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少女は魔剣と共に楽園を目指す  作者: コーヒー微糖派
永き歴史を紡ぐ種族の里
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◆海邪豹レオパル・改Ⅲ

レオパル式触手プレイの脅威!

 ただでさえ頭のおかしいスピードで厄介だったレオパルさん。さらには手を伸ばして鞭のようにしならせ、こちらの動きを絡めとる手段まで用意してきた。

 左眼からはビームが飛んでくるし、一転して距離を置いてもレオパルさんの土俵となった状況。これ、どうやって戦えばいいんだろ?


「なんや? かかって来おへんのか? せやったら、ウチから行かせてもらうでぇぇええ!!」

「ふえっ!? またさっきの高速移動!?」


 超スピードによるかく乱だってまだ健在だ。こっちから攻めずとも、またまた姿が見えなくなるほど素早く動き始める。

 これについては一応の対抗策がある。ただ、新たな技を用意したレオパルさんに通用するかどうか。


振陣(ブレゾーン)――」

「甘いわ! 甘々や! そないに同じ手は何度も食らわんし、ワイヤーレフトがあればどないとでもなる!」


 部屋一帯への振陣(ブレゾーン)でレオパルさんを振り落とそうとするも、即座に左手をこちらへ伸ばして遮られてしまう。

 また魔剣や私自身を掴まれると厄介。そう考えると、中断してでも回避に専念するしかない。


「逃がさへんでえ! オメメガビーム!」

「うふぇっ!? に、逃げても逃げても追ってくるし、休んでる暇がなさすぎる!?」

【あの変態女船長……! 体力までも人間を超えてるのか……!?】


 思わず変な声が漏れるぐらい、レオパルさんの猛攻が激しすぎる。逃げに徹するしかないし、その逃げさえも潰されかけてる。

 以前の鼻血ブーによるスタミナ切れとは違い、今回はガンガン攻撃を繰り返す驚異のスタミナ。鼻血がなければここまでタフということか。

 船の下に用意されたスペースはそれなりに広いけど、周囲は海水で満たされている。逃げ続ける分には厳しいフィールドだ。

 何より、逃げるだけでは勝てない。ゼロラージャさんの時と違い、この戦いに時間制限はない。


 ――どこかで手を打たないといけないけど、考えてる余裕すらない。


「ツ、ツギル兄ちゃん! 何か作戦はないの!?」

【お、俺だって考えてる! だが、こうも敵の攻め手が多いと……!?】


 こういう時、いつもツギル兄ちゃんを頼りに作戦を立ててもらってきた。でも、今回ばかりはそうもいかない。

 レオパルさんの戦い方は魔法でもなければ剣技でもない。あまりに変則的で、動きが全部おかしい。

 これに比べれば、トラキロさんの方がまだ人間的な動きに収まってた。パワーは凄かったけど、レオパルさんみたいに速すぎて見えなかったり腕が伸びたりはしない。


 ――なんだか、感覚がマヒしてるかも。トラキロさんの『腕が回転する』も受け入れちゃってる。




「……頃合いか。今度は二発同時に行くでぇえ! ワイヤーレフト・アンド・ライト!」



 バシュンッ! バシュンッ!



「み、右手も一緒に飛ばしてきた!?」

【両手でできたのかよ!? それ!?】




 そうこうしているうちに、レオパルさんは文字通りさらなる一手を繰り出してくる。右手に持ってたポン刀を口に咥え、右手と左手が同時にこちらへ襲って来た。

 まさか、右手も同じように使えるとは予想外。あえて左手に意識が向いたタイミングを狙い、右手を飛ばすタイミングを伺ってたのか。変態のくせに巧み。


 ――後、ポン刀を咥えたままどうやって喋ったのかは地味に気になる。



 シュルルンッ!



「し、しまった!? 右足に右手が!?」

【お、俺には左手が!? しかもミラリアの左手ごと!?】

「ニャーハハハ! まーた捕らえたでぇえ! 今度はさっきみたいに温くは終わらへん! 完っっっ全にダウンして『レオパル様、ごめんなさい』って言うまでシゴいたるでぇぇええ!!」


 あまりの猛攻とおかしな戦い方を見て、私も気が緩んでしまったか。右足と魔剣を同時に絡めとられ、完全に身動きを拘束されてしまう。抜刀さえも封じられてしまう。

 変態だしどこかふざけてるのに、実力だけは本物って本当に厄介。ついついペースを狂わされる。

 今回はさっきよりも拘束がキツく、簡単に振りほどけそうにもない。


「ほーれ! レオパルちゃん式ワイヤー術、とくと味わえやぁぁあ!」



 ヒュン――ビタァンッ!


 ヒュン――ビタァンッ!



「うぐっ!? い、痛い……!?」

【くっそ!? ミ、ミラリア……!?】


 そこから始まるのは、レオパルさんによる連続ビッタンバッタン。完全に動きを封じられ、床や壁に何度も叩きつけられる。

 どうにか受け身でダメージを軽減するものの、何度もやられれば流石にキツい。居合も使えないように拘束されてるし、このままではやられてしまう。

 何でもいいから、どこかに打開策は――




「ッ!? 閃いた! あの壁を使う!」

【か、壁!? 何をする気だ!?】




 ――ないかと振り回されながら考えてると、叩きつけられそうになる先にある壁に可能性を見出せた。

 レオパルさんって、あくまで『この部屋の中』だからその能力を最大限に活かせてる面が強い。

 超高速で床や壁や天井を蹴って移動するのも、伸びる手で私を拘束して叩きつけるのも、部屋の中だからできる芸当だ。


 ――こういう時の一か八かにも慣れてきた。無謀でも試さないと活路は開けない。


「ふんりゃぁああ!!」



 ドバギィィイン!!



「なんや!? 壁を蹴り破ったやと!? そないなことして、何の意味があるんや!?」


 レオパルさんに振り回される勢いも利用し、思いっきり壁へキック。脚力にも自信はあるし、勢いさえ乗れば木製の壁を蹴り砕くことだってできなくはない。

 そうして穴を開けたら、今度はレオパルさんの動きに逆らうように外へ出て船の側面へ張り付く。

 これで体勢的にもレオパルさんの振り回しに対抗できる。船の側面を挟むことで、レオパルさんの振り回すパワーも上手く届かない。


「ふんぎぎぎ……! け、結構耐えるやないかい……!? ウ、ウチは別に釣り竿じゃないんやで……!?」

「ぐんぬぬぬ……! そんなに釣り竿の真似が嫌なら、あなたもこっちに来ればいい……!」


 すぐ下は海という状況でも、なんとか側面へ張り付いて踏ん張る。そうすることで、わずかでも魔剣を抜刀できるだけの隙間ができた。

 ここまでは上手くいったけど、実際に全部通用するかは出たとこ勝負。魔剣へ衝撃魔法を念じながら、必死に作った隙間で居合動作。


 ――私とレオパルさんは繋がった状態だし、少しでも伝搬させればそれでいい。




「伸びる手を伝って響け! 振陣(ブレゾーン)!!」

ミラリアらしからぬパワー勝負は吉と出るか凶と出るか?

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