。ある意味、箱舟を求めた役者としては十分すぎるかァ? 魔王と一緒だっただけでもスケールが違うってェのに、変に信用できる要素も多いしよォ……」


 なお、てんやわんやの大混乱しながらも、話自体は信じてくれた。時間が経つと息を整えて落ち着き、再び私と向き合ってくれる。

 結構騒いだのに、箱舟は安定して飛び続けてる。これはこれでいいお試しにもなったか。


「こ、この際や……。どえらい話を聞いたついでで、ミラリアちゃんの目的も教えてくれや。今なら大概のことは受け入れられる……気がする」

「それは私も話しておくべき。危険を承知してくれてるならなおのこと。……私は箱舟で楽園を目指したい。そして……楽園を壊す」

「ら、楽園を破壊するだァ……? そ、そういや、ロード岩流島でもそんなことを言ってたかァ……? だが一応は生まれ故郷だってェのに、随分と大それたことをォ……?」

「そうしないと世界が滅んじゃう。生みの親であるエステナだって倒さないといけない。……それが私の目的」

「……そらまた、予想しとってもゴッツイ話やな。まあ、こないして箱舟まで出して、途中下船なんざする気もあらへん。二言は嫌いやさかいな。ニャハハハ!」


 ついでとばかりに、私が箱舟を求めてた理由も説明。こっちについては元々の覚悟もあれば、前の話ですでにドッキリものだったからか、割と素直に受け入れてくれた。

 本当に言ったことを守ってくれることには感謝する。私では箱舟を飛ばせなく、楽園へは辿り着けない。

 世界の危機についても納得してくれたし、今後も頼らせてもらおう。


 ――悪いことをしなければ、カラクリ含めてここまで優秀だったんだ。


【――ふむ。どうやら、無事に箱舟を手にしたようじゃのう】

「あっ、スペリアス様。今ってお話できるの?」

【少しぐらいならのう】

【俺も話したかったところですよ。今は楽園へ向かう前の練習といったところですね】


 ロードレオ海賊団のことはさておき、今度は腰の魔剣から声が届いてくる。どうやら、浮島のスペリアス様がまたお話してくれるみたい。

 こうやって大きな区切りを迎えたし、ゆっくりできる間に語らうのも一興。近くの箱へ腰かけて、ツギル兄ちゃんも含めての談笑タイムだ。


「なんだか、ミラリアちゃんが持ってる新しい魔剣も喋ってませんかねェ?」

「今更やろ。世界は広いし、喋る刀の二本三本あってもおかしないわ」


 なお、トラキロさんとレオパルさんにも声は聞こえてる。でも、スペリアス様のことにはツッコまない。

 どうにも、色々とドッキリが過ぎて感覚が麻痺してるっぽい。まあ、私も説明するのって疲れる。気にしなくていいことは気にしない方向で。


【箱舟は完全な形で保管されておったか。実に幸いじゃな。様子を見るに、頼れる味方も増えたのか】

「うん。少し練習で空を飛んだら楽園を目指す。みんなも理解してくれてる。……世界を守るためには、たくさんの力も必要」

【ああ、その通りじゃ。古代の人間はゲンソウに欲を抱くあまり、周囲の声さえも跳ねのけてしもうた。じゃから楽園を残して世界は滅んだ。おぬしならば、同じ過ちは繰り返すまい】


 ロードレオのみんなが箱舟を動かしてくれる中、スペリアス様とのお話は続く。今の私が歩む道のりにしても、確かなものだって思えてくる。

 私がやることは、かつての歴史を繰り返さないこと。エステナが巻き起こそうとする混乱は、同じくエステナでもある私が始末をつける。

 その過程で同じことをしたらダメ。太古の歴史に学び、私も成長して考えないといけない。




 ――ゲンソウを生んでしまった博士さんも、きっとそのことを望んでる。そして、この世界が守られることを。

ロードレオのシナプス焼き切れちゃう。

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